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精油とハーブのプロフィール事典《カスタービーン Castor bean》
英名:Castor bean カスタービーンは、和名をトウゴマと言い、種子から得られる油はヒマシ油(蓖麻子油)としてよく知られています。別名を「ヒマ(蓖麻)」、英名では「カスターオイルプラント」とも呼ばれています。 英名でカスタービーンと呼ばれますが有用部分は豆ではなく種子になります。属名のRicinusはラテン語の「ダニ」の意味で、この植物の果実の外側に棘があり、ダニに似ていることから名づけられました。東アフリカを原産とし、現在では世界中で栽培され、インド、中国、ブラジルなどが主な産地です。歴史の古い植物で、古代エジプトの時代にすでに灯油や塗布薬に利用されており、古代エジプトの最古の医学書「エーベルス・パピルス」にも記述されています。王族の墓からはカスターの種子が発見されています。当時は体に入った悪いもの(悪魔)を追い出すために荒療治の瀉下剤として用いていました。古代インドや中国でもヒマシ油を灯油や下剤に用いており、アーユルヴェーダでは腰痛、座骨神経痛、痛風、リューマチなどの痛みケアにも利用されてきました。アラブの薬局方にも載せられ「インドの胡麻」と呼ばれてきました。ヒマシ油は低温でも固まりにくいことから、飛行機の潤滑油にも利用されてきました。植物としてのカスターは大型の一年草(もしくは多年草)で、ベニトウゴマと呼ばれる種類は全草が赤味を帯びています。ギザギザした大きな葉を持ち、茎の高さは2〜3mに生長し、8月頃に雄花と雌花を咲かせます。この花は風媒花です。有用部分である種子には40〜60%の油分が含まれています。オイルには90%を占める主成分のリシノリン(リシノール酸のトリグリセリド)の他に毒性アルカロイドのリシニン成分や毒性タンパクのリシン成分が含まれています。葉部分も触れると皮膚アレルギーを起こすことがあります。日本には平安時代に中国から渡来して野生化しています。温帯では一年草、熱帯では多年草となります。成熟した種子を日干しして、その後に圧搾して得るヒマシ油(カスターオイル、キャスターオイル)は、調理用には利用されず、下剤として日本薬局方に収録されています。生薬名は蓖麻子(ひまし)と言い、食あたりなどで下剤として用いる1回分の目安量は大人で20mlです。飲みやすいように天然香料を加えた「加香ヒマシ油」(第2類医薬品)が市販されています。(※内用するのはアロマショップなどで購入するカスターオイルではなく、医薬品としてのヒマシ油に限ります)薬用として抽出されたカスターオイルには毒性物質が含まれていません。(毒性成分は圧搾法の「搾りかす」に残されます)妊娠中、授乳中、月経期の女性は内用を避けます。なお、圧搾前のトウゴマの種子を食べるのは危険なので絶対にしないでください。アロマセラピーでのカスターオイルの利用は主にコスメ原料です。化粧用としてのカスターオイルにも毒性は含まれていません。粘り気が強いため通常のトリートメントオイルには不向きです。市販化粧品では整髪料、口紅、リムーバーなどに利用されています。ホームケアでは瘢痕形成作用があるため捻挫の湿布などに利用することが出来ます。 《カスターオイル(ヒマシ油)》基材のプロフィール アロマセラピーの基材としてのカスターオイルは外用のみです。 基材の成分:リシノール酸(約90%)、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸 一般的な基材に期待される作用:保湿、瘢痕形成 注意:アレルギーを起こしやすい方はパッチテストをしてから使います。 匂い:独特の油の匂い 《カスターオイル》基材の使い方 ◆捻挫に ◆ネイルケアに ◆石けん作りに ◆エドガー・ケイシー療法のヒマシ油湿布
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