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精油とハーブのプロフィール事典《スティラクス(蘇合香)Styrax》
英名:Styrax スティラクス(スタイラックス、スチラックスとも)は、和名を「蘇合香(そごうこう)」と言い、古代ではエゴノキ科エゴノキ属の植物(Styrax officinalis 、画上)から得られる樹脂を指していました。スティラクスは、ひとつの植物を指す言葉ではなく、蘇合香が採れる植物そのものを指す場合もあります。トルコ近辺を産地とする歴史の古い香料で、聖書に「ギレアデ人のバルサム」(ギレアデはヨルダン川東部)と書かれているのは古代のスティラクスだと考えられています。スティラクスはベンゾインの近縁種でありバニラ様で香りも似ています。16世紀以降にはエゴノキ科エゴノキ属の植物ではなくマンサク科フウ属の植物、学名:Liquidambar officinalis(フウノキ、画下)をスティラクスと呼ぶようになりました。現在ではアメリカ産のスティラクス(学名:Liquidambar styraciflua)の樹脂も見られます。幹に傷をつけて滲み出す粘性の高い緑色の液体が固まると黒っぽい樹脂となります。樹脂からは水蒸気蒸留法もしくは有機溶剤抽出法で「スティラクス精油」が抽出されます。スティラクス精油はレア精油で市場ではあまり流通していません。特徴成分に「スチレン」、その他ケイ皮酸、エステル、シンナミルアルコール、バニリンなどが含まれ、ベンゾインを想わせるバニラ様の甘い芳香が特徴です。古代ではスティラクスの香料は気道疾患に薬用として用いられた歴史があり、古代ギリシャの医師ディオスコリデスも消化促進の作用があるとしていました。 《スティラクス(蘇合香)》インセンスのプロフィール 古代でのスティラクスは魔術や祭祀に用いられ、女神ヘカテに捧げられる神聖な香料でした。香煙にはバニラ様の甘さのなかに土っぽさがあり、月桂樹の葉とともにこの香を焚くと変性意識に導かれます。瞑想に用いると空間を神聖にして洞察力を高めます。スティラクスの香りは心に温かみを与えて鎮静させ、インスピレーションと内なる平和をもたらします。心を開放させ、硬直した気持ちを解きほぐします。 《スティラクス(蘇合香)》インセンスの使い方 香炉を用意し、チャコールに点火してその上にスティラクスの樹脂を1粒置いて焚きます。薫香が終わったら火が完全に消えていることを必ず確認してください。 注意:スティラクスは薫香材として使用するもので食品ではありません。 一般的なインセンスに期待される作用:鎮静、高揚、変性意識(トランス状態)に導く ◆薫香材、お香に ◆手作りインセンスに
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