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精油とハーブのプロフィール事典《ポピー(ポピーシード) Poppy Seed》
![]() 英名:Poppy、Opium poppy ![]() ポピーは、和名を「ケシ」と言い、小アジア原産の一年生もしくは二年生の草本です。別名「罌粟子」(おうぞくし)もしくは学名から「ソムニフェルム」とも呼ばれています。ケシには園芸種、食用の種子になるものなどの種類がありますが、Opium poppyと呼ばれるものは、いわゆる「阿片ケシ」植物です。未熟な果殻から分泌する液体にはモルヒネが含まれているため日本での栽培には厳しい規制があります。日本では政府の許可を受けないと栽培出来ず、麻薬取締法とあへん法によって一般の栽培は禁止されています。ポピーそのものは栽培植物としての古い歴史があり、紀元前3000年頃のシュメール人はこの植物を「歓喜、至福をもたらす植物」と呼んでいました。ポピーの栽培はシュメール人によって古代エジプト、古代ギリシャに伝わり、さらにローマ帝国からヨーロッパ全土へと、そして大航海時代によって世界中に広まりました。日本には室町時代に貿易によってインドから種子がもたらされました。鶏卵大ほどの未熟果に傷をつけて得られる乳液からはアヘンが穫れ、医療用のモルヒネに精製されます。モルヒネは医師の処方のもと、鎮痛鎮静剤としてがん患者の痛みの緩和、麻酔、痛み治療などに利用されています。5月〜7月にかけて咲く大輪の花は赤、桃、紫、白などの色があり、一重咲きもしくは八重咲きで、花は悪臭がします。花は一日咲くと散り、花後は「けし坊主」と呼ばれる小さな種子を含む球形の果実となります。0.5mmほどの白色や黒色の種子は「ポピーシード」(けしの実、けし粒)として一般的に食用されますが、アヘンが採れるポピーと食用種子の種類は異なります。食用の種子は発芽しないように熱処理されているので法規制や健康面での心配はありません。ケシの実は、菓子やパンなどの飾りつけや七味唐辛子の香りづけにも利用されています。種子の主成分は脂質でリノール酸が約70%、オレイン酸が約15%、その他にも豊富なたんぱく質が含まれています。種子を搾った油は「ポピーシードオイル」(芥子油)として油絵の具の画溶油、石鹸作り、食用などに利用されています。
ポピーシードには神経を鎮静させるテバインやコデイン、パパベリン成分が含まれており、心をリラックスさせ、痛みを和らげます。食物繊維が約20%と豊富に含まれており、腸内環境を整え、脂肪の吸収を抑えます。種子は腎臓の形をした小さな完熟実で、麻酔成分はないため問題なく食用出来ます。軽くローストするとプチプチした歯ざわりと香ばしさが出ます。 ティーとしての利用よりも主に料理、菓子などに使用します。 ハーブの成分:オレイン酸、たんぱく質、ビタミンB群、葉酸、ミネラル、カルシウム、マグネシウム、鉄、食物繊維など 一般的なハーブに期待される作用:鎮静、鎮痛、整腸 味:生は無臭、炒るとナッツのように香ばしく、食感が楽しめる。
◆お菓子、パンの飾りつけに
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