英名：Birch Sweet
学名：Betula lenta（ベツラ・レンタ）
和名：レンタカンバ、アメリカミズメ
科名：カバノキ科
種類：落葉高木
樹高：約30m
原産地：アメリカ南東部〜カナダ南部
精油の抽出部位：樹皮
精油の抽出方法：水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ：湿布薬を思わせる鮮烈で清涼感のある香り
香りのノート：トップ
ブレンドファクター：1
精油の成分例：
【エステル】サリチル酸メチル（98％）

バーチは日本ではレンタカンバと呼ばれる高木で高さ30mに成長します。別名をチェリーバーチ、サザンバーチ、ブラックバーチなどとも呼ばれています。チェリーバーチの名前は樹皮が桜の木に似ているためでスイートバーチの名前は樹皮から抽出される精油にスパイシーな甘さがあるためです。精油は樹皮部分をぬるま湯に浸してから水蒸気蒸留法で抽出されます。成分組成がウインターグリーン精油によく似ており、サリチル酸メチルが98％を占めます。サリチル酸メチルは痛み物質であるプロスタグランジンの生成を阻害するためウインターグリーン精油と同じくバーチ精油も伝統的な痛みの外用薬として使用されてきました。鎮痛や抗炎症の作用があり筋肉痛や神経痛に有用です。ウインターグリーン精油に似た、すっとする湿布薬を連想する爽やかな香りです。刺激性の点からアロマセラピーに使うべきではないと主張する研究家もいますが関節痛などの痛みケアに良いとする意見もあります。刺激性が高く危険精油のカテゴリーに入るため、海外では法律によって入手できない国もあります。皮膚や神経への刺激が非常に高い精油につき、低濃度を基本に慎重に取り扱います。単体使用よりも他精油とブレンドすると刺激性が減ります。アロマセラピーすべてに言えることですが、ホームケアを超える範囲での使用に関しては医師に相談してください。

※アスピリンアレルギーのある方は使用を避けてください。
※目および粘膜部分への使用は絶対に避けます。
※一般的なスキンケアには使用しないでください。

★危険精油とは★
バーチ精油やウィンターグリーン精油などの何種類かの精油はアロマテラピーのなかでも「危険精油」にカテゴリーされることがあります。中枢神経、皮膚、消化器、泌尿器、生殖器、呼吸器などへの刺激性が高く細心の注意が必要になるものです。逆に言えば、それだけ働きかけが強いので、上手に利用すれば良い効果を引き出す事が出来ます。市販されているものであれば使用できないほどの毒性はありませんが、危険精油にカテゴリーされているものは、基本的に以下のように使用します。

・ごく低濃度　1%未満が望ましい
・部分的使用　全身トリートメントよりも部分塗布など
・期間限定　　レスキュー的使用、1~2週間限定、連続使用しないなど
・対象者限定　妊娠、授乳中、乳幼児、高齢者、持病のある方は避ける
　

《バーチ・スイート精油》の作用

一般的な精油に期待される作用：鎮痛、抗炎症、抗リウマチ、引赤

心への作用：すっきりとした香りで爽快な気分にさせます。心のクールダウンと活性化、両面の作用を併せ持ちます。

ヒーリングの作用：エネルギーを蘇らせ、意識を覚醒させます。

キーワード：クリアにする、鎮める、活性させる

相性の良い精油：ラベンダー・トゥルー、スパイクラベンダー、ティートリー、マートル、
　　　　　　　　ジュニパーベリーなど。芳香浴使用よりも身体への塗布使用がほとんどです。

禁忌：毒性が強いため使用量（希釈濃度）には注意が必要です。
　　　アロマセラピー初心者、妊娠中、敏感肌、既往症のある方は使用を避けます。
　　　単独では使わず他のエッセンシャルオイルとブレンドし、ごく低濃度（１％未満）に希釈
　　　してから使用します。
　　　皮膚刺激性も強いため肌使用の際は使用前に必ずパッチテストを行うようにします。

使用頻度に関する注意：塗布使用は1日のうち3回までとします。
 

《バーチ・スイート精油》を使ったホームケアの方法

◆肩こり、腰痛のケアに
　オイルマッサージもしくはジェルやバームに希釈して痛み部分に塗布を行います。

◆筋肉痛のケア、スポーツマッサージに
　筋肉部位にオイルマッサージもしくはバームで揉捏法マッサージを行います。

◆捻挫、打撲のケアに
　グリーンクレイのパックに混ぜて温湿布または冷湿布を行います。

◆リウマチ性の関節炎、坐骨神経痛のケアに
　痛み部分にアルニカオイルまたはセントジョンズワートオイルに希釈して塗布を行います。
　※使用前に主治医に相談してください。

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