英名：Peppermint
学名：Mentha piperita（メンタ・ピペリタ）
和名：セイヨウハッカ（西洋薄荷）、コショウハッカ（胡椒薄荷）
科名：シソ科
種類：多年草
草丈：約30〜100cm
原産地：北半球の温帯地域、アフリカ
精油の抽出部位：全草
精油の抽出方法：水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ：クールでやや甘い清涼感のある香り
香りのノート：トップ
ブレンドファクター：1
精油の成分例：
【モノテルペンアルコール】l-メントール（35〜50％）
【エステル】酢酸メンチル（5〜10％）
【ケトン】メントン（15〜30％）
【ケトン】プレゴン（微量）
【酸化物】1,8-シネオール（5〜10％）
【微量成分】リモネン、メントフラン

ペパーミントは古来より薬草としての歴史を持ち、ぴりっとした辛みのある香りからコショウミントの名で呼ばれてきました。ミントには600種を超える品種があり、ペパーミントはウォーターミント（Mentha aquatica）とスペアミント（Mentha spicata）の交配種だと言われています。生命力が非常に強く、庭に植えると地下茎でどこまでも繁殖します。ミントの名はギリシャ神話でミントの草に姿を変えられてしまった可憐な妖精メンタの名に由来しています。古代ギリシャ人やローマ人はペパーミントの冠を飾り、ミント風味のワインを祝宴に供しました。フレッシュハーブ、ドライハーブともにティーとして飲用されます。清涼感のある爽やかな味と香りは食後ティーやリフレッシュティーに最適です。飲み過ぎ食べ過ぎの時には胃腸を整え、すっきりさせます。ミントにはペパーミントとスペアミントがありますが、ペパーミントティーの方が清涼感が強く、メディカルハーブとしての使用率が高いです。スペアミントは穏やかな作用でやや甘味があり、日常的な飲み物として利用されます。ミントはチョコレートやシャーベット等のデザートの風味づけやリキュールにも広く使用されています。アルコールが禁止されているアラブ諸国ではミント入りのティーがよく飲まれています。キューバで人気のある「モヒート」というカクテルには、ミント、ラム酒、砂糖、ライムが使われています。全草から抽出される精油はクールで爽やかなメントール成分を含み、ガムなどの香料に使われています。リフレッシュ感のある香りは石鹸や洗剤の香りづけ、香水、歯磨き、マウスウォッシュ、冷却剤、消炎剤などの材料として広く商業利用されています。ひんやりする印象のペパーミントですが意外にも冷却と温熱の両方の作用を併せ持っています。これは冷却した部分に熱が集まることで温められる性質があるからです。同様に刺激と鎮静の作用も併せ持ちます。ペパーミント精油はハウスキーピングに利用価値が高く、拭き掃除の時にバケツの水に２〜３滴落として混ぜる、洗濯機のすすぎ水に滴下する、リネンスプレーなどに活用できます。

★ハッカ精油とペパーミント精油★
ハッカ（学名：Mentha arvensis ）はコーンミントとも呼ばれ、メンソールタバコの香料、医薬品、キャンディなどに広く利用されています。ハッカ油を冷却して再結晶させたものを「薄荷脳（はっかのう）」と言い、小さな水晶のような形をしています。これは消臭や防虫に役立ちます。ハッカ油は医療においては湿布などで使用されています。日本では北海道の北見市が薄荷とその精油の産地としてよく知られています。

 

 《ペパーミント精油》の作用

一般的な精油に期待される作用：冷却、鎮痛、抗菌、抗ウイルス、抗真菌、抗炎症、消毒、駆風、頭脳明晰、強壮、去痰、解熱、刺激、健胃、粘液溶解、通経、発汗促進

心への作用：気分が冴えない時、すっきりさせたい時にリフレッシュ作用を発揮します。精神的な疲労を回復させ、集中力を呼び覚まし、クリアな思考力を維持します。気持ちを冷却する作用があるので、腹立ち、神経質、興奮した気持ちをクールダウンさせます。

ヒーリングの作用：意識を瞬間に覚醒させます。何かショックなことがあった時のオーラを護ります。現実感を呼び覚まし素早くグラウンディングさせます。エネルギーのリセット、認識を促します。

キーワード：クールダウン、リフレッシュ、パワー

相性の良い精油：柑橘系、ハーブ系とよく合います。その他、ジュニパー、サイプレス、スプリュース

禁忌：神経毒性のあるケトン成分を含有するため、てんかんの方、妊婦及び授乳期の方は使用を避けます。肌使用は皮膚刺激性があります。身体に対して多量に塗布すると体温を急激に下げるため注意します。ホメオパシー療法との併用には注意が必要なので専門家に訊ねます。
　
 

　《ペパーミント精油》を使ったホームケアの方法

◆消化器系の不調、お腹のガスに
　胃や下腹部に右回りの円を描くようにオイルマッサージするか、温湿布を行います。

◆風邪、インフルエンザなどの熱を伴う感染症のケアに
　額に冷湿布を行うか、喉や胸元にジェルで希釈して塗布を行います。

◆鼻づまり、花粉症のケアに
　吸引法を行うか、マスクスプレーに加えます。

◆打撲、捻挫に
　湿布を行うか、クレイパックのペーストに加えます。

◆乗り物酔い、吐き気に
　ティッシュに滴下して香りを嗅ぎます。

◆頭痛、腰痛、関節炎に
　ジェルなどで希釈したものを痛み部分に塗布します。

◆ぼんやりする、気力が湧かない、集中力をあげたい
　ジェルやクリームなどで希釈して胸元、みぞおち等に塗布を行います。

◆腹立ち、怒り、興奮状態に
　ルームスプレーを撒くか、ティッシュに垂らして深呼吸を行います。

◆虫除けに
　ゴキブリ、コバエなどの虫除けとして、生ごみや通り道にスプレーします。

 　《ペパーミント》ドライハーブのプロフィール

ハーブの使用部位：葉

ハーブの成分：l-メントール、メントン、フラボノイド、タンニン、苦味質

一般的なハーブに期待される作用：健胃、発汗、制吐、鎮痛、強壮、殺菌、収れん、刺激、鎮静

禁忌：妊娠中、授乳中の多量摂取を避けます。乳幼児への使用は避けます。

ハーブティーブレンド：味のベースとなるため、ほとんどのハーブと合います。

ハーブティーの浸出時間：3分

ハーブティーの味：すっきりと爽やかなミントの味と香り
 

　《ペパーミント》ドライハーブの使い方

◆乗り物酔い、吐き気、食べ過ぎ、飲み過ぎに
　やや濃いめのシングルティーを飲むか、カプセルやチンキを内服します。

◆リフレッシュバス、夏の爽やかなお風呂に
　ハーブバスに加えます。

◆サロンワークに
　ハーブボール、ハーブスチーム、フットバスなどに加えます。

◆マウスウォッシュ、うがいに
　濃いめの浸出液で口中をすすぎます。

◆料理、お菓子に
　リキュール、ハーブシロップ、ゼリー、アイスクリームなどの風味づけに利用します。

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