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CPソープの植物油
CPソープに使用する一般的な植物油、油脂の一覧です。使用するオイルによって泡立ちや硬さや質感が変化します。それぞれの肌質や対象、目的に合わせて植物油を組み合わせ選択します。 注意! 手作り石鹸の使用感やお肌の反応には個人差があります。表記の作用は一般的に期待されるものであり、当サイトが各基材の効能を保証するものではありません。手作り石鹸の使用前には必ずパッチテストを行ってください。
CPソープ作りに使用する一般的な植物油・油脂の一覧
■アプリコットカーネル油 【バラ科】鹸化価:190 杏仁油。杏(アプリコット)の種(カーネル)から抽出される植物オイル。ミネラル、ビタミンA、B群、Eを含んでいます。オレイン酸、リノール酸を多く含んでいます。石鹸は溶け崩れしやすく硬い仕上がりになるため他オイルと組み合わせて使います。泡立ちはきめ細かく、しっとりとした石鹸に仕上がります。 ■アボカド油 【クスノキ科】鹸化価:212 和名はワニナシ油。アボカドの果肉から抽出される緑色の植物オイル。未精製のものは独特な香りがします。オレイン酸、リノール酸などの必須脂肪酸が多く含まれる他、ビタミンA、B1、B2、D、Eと天然レシチン、プロテインなどの栄養分を豊富に含んでいます。乾燥肌、老化肌向け、ベビー石鹸にも向きます。石鹸は溶け崩れしやすいためオプションで加えるとほどよい硬さに仕上がります。きめ細かい泡立ちでふんわり軽い洗い上がりの石鹸になります。価格はやや高価です。 ■イブニングプリムローズ油 【アカバナ科】鹸化価:189 月見草油。月見草の種子から抽出される黄色の植物オイル。必須脂肪酸であるリノール酸が主成分で、同じく必須脂肪酸であるγ−リノレン(ガンマリノレン)酸を含有します。γ−リノレン酸は体内で生理活性物質となり、炎症を抑えるのに役立つとされます。月見草油は光、熱、湿気、酸素によって変化しやすいため保存性は低くなります。肌質は乾燥肌、老化肌向きで石鹸は柔らかくきめ細かい泡立ちになります。価格はやや高価です。 ■オリーブ油 【モクセイ科】鹸化価:190(ピュア)187.6(エクストラバージン) オリーブの実から抽出される植物オイル。オレイン酸が8割とパルミチン酸、リノール酸を含みます。最初の圧搾で得られたものはエキストラバージンオイルと呼ばれ、独特な香りでトレースまでに時間がかかります。石鹸作りには精製した100%ピュアオリーブ油が適しています。肌への浸透性が高く、しっとりとした質感で乾燥肌に向いています。フランスのルイ14世の時代に定義された「マルセイユ石鹸(サボン・ド・マルセイユ)」はオリーブオイルのみで作られた石鹸です。現在はオリーブ油72%のものもマルセイユ石鹸と呼ばれています。オリーブオイルが多いと溶け崩れやすいため、他オイルと組み合わせて使用します。石鹸は持続性のある泡立ちになります。 ■カスター油 【トウダイグサ科】鹸化価:180 和名はヒマシ油。キャスターオイルとも。トウゴマの種子から採れ、抗炎症作用を持つリシノール酸を8割以上含みます。水分を引き寄せる性質があり、配合すると持続性のある大きな泡立ちとなり、石鹸の粘度を高めます。石鹸に加えると柔らかく溶けやすいためシャンプー石鹸に向いています。 ■カメリア油 【ツバキ科】鹸化価:193 和名は椿油。日本人には馴染み深いオイルで昔から整髪や化粧に使用されてきました。オレイン酸を多く含み酸化しにくいオイルです。溶け崩れはありますが硬さのある石鹸に仕上げます。使い心地はオリーブオイルに似ています。石鹸は持続性のある軽い泡立ちになります。 ■ククイナッツ油 【トウダイグサ科】鹸化価:192 ハワイ原産のククイの木の実、ククイナッツから抽出されるオイル。主成分である必須脂肪酸のリノール酸、リノレン酸には保湿や抗炎症作用があります。石鹸は柔らかで溶けやすく、ほどよい泡立ちがあります。石鹸作りには全体のオイル量の10〜30%を加えます。軽い使用感ですが酸化しやすいためオイル、石鹸ともに冷蔵庫で保存します。価格はやや高価です。 ■グレープシード油 【ブドウ科】鹸化価:187 ブドウ種子から抽出された植物オイルで、主成分はリノール酸、オレイン酸。ビタミンEを含み、低刺激でアレルギーが起きにくいのが特長です。酸化は早く、単体だと溶け崩れやすく、固まりにくいため他オイルと組み合わせて使用します。使用感の軽いオイルでさっぱりとした洗い上がりになります。 ■ココア脂 【アオギリ科】鹸化価:201 ココアバター。カカオ脂。カカオ豆から採れる植物バター。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸を含み、皮膚の保護を行い乾燥肌や乾燥する季節に向きます。泡立ちはほとんどありません。石鹸を硬く仕上げますが、もろく崩れやすいため上限を20%として他オイルと組み合わせて使用します。 ■ココナツ油 【ヤシ科】鹸化価:254 ココナツの果肉を乾燥させたコプラから抽出された植物オイル。パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプリン酸を含み、軽い手触りです。