英名：Rosemary camphor
学名：Rosmarinus officinalis CT1 Camphor（ロスマリヌス・オフィキナリス）
和名：マンネンロウ（万年郎）
科名：シソ科
種類：常緑低木
樹高：約2m
原産地：地中海沿岸
精油の抽出部位：葉
精油の抽出方法：水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ：刺激的でシャープな香り
香りのノート：ミドル
ブレンドファクター：２
精油の成分例（カンファー）：
【モノテルペン炭化水素】α-ピネン（10〜25％）
【モノテルペン炭化水素】カンフェン（5〜15％）
【酸化物】１,8シネオール（15〜35％）
【ケトン】カンファー（15〜25％）
【微量成分】リナロール、β-カリオフィレン、β-ミルセン、α-テルピネオール、酢酸リナリル、リモネン
 

常緑低木で庭にもよく植えられるハーブで、立木性と匍匐（ほふく）性種に分かれ、生の枝葉はリースに利用出来ます。ヨーロッパを中心に長い歴史を持ち、古代エジプトの墓からもローズマリーの枝が発見されています。中世ヨーロッパでは魔除けとして宗教行事に使用されてきました。ローズマリーの名は「聖母マリアの薔薇」に因み、聖母マリアの絵に必ず描かれる青いマントに似た色の花を咲かせます。学名のros（露）と marinus（海）は、淡いブルーの花が波のしずくを想わせる事から『海のしずく』と呼ばれています。海の露とは精気の意味であるとも言われ、ローズマリーの持つ強いパワーを象徴しています。和名は永遠の青年を意味する「万年郎」（万年香が転じたものとの説もあり）です。ローズマリーは記憶力を高めるため、試験勉強をする「受験生のハーブ」の名があります。葉には強い抗酸化作用があり、ヨーロッパの伝統的な化粧水「ハンガリーウォーター（ハンガリー王妃の水）」の中心的なハーブ材料です。この化粧水をつけた70代のハンガリー王妃がみるみる若返り、隣国の40代の王から求婚されたのは有名な逸話です。17世紀のヨーロッパでペストが大流行した時に、ペスト患者から盗みを働いていたにもかかわらずペストに罹らなかった泥棒たちがいました。泥棒たちが身体に塗っていたのはローズマリー、タイム、ラベンダー、セージを漬け込んだハーブヴィネガーでした。この抗感染性の高いハーブ酢は「4人の泥棒の酢」と呼ばれました。すっきりとした味わいのハーブティーは身体に活力を与え、記憶力や集中力を高めます。料理用のハーブとしても利用され、スパイシーな風味はお菓子や肉料理、魚料理の臭み消しなどに役立ち、ハーブ酢やハーブオイルにも適しています。ハーブクラフトでは、ドライハーブをそのまま手練石けんやMPソープに加えるとナチュラルな質感のハーバルソープが出来上がります。ローズマリーの精油は葉から抽出され、ケモタイプ（下記参照）があるため、特にメディカル使用にはケモタイプ確認が必要です。スキンケアによく使用され、ヘアケア（特に育毛）に役立つ精油です。強い抗酸化作用があるローズマリーの葉からエタノール抽出したローズマリーエキスは「天然酸化防止剤」として少量でも抗酸化力を発揮し、植物油の保存性を高めます。ローズマリー抽出物は市販の食品、洗剤、化粧品等にも添加されています。

★ローズマリー精油のケモタイプ★
ケモタイプ（Chemo Type＝頭文字を取ってCT）とは、同じ植物から抽出されているにも関わらず、異なる化学組成を持つ精油をタイプ分けしたものです。日本語で「化学種」と言い、成分の違いは生育地や生育環境によります。ローズマリー精油にはCT1カンファー、CT2シネオール、CT3べルベノン（バルべノン）の3つがあります。成分により作用や使用方法が異なるため、ラベルを確認して購入します。

★ローズマリー・カンファーの特徴★
カンファー・タイプは、他タイプ（シネオール、ベルべノン）と比べ最も刺激が強い精油です。
筋肉痛、肩こりのケア、脳の活性化を目的としますが、使用量、頻度、使用対象者には
十分に注意します。基本的には短期間、局部（ピンポイント）、低濃度が原則です。
 

 《ローズマリーCT1カンファー精油》の作用

一般的な精油に期待される作用：強壮、去痰、瘢痕形成、抗菌、抗酸化、粘液溶解、脂肪溶解、胆汁分泌促進、うっ血除去、強肝、抗ウイルス、抗菌、覚醒、頭脳明晰、通経、利尿、収れん、強心、鎮痛、血圧上昇

