英名:Coffee
学名:Coffea arabica(コフィア・アラビカ)
和名:コーヒーノキ、アラビアコーヒー
科名:アカネ科
植物分類:常緑低木
樹高:約4〜7m
原産地:アフリカ〜マダガスカル周辺
精油の抽出部位:種子
精油の抽出方法:圧搾法
精油の香りのイメージ:苦みのある刺激的なコーヒーの香り
香りのノート:ミドル〜ベース
ブレンドファクター:3
精油の成分例:
3,5-ジカフェオイルキナ酸
クロロゲン酸
ポリフェノール
フェニルアラニン
フェルラ酸
カフェイン酸
コーヒーノキ植物画:Wikipedia
コーヒー豆の採れるコーヒーノキはアフリカからマダガスカル島が原産の常緑樹です。約100種類ありますが最も一般的な種類はアラビアコーヒー(Coffea arabica)で、コーヒーの原料となるコーヒー豆が収穫されます。産地により品種が異なり、ジャマイカではブルーマウンテン、ハワイではハワイ・コナなどが知られています。コーヒーノキは観葉植物としても栽培されています。2〜3日という短期間で咲き終わる白い花はジャスミンのような甘い香りがします。コーヒー豆となる果実は緑色から赤色、赤紫色になって熟します。花後に生るコーヒーチェリーと呼ばれる果実の果肉は甘く、食用も出来ます。果肉のなかには半球型のコーヒー豆が2つずつ入っています。この豆を焙煎し、砕いて湯で抽出したものが「珈琲」です。コーヒーの飲用は13世紀のアラビアに始まり、当時は果実酒や薬用に使われていました。
ヨーロッパに伝わるコーヒーに関する有名な伝説「ヤギ飼いのカルディ少年」は、飼っているヤギたちが赤い木の実を食べて飛び跳ね、興奮する様子を見て、試しにそれを食用してみたところ、たちまち疲れが取れて元気いっぱいになったというお話です。それが修道院の僧たちに伝わり、コーヒーの実が修行中の眠気覚ましや疲労回復剤に使われたそうです。「コーヒールンバ」にも歌われたコーヒーの持つ多幸感や高揚感を示唆する逸話です。実際に生のコーヒー豆には植物アルカロイドのカフェインが1〜2%含まれており、興奮物質であるカフェインは抽出されたコーヒー飲料にも0.04%程度含まれています。カフェインには強心、利尿、中枢神経興奮などの作用があり、生薬や医薬品として使われています。カフェインは過飲すると刺激や興奮性による弊害がありますが、適度であるのならば集中力を高め、糖尿病のリスクを減らすという報告もあります。カフェイン摂取によって交感神経が優位となり代謝を上げることで減量に役立つことも研究されています。コーヒー飲料に含まれるコーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)はコーヒー特有の苦みや香りとなる成分で、抗酸化作用があるため、がんや生活習慣病の予防に役立つという研究結果も報告されています。
精油としてのコーヒーは圧搾法で得られます。アロマセラピーではあまり一般的ではありません。
精油はコーヒーそのものの苦みのある香ばしい香りで、この香りを嗅ぐと食欲や性欲が刺激されます。頭脳を覚醒させ、記憶力と集中力を高め、吐き気を和らげる作用もあります。精油は800種類の有機化合物からなり、そのなかのジヒドロベンゾフランがコーヒーらしい香気成分を醸し出します。この成分はセロトニン受容体としてセロトニンのレベルを高め、多幸感をもたらします。コーヒー精油には局所的な鎮痛、抗酸化、抗炎症などの作用があり、肌への使用が紹介されている事もありますが、基本的には芳香浴中心の使用法がすすめられます。コーヒー精油の内服は避けてください。
《コーヒー精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:抗うつ、高揚、刺激、強壮、覚醒、抗酸化、鎮痛、抗炎症、制吐、消臭
心への作用:中枢神経系に刺激を与え、心身の疲れを取り去り、回復、強壮させます。
ヒーリングの作用:すばやい精神の高揚をもたらし、踊り出したくなるようなハッピーな気持ちにさせます。
キーワード:覚醒、恋の魔法
相性の良い精油:オレンジ、パチュリー、サンダルウッド、イランイラン、ゼラニウム、ローズなど。
禁忌:皮膚刺激に注意してください。妊娠中、授乳中、子どもへの使用は避けてください。眼、粘膜、敏感肌への使用は避けてください。 子どもの手の届かない場所に保管してください。高濃度の使用は避けてください。
《コーヒー精油》を使ったホームケアの方法
◆キャンドルや石けんの香り付けに
他精油とブレンドしてミツロウキャンドルや石けんの香り付けにします。
◆ダイレクトの吸入に ※リチュアル・インへレーションとして
皮膚刺激が心配ない方は手のひらに1滴取り、両手をこすり合わせてから香りを直接吸入します。
◆アロマペンダントに
ブレンドもしくは単体でアロマペンダントに入れて香りを嗅ぎます。
◆ルームスプレー、天然コロンに
ブレンドしてルームスプレーや天然香水に加えます。
◆洗濯の香りづけに
バスベースかエタノールで希釈して柔軟剤の投入口に入れると消臭作用のある香りの洗濯が出来ます。
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