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精油とハーブのプロフィール事典《トウガラシ Capsicum》
![]() 英名:Capsicum ![]() トウガラシは、熱帯アメリカを原産とするナス科の多年草です。一般にナス科のトウガラシ属の植物から取れる果実を「唐辛子」と呼び「鷹の爪」や「ハラペーニョ」、「ハバネロ」などもトウガラシの仲間です。熱帯地域では多年草ですが温帯地域では一年草となり、低木状に成長します。属名の「Capsicum」はラテン語で「小さい袋」を意味し、種小名の「annuum」は「一年草」の意味があります。トウガラシには「唐」(中国)から伝わった「辛子」(辛い種子)の意味があり「南蛮胡椒」、「高麗胡椒」とも呼ばれ、沖縄県では「コーレーグース」と呼ばれています。果実には強い辛味があり、香辛料や野菜として利用されています。乾燥させた果実は「カイエンペッパー(カイエンヌペッパー)」の香辛料名で呼ばれています。トウガラシは英語圏では「チリペッパー」、「レッドペッパー」、「カプシクム・ペッパー」、フランスでは「ピメント」、イタリアでは「ペペロンチーノ」と呼ばれ、世界各国で使われている最も馴染み深いキッチンハーブの一つです。日本では七味唐辛子や一味唐辛子、韓国ではコチュジャン、アメリカではタバスコ、インドネシアではサンバル、チュニジアではハリッサ、中国では豆板醤やラー油などの調味料として広く使われています。トウガラシ属は品種が多く、ピーマン、パプリカ、シシトウガラシなどはトウガラシの栽培品種です。トウガラシ植物は60cmほどに成長し、よく枝分かれする茎と先の尖った葉を持ち、6〜9月に白い花を咲かせます。果実は細長く、熟すと鮮やかな赤色となり、鮮烈な辛味があります。(品種によって辛味の程度は異なり、果実の色も白色、黄色、黒紫色など様々です)非常に歴史の古い植物で、メキシコでは紀元前6000年頃から栽培されていました。コロンブスによってヨーロッパに伝わり、その後にインド、中国へ伝わりました。コロンブスがこの香辛料を「胡椒(ペッパー)」と思い違いしたことから、現在に至るまでトウガラシ属の香辛料は「○○ペッパー」の名前で呼ばれるようになりました。日本には16〜17世紀に伝来し、食用や薬用として利用されてきました。ハーブの使用部は果実で「胎座」と呼ばれる中心部が最も辛く、果実のなかは胎座から伸びた「隔壁」という仕切りによって分けられています。葉は辛味が少なく「葉唐辛子」として炒め物や佃煮などに利用されます。トウガラシの辛味成分カプサイシンは胎座と隔壁の表皮細胞で作られ、種子には辛味はほとんどありません。カプサイシンは熱に強く、調理しても辛味が残ります。そのため、減塩を行う人にとってトウガラシの薬味は食材のうま味を引き立てる役割があります。トウガラシの辛味は含まれるカプサイシンの割合を示す「スコヴィル(スコビル)値」(スコヴィル辛味単位)によって表されます。程度を超える量は辛味よりも痛覚刺激となるため使いすぎに注意します。トウガラシは冷えた身体を温め、胃腸の働きや発汗を促し、血行循環を促進するので日本薬局方では「蕃椒」(ばんしょう)の名前の生薬としてチンキ剤、養毛剤、温湿布剤などに利用されてきました。辛味成分のカプサイシンはアドレナリンの分泌を促して交感神経を刺激し、脂肪分解を促進するため、有酸素運動と併せて摂るとダイエットに役立ちます。ただし、量が多いと胃腸への負担があるため適量を摂ります。民間療法では、足のしもやけ防止に靴のつま先部分にトウガラシを入れたり、トウガラシのチンキを塗布してきました。トウガラシには防虫作用のある天然のテルペノイド系化合物が含まれているため、穀物につくコクゾウムシの発生を予防します。テルペノイドは揮発性成分のため、乾燥トウガラシを手でちぎって使用します。米櫃の他にも書籍、衣類、人形などの虫害防止に使われてきました。作物の栽培では虫害を減らすためにトウガラシが植えられることがあります。
ハーブの使用部位:果実 ハーブの成分:ビタミンC・E、β-カロテン、ルティン、クリプトキサンチン、カプサイシン 一般的なハーブに期待される作用:殺菌、消化促進、血行促進、強壮、脂肪分解促進、発汗 ハーブティーブレンド:主に食用でティーには用いません。 味:強い辛味
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