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精油とハーブのプロフィール事典《カヌカ Kanuka》
英名:Kanuka
ニュージーランド原産のカヌカの木は成長すると30mにもなり、別名ホワイトティートリーと呼ばれています。カヌカの木は枝葉がよく繁り、白い花を咲かせます。カヌカによく似た植物に「マヌカ」(学名:Leptospermum scorparium)がありますが、葉で見分けるとこれらの植物の違いが分かります。カヌカの葉は柔らかく、マヌカの葉は尖っています。花の形も似てはいますが少し違っていて、雄しべと雌しべを比べるとマヌカは小さく、花弁から雄しべと雌しべが飛び出しているのがカヌカです。一般にはマヌカハニーで知られるマヌカの木の方が有名ですが、カヌカも劣る事のない価値がある木です。ニュージーランド先住民のマオリ族たちはカヌカの木を伝統的な治療や儀式に用いてきました。その後に入植した初期のヨーロッパ人も、カヌカを薬用植物として筋肉痛や関節リウマチなどに使用していました。マヌカハニーのようにカヌカの花からもカヌカハニーが採れますが、カヌカハニーにはマヌカハニーに見られる特徴的な抗菌物質は含まれていません。その理由からカヌカハニーの方が安価で、時にマヌカハニーと偽って販売されることもあるようです。カヌカ精油の色は淡黄色〜黄色/緑色で、ミントのように甘いハーバル調でウッディの香りがします。高地で栽培されたものの方が低地のものよりも品質が良いとされています。カヌカ精油にはマヌカ精油に見られる特徴的な抗菌物質トリケトン成分は含まれませんが、細菌、真菌、ウイルスの活性を減らす作用があり、痛みや炎症にも用いられます。カヌカ精油にはモノテルペン炭化水素のα-ピネンが多く含まれ、その他にビリジフロロール、γ-テルピネン、p-シメン、cis-カラメネン、リナロールなどの成分が含まれます。アセチルコリン濃度を上昇させることから認知症に良いという研究があります。(※アルツハイマー型認知症では神経伝達物質のアセチルコリンが減少し、記憶障害や認知障害が起こります)カヌカ精油には皮膚に浸透吸収する性質があり、キャリアオイルで希釈すると筋肉の深部までよく浸透します。マオリ族は火傷や虫刺されなどの皮膚の炎症に使ってきました。鼻粘膜からもよく吸収されるので風邪やインフルエンザのケアに役立ちます。メーカーによっては、マヌカの名称の方がネームバリューがあるため、カヌカ精油をホワイトマヌカ、マヌカ精油をレッドマヌカと呼んでいるところもあります。時にはこれらを合わせてティートリー精油と総称されることもありますが、フトモモ科である以外は植物として異なるため、名称を見分ける注意が必要です。購入の際には精油学名を参考にします。香りはフレッシュでミントやティートリー、ユーカリを想わせる爽やかさがあります。甘さのあるハーバルの香りのなかに土や木の香りが含まれています。気持ちをリフレッシュさせるとともに活気を与え、ほどよく鎮静させます。この香りを嗅ぐと落ち着いて深い眠りに誘われる人たちもいます。
《カヌカ》精油の作用 一般的な精油に期待される作用:鎮痛、抗菌、抗ウイルス、抗真菌、抗感染、抗炎症 心への作用:心を心地よく開かせて、感情を落ち着かせ、安らかにします。 ヒーリングの作用:穏やかに物事や状況を鎮静し、バランスさせます。 キーワード:自然治癒、穏やかな調整 相性の良い精油:シダーウッド、ラベンダー、レモン、クラリセージ、サンダルウッド、ナツメグ、パイン、ローズマリー、マジョラム
《カヌカ》精油を使ったホームケアの方法 ◆筋肉痛、関節痛に ◆感染予防に ◆すり傷、火傷に ◆手指の消毒に
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