英名:Lotus
学名:Nelumbo nucifera(ネルムボ・ヌキフェラ)
和名:ハス、ミズフヨウ、スイフヨウ(蓮、水芙蓉)
科名:ハス科
種類:水生の多年草
草丈:約50〜100cm
原産地:インド
精油の抽出部位:花
精油の抽出方法:溶剤抽出法、水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ:甘さとスパイシー、わずかに土の香りのするフローラル
香りのノート:ミドル
ブレンドファクター:3
精油の成分例:(アブソリュート)
パルミチン酸メチルエステル(22.66%)
リノール酸メチルエステル(11.16%)
パルミトレイン酸メチルエステル(7.55%)
リノレン酸メチルエステル(5.16%)
ロータス植物画:Wikipedia
ロータスは、和名をハス(蓮)と言い、日本人には特に馴染み深い植物です。インド原産の多年生の水生植物で、日本、中国、オーストラリアなどの湿地に広く見られます。1億年以上も前から植生していた古い植物で、水中に伸びる地下茎は「蓮根」(れんこん、はすね)として食用され、蜂の巣のように見えることから「はちす」とも呼ばれてきました。蓮根は「蓮肉(れんにく)」の名前で鎮静や滋養強壮の生薬として使われてきました。7月〜9月にかけて白やピンクの花を咲かせ、乾燥させた花は甘い香りのする「蓮茶」として茶葉の香り付けに使われています。水面上に咲く花は「水芙蓉(みずふよう)」(※本来の芙蓉はアオイ科の別植物、区分のために「木芙蓉」と呼ばれる)と呼ばれています。その開花は3〜4日と短く、朝に咲いた花は午後には閉じてしまいます。仏教に関りが深く「蓮華(れんげ)」と呼ばれるロータスの花は、精神的な探求、慈悲や聖性の象徴とされ、泥の中に咲きながらも気高く美しい様子は「泥中の蓮(でいちゅうのはす、俗世の汚れにまみれないこと)」としてヒンドゥー教の聖典にも記述されています。死後世界の極楽浄土に咲く花、生前に良い行いをした人は蓮の花の上に生まれ変わるとして、仏具などにも彫られてきました。お釈迦様が誕生し、歩いた後に蓮の花が咲いたお話は「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」の言葉とともに大変有名です。「蓮女」の名前で知られるインドにおける女神崇拝の最高位、ラクシュミー女神のシンボルフラワーとして聖なる女性性を象徴しています。
精油は「ピンクロータス」と「ホワイトロータス」が、それぞれ花部から溶剤抽出法もしくは水蒸気蒸留法で得られます。高価なレア精油で流通は少なく、アロマテラピーにおける利用は一般的ではありません。ロータスの植物療法としての歴史は古く、古代ローマでは呼吸器系のケアに使用され、古代インドの伝承療法アーユルヴェーダでは、ロータスは冷却と鎮静の性質を持つとされてきました。精油は淡い黄色〜オレンジ色で、スパイシーなグリーンのトップノートとハチミツのような甘いフローラル、わずかに土の香りがします。神聖な香りは本質の具現化や知恵の光を表し、超越的ともいえる美しい芳香は物理面を超えたヒーリングの力を発揮します。神経系を鎮静させ、落ち着きをもたらすロータス精油は心を平穏にさせて、心臓への負担を減らします。エネルギー的には怒りの感情に関連する臓器の肝臓や胆嚢、ストレスを溜めやすい太陽神経叢(3チャクラ)に働きかけて内面の解放を促します。古来より美肌やアンチエイジングとして知られてきたロータス精油には抗酸化、抗炎症の作用があるとされ、スキンケアにも用いられてきました。
下記はロータス植物の形而上的な世界観の記述文章(の意訳)です。
「ロータスの種のように、私たちも泥のなかに埋もれ、分離している自分を感じる時があります。すると偶然に、そこにかすかな知恵の光を授かるかもしれません。それはもしかしたら、あなたがくつろいでいる時にやってくるのかもしれません‥‥ロータスの小さな種の堅い殻が割れるような知恵の音が聞こえてきます。そうして私たちは限られた自己の認識世界である歪な水面を進みながら、知恵の光に手を伸ばそうとします。その知恵の光は私たちが十分な時間をかけさえすれば、いつでも気づけるように常に私たちを照らしてくれています。ロータスは花を咲かせることが彼らの究極の目標であり、究極の光に到達するためには試練を絶えず通り抜ける必要があることを知っています。試練はプロセスの一部であり、その結果は純粋な美なのです。」
出典「Myths of the Asanas 」by Kaivalya & van see Kooij
《ロータス精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:鎮静、冷却、収れん
心への作用:心を穏やかにさせ、優しさと落ち着きを与えます。
ヒーリングの作用:慈悲やゆるしをもたらし、高い悟りのレベルに導きます。霊的成長を促し、真の智慧に到達するのを助けます。
キーワード:聖性、女神、慈悲、ゆるし、霊的成長、開花、開眼
相性の良い精油:ジャスミン、ローズ、ライム、クローブ、ガルバナム、パチュリー、サンダルウッド、スパイクナード、バニラ、ブラックペッパー ※スパイス系と相性が良い
禁忌:妊娠中、授乳中は避けてください。
《ロータス精油》を使ったホームケアの方法
◆天然香水、オーラスプレーに
エタノールやスピリタスで希釈し、精製水を加えてコロンを作ります。
◆瞑想、ヨガワーク、精神集中に
直接手のひらに1滴落とし(もしくはパール粒ほどのオイルとともに)両手をこすり合わせて香りを吸引します。
◆バスオイルに
直接もしくはバスベースやオイルで希釈してバスオイルとして用います。
◆贅沢なトリートメントオイルに
キャリアオイルで適度に希釈し、ボディオイル、フェイスオイルとして塗布します。
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