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精油とハーブのプロフィール事典《カンファー Camphor》
英名:Camphor カンファーは日本でよく知られる楠(クスノキ)の木です。クスノキは時に樹高40m以上に大きく成長する巨木で、幹周りが10mを超えるものもあります。5〜6月に白〜淡い黄緑色の小さな花を咲かせ、10〜11月になると紫黒色の小さな実をつけ、葉をよく茂らせる街路樹としてもお馴染みです。クスノキは防腐や防虫作用のある木材として古くから船材、仏像などにも使われてきました。木全体から樟脳(しょうのう)の香りがし、葉をちぎると強い芳香を放ちます。根にも芳香があり、樟脳は根から多く採取出来ます。この香りから「臭し(くすし)=匂いがするの意味」と呼ばれ、クスノキの語源となったと言われています。樟脳はクスノキの枝葉や根を蒸留して得られる無色透明の板状の結晶物です。樟脳は昇華(気体化)しやすく、水に溶けず、アルコールなどの有機溶媒に溶ける性質を持っています。日本では防虫剤として樟脳をタンスに入れた習慣やタンスそのものがクスノキの木材で作られていた事から、カンファー精油はしばしば「タンスの匂い」だと形容されます。タンスのなかで次第に小さくなっていく樟脳の白い結晶を見た事のある人も多いと思います。そのため、年代によってはこの香りから「タンスの匂い」→「学校の参観会」を連想する人たちもいます。天然の樟脳は現在ではほとんど作られず、防虫剤は合成のカンファーやナフタリンに変わりましたが、わずかに九州で生産しているところもあります。その他にも樟脳は血行促進や鎮痛剤などの軟膏系の外用医薬品として使われています。現在では使われていませんが、樟脳によるカンフル注射は中枢神経を興奮させることから過去には興奮剤として使われていた歴史があります。その事から意気を失いかけた物事を蘇生させることを「カンフル(剤)」と表現します。カンファー精油は日本や台湾で育ったクスノキの木片、根、枝から水蒸気蒸留で抽出して結晶物の樟脳を取り出します。それをろ過して、さらに真空精留すると純粋な液体状のカンファー精油となります。カンファー精油は留分(蒸留して、もとの液体混合物から分離して得られる各成分)や化学組成(ケモタイプ)によっていくつかに分けられますが、一般的にはホワイトカンファーと呼ばれるタイプの精油が流通しています。ブラウン、ブルーのカンファー精油はサフロール成分が含まれ、毒性があるためアロマセラピー使用には向いていません。ホワイトカンファー精油に含まれるカンファー成分には神経毒性があるため、当事典では積極的なアロマセラピー使用をすすめません。使うとしたら、防虫や防臭剤代わりにクローゼットや靴箱などのハウスキーピングのみの利用をすすめます。
《カンファー精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:抗菌、抗ウイルス、抗炎症、消毒、利尿、去痰、刺激、引赤 相性の良い精油:柑橘系、ユーカリ、ローズマリー、ベイローレル、フランキンセンス、カルダモン、スプルース、ジュニパーベリーなど 禁忌:肌使用は皮膚刺激の可能性があります。乳幼児への使用を避けます。乳幼児の顔(特に鼻付近)への外用を避けます。発熱している人、妊娠中、てんかんの人の使用を避けます。 《カンファー精油》を使ったホームケアの方法 ◆防虫に ◆防臭に
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