英名：Jasmine  Sambac
学名：Jasminum sambac（ヤスミナム・サンバック）
和名：マツリカ（茉莉花）、アラビアジャスミン
科名：モクセイ科
種類：常緑半蔓性灌木
樹高：約1.5〜3m
原産地：インド、アフガニスタン、イラン
精油の抽出部位：花
精油の抽出方法：溶剤抽出法
精油の香りのイメージ：フルーティ、フローラルグリーンの香り
香りのノート：ミドル
ブレンドファクター：5
精油の成分例：
【エステル】酢酸ベンジル
【芳香族アミノ酸】アントラニル酸メチル
【芳香族アルコール】ベンジルアルコール
【モノテルペンアルコール】リナロール
【エステル】サリチル酸メチル
【エステル】安息香酸ベンジル
【有機硫黄化合物】インドール
【セスキテルペン炭化水素】α-ファルネセン
【エステル】酢酸リナリル
【セスキテルペンアルコール】α -カジノール
【セスキテルペン炭化水素】β-エレメン
シス-3-ヘキセニルアセテート、安息香酸cis-3-ヘキシル、シス-ジャスモン

　　　　　ジャスミン・サンバック植物画：Wikipedia

ジャスミン・サンバックはインド、スリランカ、イラン、東南アジアに自生する常緑低木です。星形で香りの良いピンク色、黄色、または白い花を咲かせます。ジャスミン属には300種の種類があり、このサンバックはインド南部に自生し、現地では「モグラ」と呼ばれています。根や花は生薬となりアーユルヴェーダにも使われるなど長い歴史があります。サンバックは一般的なジャスミン精油が抽出されるジャスミン・オフィキナレもしくはジャスミン・グランディフローラムとは異なる種類です。仏教と関わりの深い花で花の白さは仏陀の歯にも例えられています。サンバックはフィリピンの国花でタガログ語で「永遠の愛を誓う＝Sumpa-kita」に由来しフィリピンでは「サンパギータ」と呼ばれています。花言葉も同じく永遠の愛、約束を象徴しています。ハワイでは孔雀を意味するピカケ（pikake）の名前で呼ばれています。中華料理店などでお馴染みのジャスミンティーはこのサンバック種の乾燥ハーブを中国緑茶や烏龍茶などにブレンドしたものです。

サンバックの花から精油が抽出されます。製法はアブソリュートもしくはアンフルラージュです。ジャスミン・サンバックの精油は１mlのオイルに対して8000個の花が必要で大変高価です。傷がついた花は香りが劣るため花は夜明け前までに細心の注意をはらって手摘みされます。グランディフローラムやオフィキナレのジャスミン精油が柔らかく、甘く、女性らしいのに対してサンバック精油は爽やかなグリーンフローラル調で、力強さがあります。夜に咲くサンバックの花の香りはロマンチックな愛の喜びのための媚薬となり、感情を解放してパートナーとのつながりを深めます。性的な問題や出産のサポートにも役立つ精油です。

★アブソリュートとアンフルラージュ★
アブソリュートには抽出時に若干のヘキサンが残されるため皮膚塗布が懸念されます。アンフルラージュはヘキサンフリーのため心配はありませんが、どちらのジャスミン精油も高価であることからセラピー目的よりも天然香水などに使用されます。リチュアルバスや特別なトリートメントに使うのは良い方法です。

《ジャスミン・サンバック精油》の作用

一般的な精油に期待される作用：抗うつ、催淫、催乳、子宮強壮、鎮静、精神高揚、分娩促進

心への作用：心を温め、うっとりとさせます。塞いだ気持ちを引き揚げ、安らかにさせます。

ヒーリングの作用：魂に注がれる聖なるオイルとして肉体と神の愛を結び付けてくれます。

キーワード：楽観、幸福、自信

相性の良い精油：花系、柑橘系、ハーブ系、樹脂系と相性が良い。ネロリ、イランイラン、ローズ、ゼラニウム、フランキンセンス、マートルなど。

禁忌：通経作用があるため妊娠中の使用は避けます。ジャスミンには母乳を抑制する働きがあるため、授乳中の方は注意します。出産間近（妊娠37週〜）になったら使用出来る場合があります。
 

《ジャスミン・サンバック精油》を使ったホームケアの方法

◆贅沢なスキンケアに
　ローズ、ネロリとブレンドしてクリームベースに加えます。

◆リチュアルバス、特別なトリートメントに
　１滴を滴下した入浴やアノイントに用います。

◆魅力を高める香水作りに
　天然香水、コロン、練り香等にブレンドして加えます。