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精油とハーブのプロフィール事典《ピンクペッパー(ペパコーンピンク)》
![]() 英名:Pink Pepper、Pink Peppercorn ![]() ペンクペッパーは和名をコショウボクと呼ばれるウルシ科、サンショウモドキ属の常緑低木です。「ペルビアンペッパー(ペルー胡椒)」、「カリフォルニアペッパー」、「ピンクペッパーツリー」、「ピンクペパコーン」、「ポワブルロゼ」とも呼ばれています。日本でピンクペッパーと呼ばれている植物には近縁種の「サンショウモドキ (Schinus terebinthifolius)」やバラ科の「セイヨウナナカマド(Sorbus aucuparia)」などもあるため購入時には学名を参考にします。学名の「Schinus」は「ウルシ」を 「molle」は、ケチュア語の「樹」に由来しています。北ヨーロッパや南米を原産とするピンクペッパーの木は高さ15mにも生育する長寿の木で、古代インカ文明では崇拝の対象になっていました。葉は枝から垂れるようしてつき、枝先には小さな白い花が密集して咲きます。主な有用部は果実(実)で、直径5〜7mmの核果が胡椒の実のようになります。実の色は熟すにつれて緑〜赤〜ピンク〜紫に変化します。灰色の樹皮からは樹液が滴り、樹液、樹皮、葉、果実に爽やかな芳香があります。芳香部位は摺りつぶすことによってさらに香り立ちます。和名は「コショウボク」と呼ばれていますがブラックペッパーやホワイトペッパー(学名:Piper nigrum)とは異なる種類で、一般に言われる「胡椒(ペッパー)」の実ではありません。ピンクペッパーの実にはペッパーのような辛みはなく、爽やかな香味の香辛料として利用されています。原産地ペルーでは抗菌性や防腐性のある伝統的な薬用植物として傷、歯痛、リウマチ、月経障害などに利用されてきました。近年では抗うつ、殺虫、利尿などの作用があることが研究されています。フレッシュの葉や実部分はメソアメリカの伝統的な儀式やアンデス地方の織物の染色に利用されてきました。実を染料として使う伝統はコロンブス以前の時代まで遡ります。古代インカ人はミイラ作りのためにピンクペッパーの葉を使って死者の防腐処理を行いました。インカでは熟した実の外側をすり潰してシロップを作り、とうもろこし粥に混ぜて食べました。現在では、主にスパイスとしてデザート、カルパッチョ、サラダなどのトッピング、肉魚料理などに肉や魚のソテーなどに利用されています。その他にも、ピンク色の実が可愛らしいので近年のハーバリウムやフラワーアレンジ、ナチュラルキャンドルクラフトなどにも利用されています。精油は実を水蒸気蒸留して抽出します。精油の色はクリアでさらりとしており、香りはフレッシュでスパイシー、わずかにフルーティの香りがします。ブラックペッパー精油のようなピリッとする刺激はありません。国内ではあまり知られていない精油の一つですが繊細でマイルドなペッパー風のアクセントを持つ芳香は気分を高揚させて神経系にリフレッシュやリラックスを与えます。海外では市販のボディスプレー、オーデコロン、香水などに利用されています。精油には筋肉痛を和らげる作用があり、風邪、インフルエンザ、上気道感染症などにも役立つとされています。国内での使用例はまだ少ないため、最初は皮膚塗布よりもスプレーや天然香水での使用をおすすめします。禁忌がなければセルライト予防やリンパマッサージなどにも利用出来ます。ブレンドは柑橘系、花系、ハーブ系、スパイス系などと良く合います。
一般的な精油に期待される作用:抗菌、抗感染、抗ウィルス、防腐、刺激、鎮痛、抗うつ 心への作用:爽やかな刺激を心に与えます。無気力、無力を感じている状態にほどよい活性をもたらして気持ちを引き上げます。 ヒーリングの作用:エネルギーの流れを活性させ、停滞していたものを動かします。 キーワード:刺激、エナジーフロー、エナジー活性 相性の良い精油:フランキンセンス、サンダルウッド、スペアミント、ラベンダー・トゥルー、ローズ、イランイラン、ジャスミン、クラリセージ、その他スパイス系、柑橘系
◆筋肉痛、捻挫、関節痛のケアに ◆天然香水、ボディスプレー、コロンに
スパイスとしてのピンクペッパーは料理やお菓子の風味付けに用いられることがほとんどです。ペッパーミルもしくは乳鉢で砕くと香味が増します。ティーではチャイのフレーバーに利用出来ます。成分に抗酸化作用と血行促進作用のあるピペリンを含んでいます。ブラックペッパーのような刺激はありませんが消化促進や血行循環促進の作用があります。なお、クラフト用として市販されているものは食用出来ません。 ハーブの使用部位:実 禁忌:ウルシおよびナッツアレルギーのある方は避けます。幼児への使用は避けます。動物には与えないでください。 ハーブの成分:炭水化物、ピペリン、鉄、マンガン、ビタミンk、ビタミンA 一般的なハーブに期待される作用:矯味、消化促進、食欲増進、防腐、抗菌 味:穏やかなスパイス風味、爽やかな香味
◆料理、デザートのトッピングに ◆ハーブクラフトに
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