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精油とハーブのプロフィール事典《ヘンプ Hemp》
![]() 英名:Hemp ヘンプは、中央アジアを原産とするアサ科の一年草で草丈は2〜3mに成長します。属名の「Cannabis」は、ギリシャ語の「麻」を意味する言葉です。和名の「麻」は「青麻(あおそ)」が縮まった名前で、古くは外皮から繊維を取ったことに由来しています。一般に葉や茎から採れた繊維を総称して「麻」と呼んでいます。ヘンプは夏服などの衣類に使われている「麻」(いわゆる麻布、リネン)とは植物的に異なる種類で、麻布になるのは「亜麻(アマ科、英名:フラックス)」もしくは「苧麻(からむし、ちょま)イラクサ科(英名:ラミー)」という植物です。ヘンプの繊維も衣類に使われますが麻ではなく「指定外繊維(ヘンプ)」と表記されます。アクセサリーや手芸などでもヘンプの植物繊維を使ったものがあります。ヘンプは非常に歴史の古い植物で、一万年前の人類が最初に栽培した植物の一つと言われています。古代エジプトではミイラを包む布にも利用され、日本では神道で祈願や穢れ払いのために神前に供えられる「幣(ぬさ)」がヘンプで織られています。英名で「ヘンプシード」と呼ばれる麻の実は七味唐辛子の一つにも利用されている馴染み深い食品です。種子を低温圧搾して得られるオイルは「ヘンプシードオイル(麻の実油、大麻油)」として食用や化粧用になります。オイルはオリーブ油のような暗緑色で独特のスパイシーナッツの香りと風味があります。必須脂肪酸のリノレン酸を含み加熱には適さないため食用する場合はサラダなどに利用します。なお、ヘンプシードオイル中にはヘンプの花や葉が持つ陶酔性などの精神作用はありません。
キャリアオイルとしてのヘンプシードオイルの大半は未精製オイルです。種子から低温圧搾で得られるヘンプシードオイルには、リノール酸とα-リノレン酸が3:1の割合でバランスよく含まれています。肌への浸透性と保湿性に優れ、特に加齢肌や乾燥肌に適しています。独特の匂いと緑色をしており、単体で使用するよりも一般的なキャリアオイルに20%ほど加えて使用することの多いオイルです。加熱には適さないので、温めて行うマッサージオイルやハーブの温浸油には不向きです。必須脂肪酸オイルで酸化しやすいため、開封未開封に関わらず早めに使い切ります。開封したものは冷蔵庫保存をおすすめします。 基材の成分:リノール酸(55%)、α-リノレン酸(17%)、オレイン酸(13%)、パルミチン酸(2%)、ステアリン酸(2%)、γ-リノレン酸(4%) 一般的な基材に期待される作用:保湿、皮膚蘇生、抗炎症 匂い:独特のスパイシーナッツの香り
◆トリートメントオイルに
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