英名:Jasmine
学名:Jasminum grandiflorum(ヤスミナム・グランディフロルム)
Jasminum officinale(ヤスミナム・オフィキナレ)
和名:ソケイ(素馨)、オオバナソケイ(大花素馨)
科名:モクセイ科
種類:低木
樹高:約2〜3m
原産地:インド、アフガニスタン、イラン
精油の抽出部位:花
精油の抽出方法:溶剤抽出法
精油の香りのイメージ:濃厚で甘美なフローラルの香り
香りのノート:ミドル〜ベース
ブレンドファクター:2
精油の成分例:
【エステル】酢酸ベンジル(15〜30%)
【ジテルペンアルコール】フィトール(2〜15%)
【エステル】安息香酸ベンジル(15〜30%)
【モノテルペンアルコール】リナロール(2〜10%)
【微量成分】ジャスミンラクトン、インドール、cis-ジャスモン、オイゲノール、ネロリドール
ジャスミン植物画:Wikipedia
白やピンクなどの香り高い可憐な花を咲かせるジャスミンはツル性の低木でインドや東南アジアが原産です。ジャスミンには恋のキューピッドの放つ矢の先端についている花という逸話があり、クレオパトラが愛した香りとして有名です。夜になると濃厚に漂う高貴な香りは、インドでは「夜の女王」と呼ばれ神への供物に使われました。気持ちを高めることから媚薬として利用されてきた歴史があります。ジャスミンはティーとしてもよく知られています。ティーはドライにした花部から浸出します。中国茶のジャスミン茶(茉莉花茶)は、ウーロン茶にジャスミンの乾燥花(ジャスミンサンバック=J.sambac)をブレンドして香づけしたお茶です。ハーブティーとしてのジャスミンティーは特に女性の生殖機能を高め、出産の準備を行います。花の香りは気分を穏やかにして気持ちの落ち込みを癒します。
ジャスミンの種類のうち主に学名Jasminum grandiflorum(ヤスミナム・グランディフロルム)とJasminum officinale(ヤスミナム・オフィキナレ)の2種類から精油が得られます。ジャスミンの精油は1トンの花から1kgしか採れないため、高価な「花精油の王」として珍重されてきました。偽和や合成品が作られやすい精油につき品質を吟味する必要があります。ジャスミン精油の香りは微量成分であるインドールやジャスミンラクトンによって特長づけられています。つぼみが咲いた瞬間から香り成分が失われてゆくため、ジャスミンの花は夜から早朝にかけて人の手で摘まれます。200年以上に渡って機械に頼らず、手間をかけて手摘みされ、アンフルラージュ(冷浸法)によって抽出されてきました。しかし、この方法ではコストがかかり過ぎることから、現在では大半が溶剤抽出法によるアブソリュート精油(abs)に移行しています。アブソリュート精油には微量の溶剤が残っているため、敏感肌の方は肌使用を避けた方がよいでしょう。ジャスミン精油は出産をスムーズにするため、お産の準備に使われます。香りを嗅ぐと気分が高揚することから気持ちの落ち込みに用いられます。ジャスミン精油には神経伝達物質であるエンケファリンやドーパミンの分泌を高める作用がある事が研究されています。これらには気分の高揚作用があり、幸福感を与えてくれます。
★ジャスミン・サンバック★
アラビアジャスミン(茉莉花、マツリカ)と呼ばれるジャスミン・サンバック種からも精油が抽出されます。こちらのページをご覧ください。ジャスミン・サンバックのプロフィール→
《ジャスミン精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:抗うつ、催淫、催乳、子宮強壮、鎮静、精神高揚、分娩促進
心への作用:ジャスミンの香りは、悲観的な気持ちを高揚させ、自信を与えてくれます。気持ちが沈んでいる時、感情が乱れている時、悲しみから抜け出せない時に。ジャスミンは男性ホルモン様成分と女性ホルモン様成分を同時に含む、陰陽バランスのよい精油です。男女のセクシャリティに働きかける作用もあります。
ヒーリングの作用:心を高め、愛に対してオープンにさせます。シックスセンス(第6感)を開き、霊性を目覚めさせます。罪悪感、嫉妬心を解放し、悲嘆感情をなぐさめ、楽観したものの見方をもたらし幸せな生き方に結び付けます。男性性、女性性の陰陽エネルギーをバランスします。
キーワード:楽観、幸福、直観力、陰陽バランス
相性の良い精油:花系、樹脂系と相性が良い。イランイラン、ローズ、ゼラニウム、パチュリー、フランキンセンス、ベチバー、ローズウッドなど。香りの主張が強いため、少量をブレンドします。アブソリュート精油は濃い茶色をしているため、ブレンド全体が茶褐色に染まります。
禁忌:通経作用があるため妊娠中の使用は避けます。ジャスミンには母乳を抑制する働きがあるため、授乳中の方は注意します。出産間近(妊娠37週〜)になったら使用出来る場合があります。
《ジャスミン精油》を使ったホームケアの方法
◆ペットロス、死別の悲しみ、悲嘆感情の癒しに
キャリアオイルに希釈して胸元に塗布するか、アロマペンダントに詰めて香らせます。
◆出産準備、出産間近のケアに
キャリアオイルで希釈してセルフもしくはパートナーによる腰部分と下腹部への軽い塗布を行い
ます。
◆月経前緊張症、生理痛に
下腹部、腰部分にオイルマッサージをするか、温湿布を行います。
◆ベイビーブルー、産後のプチうつに
ローズ、ゼラニウム、ベルガモット精油等とブレンドしアロマペンダントに詰めて香らせます。
◆女性の魅力を高める香水作りに
天然香水、コロン、練り香等にブレンドして加えます。
《ジャスミン》ドライハーブのプロフィール
ハーブの使用部位:花
ハーブの成分:ベンジル・アセテート、インドール
一般的なハーブに期待される作用:鎮静、精神高揚、催淫
注意:ドライハーブは香りが飛びやすいため、少量購入して早めに使い切ります。
ハーブティーブレンド:紅茶、中国茶との相性が良い。ハーブはジャーマンカモミール、ネロリ、ローズ、ワイルドストロベリー、ラズベリーリーフ、ネトルなど。
ハーブティーの浸出時間:3分
ハーブティーの味:すっきりとした甘さのある花の味わい
《ジャスミン》ドライハーブの使い方
◆出産準備、出産間近に
ローズ、ラズベリーリーフとブレンドし、ハーブティーにして飲みます。
◆中国茶、紅茶のフレーバーに
中国茶、紅茶の茶葉にドライのジャスミンを少量加えて淹れます。
◆気持ちの落ち込み、リラックスに
ローズ、オレンジフラワー、ジャーマンカモミールとブレンドし、ハーブティーにして飲みます。
◆女性の生殖機能を高めたい
ハーブティーもしくはハーブバス、ハーブスチームに加えます。
◆フラワーシャワーに
ローズペタル、オレンジフラワーと混ぜ合わせて祝福を行います。
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