英名:Cinnamon bark
学名:Cinnamomum zeylanicum(キンナモムム・ゼイラニクム)
和名:セイロンニッケイ
科名:クスノキ科
種類:常緑高木
樹高:約15m
原産地:セイロン島
精油の抽出部位:樹皮
精油の抽出方法:水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ:お菓子に使われる甘くてスパイシーなシナモンの香り
香りのノート:トップ
ブレンドファクター:1
精油の成分例:
【芳香族アルデヒド】ケイ皮アルデヒド(40〜50%)
【エステル】酢酸トランス-シンナミル(4.00%)
【エステル】安息香酸ベンジル(1.0%)
【セスキテルペン炭化水素】β-カリオフィレン(3.70%)
【フェノール】オイゲノール(4〜10%)
【酸化物】1,8-シネオール(1.65%)
【モノテルペンアルコール】リナロール(2.3%)
【モノテルペン炭化水素】α-ピネン(0.2%)
シナモン植物画:Wikipedia
シナモンの樹皮は、その香りの高さからスパイスの王様と呼ばれています。世界最古の香料・スパイスで紀元前6世紀の旧約聖書「エゼキエル書」にも登場します。シナモンと言えば一般に「シナモン」「カシア」「ニッキ」の3種類が知られていますが、厳密にはスリランカ産の「セイロン・シナモン」(セイロンニッケイ)だけが「シナモン」と呼ばれるものです。日本では香りの強い中国原産のカシア(トンキンニッケイ)が好まれています。日本には8世紀に生薬として伝来し、正倉院にも収蔵されていました。古くから寺院での薫香などに使われ、古代エジプトではミイラの防腐剤として、あるいや太陽と月に捧げる薫香材として利用されてきました。魔術に関するスパイスとして知られており、フェニックス(不死鳥)伝説ではシナモンとミルラを投げ込んだ魔法の火から不死鳥が生まれたと言われています。シナモンの樹皮は漢方では「桂皮」と呼ばれ、温熱や発汗の作用があることから生薬に利用されています。スパイシーで甘い香りは嗅ぐだけで気持ちが高められます。樹皮の形のままのスティック状のものはポプリやリースなどのハーブクラフトに利用され、クリスマスリースのデコレーションにもなります。粉末はシナモンロール、ドーナツ、アップルパイなどのお菓子作りやコーヒーや紅茶、チャイなどの風味づけに利用されています。ワインにシナモンなどの風味づけをしたものはマルドワインと呼ばれるヨーロッパの冬の定番飲料です。精油は樹皮からシナモンバーク精油が葉からシナモンリーフ精油がそれぞれ水蒸気蒸留法で抽出されます。どちらも皮膚刺激性が高いため、スキンケアには用いられません。
★シナモンバーク(樹皮)とシナモンリーフ(葉)★
シナモンリーフ、シナモンバークともに強力な抗バクテリア・抗カビ作用があります。クローゼットや靴箱のなかにティッシュに数滴垂らしたものを置いて使います。中世ヨーロッパでペストが流行した際にはシナモン、タイム、ガーリック、ローズマリー等のハーブをヴィネガーで希釈して感染を予防したそうです。ヨーロッパではシナモンバーク、フランキンセンス、オレンジのブレンドがクリスマスの香りとして定番です。
《シナモンバーク精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:健胃、刺激、抗菌、抗真菌、消毒、防腐、防虫、駆風、通経、消化促進、強壮、精神高揚、催淫
心への作用:