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精油とハーブのプロフィール事典《アニス(アニスシード) Anise 》
英名:Anise、Aniseseed、Aniseed アニスは、ギリシャ、エジプトなどの地中海東部を原産とするセリ科の一年草です。歴史の古い植物で二千年以上前から香料や薬草として利用されてきました。茎や葉の若いものはセロリのような食感で野菜として食用出来ます。ハーブとしての有用部は初夏に咲く白い花の後になる5mmほどの三日月形の種子(アニスシード、アニシードとも)で二つに分果します。この種子は植物学的には「果実」になります。アニスの種子は古代エジプトではミイラの防腐剤として使われ、最古の医薬書「エーベルス・パピルス」にも記載されています。属名のPimpinellaは「羽」を意味し、この植物の葉が切れ込んだ羽のような形をしていることに由来しています。アニスシードは中国原産のシキミ科「スターアニス」(八角)とは異なる植物ですが香りは同じアネトール成分を含むため、よく似ています。アニスの種子には甘い香りと味があり、古代ローマ人はクミンとともに宴会の最後に食べる小さなワインケーキの風味付けに使っていました。このケーキは現代のウエディングケーキの原型だと言われています。消化を良くするのと香りが良いのでカレーやスープ料理や焼き菓子やキャンディなどの風味付けに利用され、アブサン、ウーゾ、イエーガーマイスター、ベネディクティンなどの古くから作られてきたリキュールにも利用されてきました。日本には明治時代に渡来しました。スパイシーで甘い香りは息を爽やかにするので歯磨きにも利用されています。アニスシードはフェンネルシードと同じく、母乳の分泌を促進し、胃もたれ、腸内ガス、疝痛、吐き気などを和らげます。アニスシード精油は半乾燥させて砕いた種子を水蒸気蒸留して抽出します。90%がアネトール成分、その他にカビコール、アニスアルデヒド、アニス酸、テルペンなどが含まれています。精油の色は透明〜淡黄色で原料種子と同じ甘くスパイシーな強い香りがします。海外ではアニスシードの香りは「リコリッシュのような」と形容されますが、これはアメリカやヨーロッパでお馴染みのリコリスとアニスで風味付けしたグミのような渦巻き型のキャンディに由来しています。精油は個性的な香りなので好き嫌いは分かれますが温かみがあり、スパイシーで爽やかな香りは塞いだ気分を解放させて心を落ち着かせます。咳や頭痛に役立ちますが、皮膚への刺激性やアレルギーの懸念があるため、常に低濃度で使用する必要のある精油の一つです。 《アニスシード精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:健胃、催乳、去痰、刺激、駆風、鎮痙、抗菌、催淫、駆風、消化促進 心への作用:元気を失っている時、気持ちの閉塞を感じる時に、心を開かせて気分を明るくします。 ヒーリングの作用:エナジーラインに刺激を与え、みぞおちに溜め込まれた抑圧した思いを解放に向かわせます。 キーワード:太陽神経叢の強化と解放 相性の良い精油:柑橘系、シナモンバーク、クローブバッド、イランイラン、ジャスミン、ガルバナム、ジンジャー、ブラックパイン、シルバーファー、フランキンセンス 禁忌:妊娠中、授乳中、子供への使用は避けます。皮膚塗布はごく低濃度(最大使用量0.2%推奨)にとどめます。発がん性が懸念されているためエストロゲン依存性がん、および子宮内膜症の場合は使用を避けます。 《アニスシード精油》を使ったホームケアの方法 ◆消化器系の不調、腹痛に ◆咳、痰に ◆気分の塞ぎに 《アニスシード》ドライハーブのプロフィール ハーブの使用部位:種子 禁忌:妊娠中、乳幼児は使用を避ける。授乳中は催乳を目的とする場合でも少量にとどめます。エストロゲン依存疾患の場合は使用を避けます。 ハーブの成分:粘液質、コリン、糖類、鉄、マンガン 一般的なハーブに期待される作用:健胃、駆風、矯味、エストロゲン様、利尿、消臭、去痰、鎮痙、催乳 ハーブティーブレンド:シナモンバーク、ジンジャー、紅茶 ハーブティーの浸出時間:3分 ハーブティーの味:ほのかな甘みと爽やかな風味 《アニスシード》ドライハーブの使い方 ◆消化不良、疝痛、腸内ガスに ◆マウスウォッシュに
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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