英名:Cowslip
学名:Primula veris(プリムラ・ウェリス)
和名:キバナノクリンザクラ(黄花九輪桜)
科名:サクラソウ科
種類:多年草
草丈:約20〜30cm
原産地:北半球の温帯地域
カウスリップ植物画:Wikipedia
カウスリップは、和名を「キバナノクリンザクラ」と言い、北半球の温帯地域原産のサクラソウ科の多年草でヨーロッパから西アジア、シベリアにかけて植生しています。「カウスリップ」(牛が滑る)の名前は牛の牧草地の肥料のなかでこの植物がよく見られることに由来しています。園芸種の「プリムラ」の原種のひとつで早春に黄色い花を咲かせます。根茎は太く、短く、裏側に毛の生えたしわの多い葉をロゼット状につけます。花茎には散形の黄色い花を10〜30個つけ、この花には特有の芳香があります。属名の「プリムラ」は「最初の」を、種小名の「ウェリス」は「春の」を意味し、春一番に咲く性質を示しています。若い生の葉はサラダに、花はエディブルフラワーやワインやビネガーの風味づけに使われてきました。ピーターラビットの絵本のなかにはウサギがこの花のワインを作る場面があります。下向きに咲く釣鐘形の黄色い花が鍵の束のように見えることから「キー・オブ・ヘブン」(天国の鍵)や「キーフラワー」(鍵の花)などの別名があります。これらの名前は北欧の神話やキリスト教圏における言い伝えに因んでいます。有用部は花、葉、根で、花はカウスリップのなかで最も穏やかな有用部です。ヨーロッパでは薬用植物として長い歴史があります。鎮痛、発汗、利尿、去痰、抗リウマチ、軽度の麻痺などの作用があるとされ、風邪やインフルエンザの症状やリウマチ性の痛みなどに利用され、その他にも不眠や子供の多動などに使われてきました。17世紀のイギリスのハーバリスト、ニコラス・カルペッパーは、カウスリップの蒸留水や軟膏に美容作用があることを伝えています。花の浸出油があざや傷などに外用されてきた歴史もあります。
《カウスリップ》ドライハーブのプロフィール
カウスリップのドライハーブはヨーロッパではティー、チンキなどに利用されていますが国内では流通していません。
ハーブの使用部位:根、花、葉
ハーブの成分:トリテルペンサポニン、フラボノイド、フェノール酸、フェノール配糖体
一般的なハーブに期待される作用:鎮静、去痰
禁忌:妊娠中、授乳中、アスピリンアレルギーのある人、抗凝固薬を服用している人は避けます。根の過剰摂取は悪心、吐き気、胃の不調、下痢を起こす可能性があります。稀にこの植物の雄しべにアレルギーのある人がいます。

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