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精油とハーブのプロフィール事典《キナノキ Cinchona》
英名:Cinchona キナノキ(キナの木)は、南米原産のアカネ科キナノキ属に属する常緑高木で古代インカの時代から薬用植物として使われてきました。キナノキ属には約40種類があり、そのうちの「アカキナノキ」や「ボリビアキナノキ」などの4種類が植物製剤として利用されてきました。アカキナノキは葉柄が赤色でピンクの小花を多数咲かせます。ボリビアキナノキは葉柄が緑色で、花は淡い緑色です。有用部は樹皮で強い苦味があり、マラリア原虫に対して有効なアルカロイド成分のキニーネを含んでいます。樹皮からは抗マラリア薬の「キニーネ」や抗不整脈薬の「硫酸キニジン」が抽出され、キナノキが自生するアンデス山地の人々は古くから熱病の解熱に利用してきました。17世紀にスペインの伯爵夫人がこの植物によって高熱が下がり、夫人の名前に因んで「Cinchona(シンコーナ)」と名付けられました。大航海時代を経てヨーロッパにマラリア薬として伝わり、19世紀にはキニーネの単離抽出が行われるようになりました。日本には明治時代に普及し、マラリアを意味する「瘧」(ぎゃく、おこり)の治療に用いられてきました。アカキナノキの樹皮はかつて日本薬局方に強壮、苦味健胃、解熱鎮痛の生薬「キナ皮」として収載されていましたがアレルギーその他の副作用によって現在は市販薬への配合が禁止されています。樹皮の抽出物はトニックウォーター(炭酸飲料水)のなかに食品添加物として微量に用いられています。 《キナノキ》ドライハーブのプロフィール キナノキのドライハーブは国内では流通していません。アカキナノキ植物は世界の侵略的外来種ワースト100の要注意外来生物として指定され、薬用植物園などでは栽培されていますが野生化はしていません。 ハーブの成分:アルカロイド(キニーネ、キニジン、シンコニシン、シンコニジン)、キナ酸、キナタンニン ◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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