英名:Damask rose
学名:Rosa damascena(ロサ・ダマスケナ)
和名:バラ(薔薇)
科名:バラ科
種類:低木
樹高:1〜2m
原産地:中近東
精油の抽出部位:花弁
精油の抽出方法:溶剤抽出法
精油の香りのイメージ:華やかさのある濃厚なフローラル(バラ)の香り
香りのノート:ミドル〜ベース
ブレンドファクター:1
精油の成分例:
【モノテルペンアルコール】フェニルエチルアルコール(65〜70%)
【モノテルペンアルコール】ゲラニオール(5〜10%)
【モノテルペンアルコール】ファルネソール(〜2%)
【モノテルペンアルコール】シトロネロール(10〜20%)
【モノテルペンアルコール】ネロール(3〜8%)
【モノテルペンアルコール】リナロール(10〜20%)
【エステル】酢酸ゲラニル(微量)
【酸化物】ローズオキサイド(微量)
【微量成分】ダマセノン、ファネソール、ダマスコン、β-イオノン、オイゲノール
近縁種(ロサ・ケンティフォリア)植物画:Wikipedia
薔薇は特に西洋において純潔や美、神聖さの象徴とされてきました。古代ギリシアの女流詩人サフォーはローズを讃え『花の女王』と呼びました。ローズはドライハーブ、精油ともに世界各地の古代文明のなかで薬用、香料として大変珍重されてきました。ローズには何千もの品種があり、ダマスクローズの起源はアジアだとされています。地中海産のロサ・ガリカ種からダマスク種が派生したとされ、葉が多く、とげが少なく、香りのよい八重咲きの赤い花弁の中に黄色い雄しべがあります。ローズ精油は主にローズ・ダマスクとローズ・センティフォリアの2つの種から抽出されます。ダマスクの別名はブルガリアンローズ、ターキッシュローズとしても知られており、ローズのなかでも濃厚で甘やかな芳香性を持つ最高級品です。アブソリュートとは、石油系溶剤による精油抽出法の事で、精油ラベルには「absolute」「abs」の表示がされています。ローズ・アブソリュート精油に対してローズ・オットー精油の方は水蒸気蒸留法で抽出されます。アブソリュートとオットーとでは芳香性、粘性、色、成分組成ともに異なります。アブソリュートの方は濃いオレンジがかった特徴的な色をしており、オットーの方は淡い黄色みを帯びた透明な液体です。オットーが濃厚さの中にも清楚さを持つ芳香であるのに対してアブソリュートは華やぎのある魅惑的な芳香を持ちます。アブソリュートは成分中にフェニルエチルアルコールの割合が多く、これが独特の香気を醸し出しています。この成分には殺菌や防腐の作用があります。アブソリュートとオットー、どちらを使用するかは好みとなりますが、価格的にはアブソリュートはオットーに比べて値段が約半分と安価です。ただし、成分中に微量の溶剤(石油エーテル)を含んでいるため、敏感肌の方の肌使用には注意が必要です。セラピストによっては肌刺激性への懸念からアブソリュートタイプをトリートメントに使わないという方もいます。とはいえ、やはりアブソリュートのローズも高価な精油のひとつである事に変わりありません。ローズ精油が高価なのは早朝から行われる花の収穫が手摘みである事と、花部から抽出される精油の量が極端に少ないためです。ローズ精油は300以上の複雑な成分からなる非常にユニークな組成を持っていますが、同時に偽和精油(ローズ精油に似せて作られた人工的な香料)が作られやすい精油でもあるため、購入の際には信頼出来るメーカーを選びます。ローズ・オットーは20℃以下になると結晶化する性質がありますがローズ・アブソリュート精油にはこのような結晶化は起こりません。ローズ精油は特に婦人科系のトラブルに対して使用価値が高く、ホルモンバランスを整え、子宮の強壮を行います。トリートメントの他、練り香水や石鹸の香りづけに使うと素晴らしい芳香が楽しめます。
★参考 ロサ・ガリカ種★
ハーブ療法では主にロサ・ガリカ種が使用されますがダマスク種のローズも乾燥させてハーブティー等に使用されます。
ロサ・ガリカ(ローズレッド)のページはこちら →
《ローズ・ダマスク アブソリュート精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:抗うつ、鎮痙、高揚、催淫、強肝、強壮、通経、止血、鎮静、ホルモンバランス調整、浄化
心への作用:心が傷ついたり、ショックを受けるなどした時に。死別、失恋などの辛さ、寂しさ、孤独の感情をなぐさめ、愛で包みます。心を開かせ嫉妬や無関心、冷酷さを癒します。セクシャリティに働きかける作用もあります。
ヒーリングの作用:強力なオーラのプロテクトとして働きます。ネガティブエネルギーからの保護力に優れ、使用する人をパワフルな愛の波動で包みます。特にハートチャクラ(4チャクラ)の働きを強めさせ、自己肯定感を与えます。自分や他者への怒りと、その陰に隠されている悲しみ、心の傷を癒します。
キーワード:自己愛、保護、自己肯定
相性の良い精油:花系、ハーブ系、樹脂系との相性が良い。ラベンダー・トゥルー、イランイラン、ベチバー、サイプレス、フランキンセンス、パチュリー、ミルラ、ジャスミン、ネロリ
禁忌:通経作用があるため妊娠中の使用は避けます。
《ローズ・ダマスク アブソリュート精油》を使ったホームケアの方法
◆ホルモンバランスの乱れ、女性特有の不調に
キャリアオイルに希釈し、下腹部や腰部を優しくトリートメントします。
◆妊娠を望む方に
月経から排卵日までの期間、キャリアオイルに希釈して下腹部や腰部、胸元などにオイル塗布
します。
◆イライラ、パニックに
スプレー水を撒くか、キャリアオイルに希釈したものを手首や胸元にすりこみます。
◆更年期にまつわる症状に
アロマバスに加えるか、キャリアオイルで希釈したものでトリートメントを行います。
◆メランコリー、憂鬱、気持ちの落ち込みに
ゼラニウム、ローズウッド、ベルガモット、ビターオレンジ、ネロリ精油等とブレンドし、
アロマペンダントに詰めて胸元から香らせます。
◆気受けしやすい方のオーラの保護に ※精神世界的な使用法
アロマウォーターもしくはローズ精油の希釈水を頭上からスプレーします。
◆オードパルファン、練り香水に
天然香水に加えると華やかさと温かみを与えます。
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