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精油とハーブのプロフィール事典《ウィートジャム（小麦胚芽）Wheat germ》
英名：Wheat germ ウィートジャムは和名を「小麦胚芽」と言い、小麦の粒に含まれる芽部分です。ウィート（小麦）は西アジア原産のイネ科コムギ属の一年草で高さ1mほどに成長する馴染み深い植物です。節のある円筒状の茎からは細長い葉が伸びており、穂先には小さな白い花が咲きます。楕円形の溝のある緑色の実は熟すと小麦色になります。小麦は一般にパンコムギ（学名: Triticum aestivum）を指しますが、クラブコムギ（学名: Triticum compactum）、デュラムコムギ（学名: Triticum durum）などの種類もあります。小麦は春まきと秋まきがあり、春まき小麦は4月〜5月に種まきし、8月に収穫します。秋まき小麦は9月に蒔いて翌年の夏に収穫します。約1万5千年前から栽培されていた歴史の長い植物で遺跡からも小麦の穂が発見されています。栽培研究によって現在では多くの品種があり、人類史や文明にとって重要な植物の一つです。米、トウモロコシと並ぶ世界三大穀物で世界での年間生産量は約7.3億トンと圧倒的な生産量のある穀物の一つです。古代エジプトでは約5千年前に石臼で小麦を挽き、粉にして水を加えてパンのようなものを焼いていました。粒のままでは食べにくい小麦は「小麦粉」の形で食べるようになってからさらに広がりました。小麦粉はヨーロッパ、中東、インド、中国などに伝わり、現在のような発酵させたパン、麺、菓子などに広く加工されるようになりました。日本では弥生時代からすでに小麦が畑作されており、その時代には重湯やお粥、平焼きなどの形で食べられていました。平安時代に中国から小麦粉とそのレシピが伝えられ、その後に「素麺」や「饂飩」の形に変化していきます。室町時代にはポルトガルの宣教師たちによって「南蛮菓子」（カステラ、ビスケットなど）が伝えられました。小麦の粒は約15％の外皮（ふすま、食物繊維を多く含む）、83％の胚乳（はいにゅう、小麦粉になる部分）、2％の胚芽（はいが）から成ります。そのなかの胚芽は植物の種子に含まれ、成長すると芽になる部分で最も栄養が含まれています。ただし、この部分は酸化しやすいため小麦粉の貯蔵期間を長くするために通常は取り除かれます。「全粒粉」と呼ばれる薄茶色の粉には、ふすまや胚芽が含まれています。小麦胚芽には脂質、たんぱく質、ミネラル（カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、ナトリウム、銅、コバルト、硫黄、硅素、亜鉛など）、ビタミン（B1、B2、B3、B6、F、E）などの数多い栄養素が豊富に含まれ、胚芽は健康食品として市販されています。小麦胚芽から中温または常温圧搾で抽出したオイルは「ウィートジャムオイル（小麦胚芽油）」と呼ばれて食用や化粧用に利用されています。オイルはリノール酸やリノレン酸などの必須脂肪酸を含み、オレンジがかった色でパンのような香ばしい特有の匂いがあります。粘性が強く特有の匂いがあることからトリートメントなどには単体では使用せず、他のオイルに20％ほどの割合でブレンドして使います。
ウィートジャムオイル（小麦胚芽油）はアロマセラピー基材として長い歴史がありますが、それほど一般的ではありません。特に未精製のオイルには特有の香ばしい匂いがあり、好みが分かれます。抗酸化物質のビタミンEを含むため、酸化しにくいオイルで、酸化しやすいオイルの日持ちを良くするためにブレンドして使うことがあります。ビタミンEには老化や乾燥を防ぐ作用があり、エイジング肌や乾燥肌に用いられます。血流を良くする目的でフェイシャルやスポーツマッサージのオイルに加えることがあります。外用には溶剤抽出ではない圧搾法による化粧用のウィートジャムオイルを選択します。 基材の成分：リノール酸（48〜60％）、オレイン酸（15〜26％）、パルミチン酸（11％）、リノレン酸（6％）ステアリン酸（1％）、その他（パルミトレイン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ビタミンE） 一般的な基材に期待される作用：保湿、皮膚軟化、抗酸化、細胞修復 匂い：特有のパンのような匂い
◆ボディ、フェイシャルのトリートメントオイルに
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《ウィートジャムオイル（小麦胚芽油）》基材のプロフィール
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