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精油とハーブのプロフィール事典《ヨモギ(ジャパニーズマグワート)Japanese Mugwort》
英名:Japanese Mugwort ヨモギは、日本人に大変馴染み深いキク科の多年草です。日本在来種ですが原産地は中央アジアと考えられています。「ヨモギ」の名前の由来は「四方に広がって繁殖する→四方草」、「春に萌え出る草」、「燃える草(もぐさ)」などの説があります。属名の「Artemisia」はギリシャの女神アルテミスに由来し、月経痛や月経不順、更年期障害、産後の肥立ちなどの女性特有の症状に作用することを示唆しています。英名は「Japanese mugwort」で「マグワート(mugwort)」と呼ばれる植物と同じヨモギ(アルテミシア)属です。ヨモギは地下茎で旺盛に繁殖し、成長が早く北海道から沖縄まで日本全国に植生しています。早春に若芽を出し、葉の裏には白い綿毛が密生しているため葉全体が灰白色に見えます。この綿毛は梅雨明けの頃に最も多くなります。8〜10月に地味な淡褐色の小花を付け、花粉の量が多い風媒花で秋の花粉症のアレルゲンになる場合があります。ヨモギは地方によって様々な呼び名があり、「もぐさ」の原料になることから「ヤキクサ(焼き草)」、若い芽を餅に入れるので「モチグサ(餅草)」など、日本人の暮らしに密着してきました。ヨモギは「和ハーブ」の代表であり民間療法では万能薬的に用いられてきました。アイヌの人々はヨモギを「カムイノヤ(神の草)」と呼んで、療法だけではなく、浄めや悪夢のお祓いに利用しました。沖縄では「フーチバー(フーチは病、バーは葉の意)」と呼ばれて雑炊やお焼きなどの郷土料理に利用されています。沖縄のヨモギは「ニシヨモギ」と呼ばれる種類で苦味が少ないのが特徴です。生葉には止血作用があり、乾燥させたものは生薬「艾葉(ガイヨウ)」として下痢、貧血、出血、腰痛、神経痛、冷えなどに用いられてきました。ヨモギ特有の香りは葉に含まれる精油成分で1.8シネオールが約50%、その他にツヨン、β-カリオフィレン、ボルネオール、カンファーなどです。乾燥ヨモギはタンニンによる収れん作用で止血、下痢止めなどに有用です。止血のビタミンと呼ばれるビタミンkを含んでおり、その他にもクロロフィルや鉄分などが含まれるため貧血予防にもなります。ヨモギはティーとして飲用するだけではなく、入浴や蒸気浴、スキンケアなどにも利用出来ます。リラクゼーションサロンで行われている「よもぎ蒸し」は、ヨモギの蒸気浴として韓国に伝わる民間療法です。よもぎ蒸しは鍋に乾燥葉と水を入れて、座面に穴の開いた専用椅子に座り、椅子下に鍋を置いて加熱します。利用者は専用マントで薄着の上から全身を覆い、座部から立ち上るヨモギの蒸気を全身に浴びます。温熱作用とヨモギの芳香によるリラクゼーション法は子宮を温め、自律神経をバランスさせて冷えや女性特有のトラブル、美肌、神経疲労、不眠、ダイエットなどに役立ちます。 《ヨモギ》ドライハーブのプロフィール ハーブの使用部位:葉 ハーブの成分:タンニン、精油、クロロフィル、鉄、ビタミンA・B1・B2・k、食物繊維など 一般的なハーブに期待される作用:止血、抗菌、鎮痛、収れん、血行促進、ホルモンバランス調整 禁忌:子供への使用は控えます。 ハーブティーブレンド:ネトル、ジャーマンカモミール、エルダーフラワー、ローズ、フェンネル、ビワ、柿の葉など ハーブティーの浸出時間:3分 ハーブティーの味:ヨモギの香りとやや苦味 《ヨモギ》ドライハーブの使い方 ◆ハーブ蒸気浴(吸引法)に ◆ハーブバスに
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