英名：Cumin Seed
学名：Cuminum cyminum（クミナム・シミナム）
和名：ウマゼリ（馬芹）
科名：セリ科
種類：一年草、二年草
草丈：約20〜40cm
原産地：地中海東部沿岸
精油の抽出部位：種子（果実）
精油の抽出方法：水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ：温かみのある土とスパイスの香り
香りのノート：ミドル
ブレンドファクター：2
精油の成分例：
【芳香族アルデヒド】クミナール（クミンアルデヒド）（32〜36%）
【芳香族アルコール】クミンアルコール（15〜18%）
【モノテルペン炭化水素】γ-テルピネン（9〜11%）
【モノテルペンアルデヒド】サフラナール（10〜12%）
【モノテルペン炭化水素】?p-シメン（9〜10%）
【モノテルペン炭化水素】β-ピネン（7〜8%）
その他、フェランドレン、ミルセン、ファルネセン、カリオフィレン

クミンは、地中海東部沿岸原産のセリ科の一年草（または二年草）で高さは20〜40cmに成長します。和名を「馬芹」、その他にも「キュマン」、「ジラ」（キャラウェイシードも「ジラ」の名で呼ばれる）とも呼ばれています。葉は細長い針のような形で４月頃に傘のような形の白やピンク色の花を咲かせます。５月に約5mmの長細い種子（植物学上は果実）がつき、種子には淡黄色の縦筋があります。種子の様子はキャラウェイシードによく似ていますが香りはキャラウェイのような甘いハーブ調ではなく、鮮烈なスパイシーさがあります。種子には強い芳香と苦みと辛みがあり、エスニック料理の香辛料として利用されています。ガラムマサラの材料であり、カレーの香辛料として欠かせないスパイスで香りも「カレー」（特にインド料理店のカレー）そのものを連想させます。料理に使う時には炒るか、油で加熱すると香りが引き立ちます。肉料理をはじめクスクス、チリコンカンなどにもよく合い、炒めたクミンと米を炊いたものは「クミンライス（ジラライス）」と呼ばれています。クミン種子は歴史の古いスパイスの１つで、伝統療法に利用されてきました。古代エジプトの最古の医学書「エーベルス・パピルス」にも記載され、王の墓に副葬品として供えられ、防腐剤としてミイラ作りに使われてきました。中世ヨーロッパでは料理や薬用の他に、恋人の心変わりを封じたり、夫婦の貞節の誓いや懐妊のためのお呪いとしてポケットに入れるなどして使われてきました。食欲増進や消化促進作用があるため、インドやヨーロッパでは健胃剤、駆風剤として利用されてきました。近年ではO-157によるベロ毒素の産生を抑制する報告もあります。日本には19世紀前半に伝来しましたが国内では栽培されず、種子は主にインドから輸入されています。種子はビタミン類、カルシウム、リン、鉄分などのミネラル類を豊富に含み、その他にもカリウムが余分な塩分を体外に排出させるのでむくみや高血圧の予防を行います。クミン種子に含まれる植物ステロールはコレステロールの排出や脂肪燃焼を助けるのでダイエットにも利用されています。クミンの種子からは水蒸気蒸留法でクミンシード精油が抽出されます。乾燥、粉砕した種子から得られる精油の香りはスパイスとしてのクミンの香りに比べて鮮烈で刺激的です。精油の色は淡い黄色で香りは土っぽさと温かみのあるスパイス調です。アロマセラピストのなかには深いリラクゼーションのための良いアクセントになるという人もいます。ペッパーのように豊かな香りは、ボディをリラックスさせながらマインドをほどよく刺激します。

 《クミンシード精油》の作用

一般的な精油に期待される作用：消化促進、健胃、駆風、催乳、鎮痛、抗菌

心への作用：不安感やストレス、倦み疲れた気持ちを取り去り、神経を強壮、元気づけます。

ヒーリングの作用：太陽神経叢に溜め込まれた抑圧を解放し、物事への理解を深めて腹部のエナジー循環を促します。

キーワード：養分の吸収、物事への理解

相性の良い精油：アンジェリカルート、アンジェリカシード、キャラウェイシード、カモミールローマン、フェンネル、フランキンセンス

禁忌：常に低濃度で使用します。妊娠中の使用を避けます。光毒性があるため皮膚塗布後12時間は紫外線を避けます。
 

　《クミンシード精油》を使ったホームケアの方法

◆お腹のガス、胃もたれに
　マッサージオイルを作り腹部を時計周りに擦ります。