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精油とハーブのプロフィール事典《ホホバ Jojoba》
![]() 英名:Jojoba ホホバはシモンジア科の低木で学名はSimmondsia chinensisですが、別名に「Simmondsia Californica」があります。種小名は「中国から来た」を意味する「キネンシス」ですが、中国には由来しません。原産は北米、メキシコ、アメリカ西海岸で「ホホバ(jojoba)」の名前は、ネイティブインディアンの言葉から来てます。インディアンたちはこのオイルを「金の液」と呼んで皮膚の保護や傷の癒しに用いていました。ヤギがこの実を食べることから英名で「goat nut」(ヤギの実)とも呼ばれています。現在の主な栽培はイスラエル、メキシコ、カリフォルニア、オーストラリアなどです。ホホバの木は1990年代にこの植物だけが属する植物分類上の「ホホバ科(シモンジア科)」が作られました。シモンジアの名前はイギリスの植物学者シモンズに因んで名づけられました。かつては「ツゲ科」に分類されていたため、現在でもツゲ科として記述されることがあります。砂漠地帯に生育するホホバの木の高さは2mほどで、光沢のある厚い緑色の葉を付けます。花は春に咲き、おしべまたはめしべだけで花弁はありません。樹齢15年ほどで実をつけ始め、熟して裂けた殻からオリーブの実大の種子がこぼれ落ちます。ホホバオイルは脂肪分に富んだ種子を常温圧搾して得られます。成分組成上は「オイル」ではなく「液体ワックス(ロウ)」であるため「ホホバワックス」と表記されることがあります。一般的な植物油のような脂肪酸とグリセリンのエステルではなく、不飽和脂肪酸と脂肪アルコールのエステルからなります。成分の大半がワックスで脂肪酸の含有率が低いため、熱に対する安定性が高く、酸化しにくいオイルです。ワックスであるため調理用や内用には用いられず、かつてはマッコウクジラの油(鯨蝋)の代用品に利用されていました。高温でも品質は変化しませんが、室温が7〜10℃になると凝固する性質があります。温度が上がると自然に溶け、オイルそのものが変質することはありません。保存期間は専門書籍に20年、あるいは半永久的と記述されているほど長期保存が可能です。ホホバが種子中にワックスを貯蔵するのは、砂漠という過酷な環境のなかで生き延びる植物の知恵と言えます。安定性の高いワックス成分を貯蔵することで外部環境の影響を受けにくくしていると考えられます。ホホバ種子に含まれるワックスエステルは肌馴染みが良く、皮膚の保護バリアとして働き、乾燥や紫外線から皮膚を守ります。人の皮脂に約25%含まれるワックスエステルもホホバワックスと組成がよく似ています。そのため、ホホバオイルは人の皮脂に馴染みやすく、化粧用として用いられる他に医療用として人工心臓の潤滑油にも使われています。安全性が高く、低刺激でアレルギーを起こしにくく、赤ちゃんから敏感肌まで万能的に利用出来ます。皮脂の調整を行い、皮膚を滑らかに保ちます。アトピー性皮膚炎の原因となる黄色ブドウ球菌の除去作用があるためスキントラブルのある人のファーストチョイスとして利用されるオイルです。皮膚を保護、修復するためダメージ肌や紫外線で傷んだ髪のケアにも良いオイルです。
アロマセラピー基材としてのホホバオイルはトリートメントオイル、フェイシャルオイル、ヘアオイル、ネイルオイル、香油、クリーム、石鹸、バームなどに広く利用出来ます。特にヘアケアやネイルケアには定評があり、液体ワックスとして髪や爪を保護し、光沢を与えます。「ゴールデンホホバ」と呼ばれる未精製タイプは黄金色でホホバ特有の匂いがあります。自然のままの未精製オイルは好みが分かれ、人によっては匂いが気になる場合があります。「クリアホホバ」と呼ばれる色と香りがろ過された精製タイプには匂いや色は無く、さらりとしてくせがないため精油やハーブの香りを引き立てます。サロンでは、鼻先近くで行うフェイシャル施術には精製を、ボディケアには未精製を選択すると良いでしょう。 基材の成分:ワックスエステル(97%)、その他(脂肪酸、ビタミンA、フィトステロール、トコフェロールなど) 一般的な基材に期待される作用:保湿、皮膚軟化、抗菌、抗炎症、創傷治癒、皮脂調整、皮膚の保護 匂い:(精製)ほとんど無い、(未精製)ナッツ様の特徴ある匂い
◆トリートメントオイル、香油に
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