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精油とハーブのプロフィール事典《ウッドベトニー Woodbetony》
![]() 英名:Woodbetony ![]() ウッドベトニーは、和名を「カッコウチョロギ」と言い、ヨーロッパ、西アジアを原産とするシソ科の多年草です。属名の「stachys」はギリシャ語の「穀物の穂」を、種小名の「officinalis」は「薬用」を意味しています。日本で馴染み深い巻貝のような根を漬物にする縁起物のチョロギ(千代呂木、長老喜)は中国が原産で、カッコウチョロギとは異なる植物です。ウッドベトニーの根は髭のような太い木質です。単に「ベトニー」あるいは「ビショップスワート」と呼ばれることもあり、日本には観賞用として江戸時代から渡来しています。四角型の茎と長い楕円状の葉を持ち、7月〜9月にかけて唇の形のピンク色の花を咲かせます。日当たりと水はけの良い土地を好み、ギザギザした葉部分に爽やかな芳香があります。歴史の古いハーブで古代エジプトの時代にすでに頭痛などの治療に用いられていました。古代ゲールでは「生命の木」と呼ばれ、ヨーロッパのシャーマニズム文化では魔法の力を持つ木として邪悪な視線から護り、予知夢をもたらすとされました。中世ヨーロッパで魔術的な力を持つ万能薬、魔女のハーブとして頭痛、不眠などに利用されてきました。怖ろしい夢魔をもたらすゴブリン(想像上の小鬼)から護り、教会の墓地に植えると幽霊を退けると考えられてきました。ハーブとしての有用部は地上部で開花前に収穫されます。かつては薬用植物として修道院の庭に植えられ関節炎、痛風などの痛みや蛇や犬による噛み傷などにも用いられていました。英国のハーブ療法家、ニコラス・カルペパーはベトニーを家庭に置く価値のある重要なハーブとして「男性の肝臓と身体を疫病の危険から護り、魔術からも保護する」としました。オーストリアの伝統医学では気管支、胃腸、神経系、皮膚および婦人科の疾患のためにティーや湿布、ハーブバスとして使われてきました。ティーにするとほろ苦い紅茶に似た味わいがあり、太陽神経叢に力を与えます。神経の消耗から来る頭痛、片頭痛、歯痛、不眠、ストレス、胃痛、疝痛、腹部膨満感および風邪、咳、気管支系の不調などに利用されています。ただし、日本では観賞用としての流通がほとんどでドライハーブは入手しづらいです。ウッドベトニーは血圧を下げる可能性があるため、妊娠中、低血圧の人は避けます。生の葉や根には毒性があり、多量に使うと下痢を起こすことがあります。ハーブ療法に利用する場合はドライのみを使いますが専門家の指示のもとで利用するのが望ましいハーブです。
ウッドベトニーは現在ではハーブ療法よりも主に観賞用として植えられています。
◆ストレス、神経疲労、不眠に
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