多めに配合すると乾燥しやすくなるため他オイルと組み合わせ使用します。融点25°で室温で半固形状で、分留していないものは低温で固まるため使用前に使う分量を湯せんしておきます。石鹸に加えると泡立ちと洗浄力が高まります。※皮膚刺激の懸念があるため、全体オイル量の20%程度を目安とします。 ■ゴマ油 【ゴマ科】鹸化価:190 ゴマ種子から抽出されたオイル。セサミ油。リノール酸、オレイン酸、ビタミンE、ミネラルを含みます。抗酸化物質のセサミンによって酸化しにくい特長があります。石鹸には褐色のゴマ油ではなく、匂いのない太白ゴマ油を使用します。溶け崩れやすく硬い仕上がりの石鹸になり、きめ細かいもちもちとした泡立ちで、洗い上がりはさっぱりとしています。多めに配合するとピンク色の石鹸になります。 ■米油 【イネ科】鹸化価:188 米糠から抽出されるオイル。米ぬか油、ライスブラン油とも。オレイン酸、リノール酸、ビタミンEを多く含み、加熱しても酸化しにくく、トレースが早く出ます。保湿性がありながらもさっぱりとして泡立ちが良い石鹸に仕上がります。スーパーなどで入手出来ます。 ■サンフラワー油 【キク科】鹸化価:190 ヒマワリ油へ→ ■シア脂 【アカテツ科】鹸化価:178 シアバターもしくはカリテバター。シアの木に生る多肉質の果実の仁から採れる植物バター。精製と未精製のものがあり、どちらも肌の乾燥を防ぎます。油脂の主成分はステアリン酸、オレイン酸などの他、トコフェロール、カロチノイドなどの有用成分が含まれています。融点は32〜35℃。体温で溶け、未精製のものはほのかに甘い香りがします。泡立ちはほとんどありませんが、なめらかな仕上がりになります。皮膚に保護膜を作り、ほど良い硬さに仕上げます。オプションとして少量加える他、材料として加える場合は全体オイル量の10%ほどを加えます。価格はやや高価です。 ■スイートアーモンド油 【バラ科】鹸化価:194 アーモンドの種から抽出した植物オイル。マッサージオイルとして一般的によく使われます。オレイン酸が主な成分でリノール酸、ビタミンA、B1、B2、B6の他パルミチン酸を含みます。乾燥肌や老化肌向きです。石鹸に加えると溶けやすく、泡立ちはクリームのようにきめ細かく仕上がります。全体に対して20%量を加えるとほどよい硬さになります。 ■パーム油 【ヤシ科】鹸化価:198.5(ホワイト) アブラヤシの赤い実から抽出されるオイルを脱色して精製したものです。パルミチン酸、オレイン酸を含みます。溶け崩れのない硬さのある石鹸に仕上げるために欠かせないオイルです。持続性のある泡立ちとなります。融点が35℃で、低温で固形となるため、湯せんにかけてから使用します。未精製のパーム油はレッドパーム油と呼ばれます。→レッドパーム油参照 ■ヒマワリ油 【キク科】鹸化価:190 ヒマワリの種子から採れる軽い質感のオイル。サンフラワーオイルとも。リノール酸、オレイン酸を多く含み、その他ビタミンA、D、Eやミネラルを含んでいます。乾燥肌、老化肌のマッサージオイルとしてもよく使用されます。石鹸は溶け崩れやすくトレースが出にくいので他のオイルと組み合わせて使用します。 ■ホホバ油 【ツゲ科】鹸化価:98(未精製)93(精製) ツゲ科の植物の実から抽出される植物ロウ。常温で液体、低温で固化。非常に酸化しにくく保存性に優れます。肌なじみが良くアレルギーを起こしにくいため用途の広いオイルです。石鹸に加えるとしっとりとした質感になりますが泡立ちや硬さはありません。CP石鹸にはスーパーファットとしてよく使用されます。 ■ボリジ油 【ムラサキ科】鹸化価:190 ボリジ(ボラージ、ルリジシャ)の種子から抽出される植物オイル。成分中に多く含まれる必須脂肪酸のγ-リノレン酸は皮膚の蘇生や老化によるしわ予防に良いとされます。かゆみが出やすい肌や荒れたお肌に向きますが、酸化しやすいため早めに使い切ります。石鹸にすると柔らかくきめ細かい泡立ちになります。型入れ前に少量を加えても。価格ややや高価です。 ■マカダミアナッツ油 【ヤマモガシ科】鹸化価:195 マカダミアナッツの種実を圧搾して得られる植物オイル。ヒトの皮脂に似た脂肪酸、パルミトレイン酸を多く含み、吸収性が高く、肌なじみがよいのが特長です。量が多いと石鹸は柔らかく、溶け崩れしやすくなります。泡立ちはきめが細かく、さっぱりとしていながら保湿性もあります。多めに配合するとピンクがかったベージュ色になります。 ■レッドパーム油 【ヤシ科】鹸化価:97 アブラヤシの赤い実から抽出される未精製のパーム油。成分中のカロテン、ビタミンEはお肌の修復に良いとされます。パームオイルと同じパルミチン酸、オレイン酸を含みます。石鹸に硬さを与え、鮮やかなオレンジ色に仕上がります。レッドパーム油を精製脱色したものはパーム油もしくはホワイトパーム油と呼ばれます。→パーム油参照 ■ローズヒップ油 【バラ科】鹸化価:193(未精製)190(精製) 野バラの一種であるドッグローズの実から抽出される植物オイル。未精製のオイルは赤みがかったオレンジピンク色、精製されたオイルは無色透明で、どちらも美容オイルとして使用されます。
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