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精油とハーブのプロフィール事典《ピーチ(ピーチカーネル) Peach》
英名:Peach 日本では「桃」としてよく知られているピーチの木は、中国原産のバラ科の落葉低木〜高木です。属名の「Prumus」はラテン語の「スモモ」を種小名の「persica」は「ペルシャ」を意味し、古くはペルシャに由来し「ペルシャのリンゴ」とも呼ばれてきました。和名の「桃」の由来は、実が多くなるから「百(もも)」、実に毛が生えているから「毛毛(もも)」などの説があります。桃の実は日本神話では悪霊退治に使われ、「桃太郎」のお話でも馴染み深く、花、葉、種子のすべてが食用や薬用として生活に根ざしています。日本には中国から渡来し、弥生時代の遺跡から種が発見されており、「古事記」や「万葉集」にも記述されています。ピーチの木は葉が付く前に白色〜淡ピンク〜紅色などの5弁〜多弁の花を咲かせます。「花桃」と呼ばれる観賞用の桃の花は3月3日の桃の節句に飾られます。この品種は実を結びません。初夏に熟す桃の果実は柔らかく多汁で、果実の表面には薄い毛が生えています。種子は硬い核のなかにあり、乾燥させたものは生薬「桃仁(とうにん)」として煎じたものは婦人科系の症状に用いられます。その他にも2〜3月頃の花蕾を乾燥させたものは生薬「白桃花(はくとうか)」として煎じたものは緩下剤になります。乾燥させた葉は「桃葉(とうよう)」の生薬として去痰、利尿、緩下、鎮静などの作用があり、煎じ液は慢性の気管支炎などにも用いられてきました。桃の葉は、民間療法としてあせもやかぶれの入浴剤として刻んだ葉をお風呂に入れます。(花や葉の使用は妊娠中の多量摂取は控えます)ピーチは観賞用に多数の品種が出ていますが、自然療法に利用するのは原種の木です。キャリアオイルとしてのピーチカーネルオイルは「仁(kernel=カーネル)」を低温圧搾して得られます。オイルは淡い黄色で絹のような滑らかな手触りで同じバラ科植物から得られる「スイートアーモンドオイル」や「アプリコットカーネルオイル」と組成がよく似ています。アロマセラピーの大家であった二コラル・カルペパーは、病人に休息と安眠を与えるためにこのオイルを塗布するよう勧めました。 《ピーチカーネルオイル》基材のプロフィール アロマセラピー基材としてのピーチカーネルオイルは安全性が高く、トリートメントオイル、フェイシャルオイル、香油、クリーム、石鹸、バーム、ハーブ浸出油などに広く利用出来ます。組成がよく似ているスイートアーモンドオイルが一般的であるのに対し、ピーチカーネルオイルの利用度はそれほどではありません。価格はスイートアーモンドオイルに比べて高価ですが、大量生産されていない事と低温圧搾による良質のオイルが大半で、安価品があまり流通していないのがその理由と思われます。オイルそのものの匂いはほとんど無く、精油やハーブの香りを引き立てます。ゆっくりと皮膚に浸透吸収されるので特に乾燥肌や老化肌に向いています。肌の水分と弾力性の維持に役立ち、毛穴を引き締め、アンチエイジングとして働きます。リッチなテクスチャーでアロマセラピストが行うフェイシャル施術には定番として用いられています。ビタミンB12が豊富に含まれ、油性の残留物(べたつき)を残さず、皮膚の保護バリアになります。 基材の成分:オレイン酸(62%)、リノール酸(29%)、パルミチン酸(5%)、ステアリン酸(1%)27、パルミトレイン酸(0.7%)など 一般的な基材に期待される作用:保湿、皮膚軟化、皮膚の保護、皮膚の滋養 匂い:ほとんど無い 《ピーチカーネルオイル》基材の使い方 ◆トリートメントオイル、香油に
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