英名：Oak Moss
学名：Evernia prunastri（エベルニア・プルナストリ）
和名：ツノマタゴケ（角叉苔）
科名：ウメノキゴケ科
種類：地衣類
丈：約3〜4ｃｍ
原産地：ヨーロッパ、北米
精油の抽出部位：全草（苔部分）
精油の抽出方法：溶剤抽出法
精油の香りのイメージ：湿った土や苔を想わせる香り
香りのノート：ベース
ブレンドファクター：4
精油の成分例：
12個のモノアリル化合物
【モノテルペン炭化水素】α-ピネン
【モノテルペン炭化水素】β-ピネン
【モノテルペン炭化水素】カンフェン
【モノテルペン】ミルセン
【モノテルペン炭化水素】リモネン
【酸化物】1,8-シネオール
【モノテルペン炭化水素】パラシメン
【ケトン】α-ツジョン
【ケトン】β-ツジョン
【ケトン】カンファー
【モノテルペンアルコール】リナロール
【モノテルペンアルコール】フェンキルアルコール
【モノテルペンアルコール】テルピネン-4-オール
【モノテルペンアルコール】ボルネオール
【モノテルペンアルコール】α-テルピネオール
コケ類（オークモス含む）植物画：Wikipedia
オークモスはツノマタゴケと呼ばれる地衣類（ちいるい）です。地衣類は一般に「苔（こけ）」と呼ばれていますが、菌類の仲間であって植物ではなく、菌類と藻類（そうるい）が共生して一つの体を作っている共生体です。藻類とは、主に水中や湿地に生育する、体内に葉緑素などの色素を持つ植物の総称です。オークモスはヨーロッパの山々に生育するオークツリー（樫）の樹皮や枝皮に着生する地衣類で、その形が苔（moss）に似ているためオークモスと呼ばれています。オークモスの精油はその地衣類を採取して乾燥させ、その後に湿らせてから溶剤抽出によって芳香成分を取り出します。精油は濃い緑色〜茶色の粘性の高い液体で高価であることから一般的なアロマセラピー利用はほとんどなく、用途は天然香水が主です。フランスのルイ13世の時代にはウィッグ用の髪粉（かみこ）の香料として使われていたそうです。オークモス精油は香水の原料として使われてきました。ベースノートとしての保留性があり、香水の世界ではこの香りはシプレー調を代表する香りです。シプレーノートとは、重厚感や格調を表現する香りの要素でオークモスにベルガモットなどのシトラスノートを加えたものです。レザー調（革のような）と柑橘の混じった都会的な印象のある香りです。シプレーが女性的と言われるのと対称に、男性的な香りはフゼアノートと呼ばれています。フゼアはシダ（羊歯）の意味でハーブの草の青っぽさとオークモスの湿った土の香りの混じった香りです。このようにオークモス精油は女性用、男性用の香水のどちらにも使われています。ゲラン、ピノー、ロジェ・ガレ、コティ、シャネル、ディオールなどの有名メーカーが、こぞってこの香料を用いてきました。なかでもゲランの「Mitsouko」やシャネルの「No. 5」、ディオールの「Miss Dior 」などはとても有名です。オークモス・アブソリュート精油にはアレルギーの誘発性が懸念されるため、天然香水で使う場合は肌にスプレーするのではなく、ハンカチなどに沁みこませると良いでしょう。単体ではなく通常はブレンドして使用します。なお、オークモス精油は偽和品が多いので信頼あるメーカーから購入するようにします。
《オークモス・アブソリュート》精油の作用
一般的な精油に期待される作用：消毒、粘膜保護、去痰
心への作用：心の安らぎをもたらし、精神的な安定感を与えます。
ヒーリングの作用：地球とつながり、豊かさやインスピレーションを受け取るのをサポートします。
キーワード：グラウンディング、肉体と霊性の保護
相性の良い精油：アニス、ベイリーフ、ベルガモット、クラリセージ、ユーカリ、ジンジャー、ラベンダー、ライム、オレンジ、パルマローザ、ティートリー、ベチバー、イランイラン
《オークモス・アブソリュート》精油を使ったホームケアの方法
◆天然香水に
数種類の精油とブレンドして天然香水を作ります。