心への作用：気持ちがすっきりしない時や、記憶力を高めたい時、頭脳を集中させたい時に。ローズマリーのシャープな香りは意欲を高め、心のエネルギーを活性化させます。

ヒーリングの作用：インスピレーションやひらめきを与えます。精神覚醒作用が高く、霊性、魂の目覚めを促します。五感を刺激し活性化させ、特に視聴覚、第６感を開かせます。脳にあるすべてのデータバンクから必要な記憶、情報を取り出します。

キーワード：覚醒、意欲、集中

相性の良い精油：柑橘系精油（特にレモンやライム）、ハーブ系、樹木系との相性が良い。バジル、セージ、レモングラス、ペパーミント、ティートリー、ラベンダースパイク、サイプレス、ジュニパーベリー、ユーカリ、メリッサ、ゼラニウム

禁忌：神経毒性のある成分を含むため、妊娠中（特に妊娠初期）は避けます。乳幼児、てんかん、けいれんを起こしやすい方は使用を避けます。肌使用は皮膚刺激の可能性があります。他ケモタイプに比べて作用が強いため、少量かつ低濃度の使用とします。
 

《ローズマリーCT1カンファー精油》を使ったホームケアの方法

◆ダイエット、セリュライトの予防に
　キャリアオイルに希釈し、気になる部分を揉むようにしてマッサージします。

◆肩こり、腰痛、関節痛に
　ジェルやクリームなどに希釈し、気になる部分にすり込むように塗布します。

◆低血圧、冷え性に
　キャリアオイルに希釈し、部分または全身をトリートメントします。

◆集中力の低下、無気力、ふさいだ気分に
　スプレー水を撒くか、キャリアオイルに希釈したものを手首や胸元にすりこみます。

◆肝臓と胆のうの強化に
　アロマバスに加えるか、キャリアオイルで希釈したもので部分トリートメントを行います。

◆認知症の予防、脳の活性化に
　朝にレモン、ライム精油とブレンドしてアロマペンダントに詰めて瓶から嗅ぎます。夜にはラベンダー・トゥルーとスイートオレンジ精油をブレンドしたものを嗅ぎます。

◆すり傷、あかぎれ、傷跡に
　アロマクラフトのクリームや蜜蝋バーム等に加えます。

◆成熟肌、乾燥肌のスキンケアに
　アロマクラフトのローション、クリーム、クレンジング、石けん等に加えます。

◆オイリーヘア、育毛、抜け毛予防に
　アロマクラフトのヘアローション、シャンプー、コンディショナー、石けんシャンプー等に加えます。

　《ローズマリー》ドライハーブのプロフィール

ハーブの使用部位：葉

ハーブの成分：精油、フラボノイド、フェノール酸、ロスマリネシン、ロスマリン酸、トリテルペン酸、タンニン、苦味質、樹脂

一般的なハーブに期待される作用：殺菌、抗炎症、鎮痙、鎮痛、発汗、消化促進、抗酸化、覚醒、循環促進

禁忌：妊娠中、高血圧の方の連続、多量使用は避けます。てんかんの方は使用を避けます。

ハーブティーブレンド：ペパーミント、レモングラス、フェンネル、レモンバーム、オレンジピール、レモンピール、ユーカリ

ハーブティーの浸出時間：3分

ハーブティーの味：すっきりとクリアで刺激的な味わい。
 

　《ローズマリー》ドライハーブの使い方

◆低血圧、認知症の予防、脳の活性化、心身の強壮に
　シングルもしくはブレンドハーブティーにして飲みます。

◆虫刺され、ニキビのスポッツケア、神経痛などの痛みに
　アルコールで浸出したハーブチンキを部分塗布します。

◆心身の強壮、痩身、美肌に
　ハーブバスやハーブスチームに加えます。

◆ポプリ、サシェ、ハーブキャンドルに
　シングルで、もしくは他ハーブや樹脂香と混ぜて室内香やキャンドルの材料に加えます。

◆ハーブ石けん作りに
　手練石けん、MPソープの材料に加えます。

◆ハンガリーウォーター（化粧用ローション）に
　アルコールもしくはウォッカで浸出させ、精製水で希釈しローションに用います。

◆お料理、お菓子作りに
　肉料理、魚料理の臭み消しと香りづけに。ハーブクッキーやシフォンケーキの香りづけに。
 

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