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精油とハーブのプロフィール事典《イブニングプリムローズ(月見草) Evening Primrose》
英名:Evening Primrose イブニングプリムローズは和名を「月見草」、「雌待宵草(めまつよいぐさ)」と呼ばれるアカバナ科の二年草(もしくは多年草)です。英名の「イブニングプリムローズ」とは、アカバナ科マツヨイグサ属のなかで夕方に黄色の花を咲かせる植物の総称です。種子から採れるオイルは「イブニングプリムローズオイル(月見草オイル)」として知られています。荒れ地に植生するので「アレチマツヨイグサ」と呼ばれることがあります。夕方〜夜に黄色い花を咲かせるので「月見」の名前が付けられ、花が薔薇に似ていることから「プリムローズ」と名づけられました。日本にも帰化して道端や河原に群落して見られる植物です。竹久夢二の詩で大正時代に流行った「宵待草(よいまちぐさ)」の歌でも知られています。属名「Oenothera」はラテン語の「葡萄酒の香りがする」に由来し、実際にこの植物の根は葡萄酒のような香りがします。種小名「biennis」は「二年生」の意味です。原産地は北アメリカで先住民のブラックフット族やアルゴンキン族は種子油や葉を傷の癒しに、根を痔疾患に利用してきました。その他にもゆでた全草を保存食に、蜂蜜でシロップを作り、咳止めに利用しました。7〜9月に咲く4弁の花には香りがあり、夕方から咲き始めて翌朝にはしぼんでしまいます。赤味を帯びて尖った葉を付け、細長い形の果実は熟すと先端が割れて種子を落とします。種子油は化粧用の外用とサプリメントなどの内用に分かれます。成分中のγ-リノレン酸は天然の炎症抑制物質としてかゆみを鎮めるためアトピー性皮膚炎の改善に、その他にも女性ホルモンのバランスを調整するため、月経前症候群(PМS)の緩和を行うと考えられています。イブニングプリムローズオイルによく似た組成を持つオイルに「ボリジオイル」や「クロフサスグリ種子油(ブラックカラントオイル)」があり、効能はほぼ同じです。 《イブニングプリムローズオイル》基材のプロフィール イブニングプリムローズオイルはアロマセラピーでの伝統的な基材として長く利用されてきました。テクスチャー、価格ともにリッチなスキンケアオイルです。特有の種子油の匂いと粘性や重みがあるため単体で使用するよりも一般的なキャリアオイルに20%ほど加えて使用することの多いオイルです。オイルには加齢とともに人の体内で減少する必須脂肪酸の「γ-リノレン酸(GLA)」、「α-リノレン酸」が含まれています。皮膚に栄養を与え、皮膚バリアを整えるオイルとして特に乾燥肌や加齢肌、冬期のスキンケアに適しており、セラムやフェイシャルケアには定評があります。特有の匂いはブレンド精油を適宜加えることでマスキングされますが、人によって好みが分かれます。一般にアトピー性皮膚炎に良いとされていますが皮膚バリアを整えるためのケアであり、炎症やかゆみなどのアトピー症状が出ている時の塗布は避けます。必須脂肪酸オイルで酸化しやすいため、保存は必ず冷暗所で開封後は早めに使い切ります。特有の匂いは酸化臭とは異なりますが、酸化すると劣化した油特有の不快な匂いになるため、瓶内にローズマリー抽出物(RОE)を添加しておくと日持ちが長くなります。イブニングプリムローズの匂いが苦手な場合はアルガンオイルが良い代替えになります。 基材の成分:リノール酸(60〜70%)、オレイン酸(8〜12%)、γ-リノレン酸(10%)、パルミチン酸(5〜8%)、ステアリン酸(1〜2%)、α-リノレン酸(0.2%) 一般的な基材に期待される作用:保湿、皮膚軟化、皮膚の保護、抗炎症 匂い:特徴のある種子油の匂い 《イブニングプリムローズオイル》基材の使い方 ◆乾燥肌、加齢肌のトリートメントオイルに
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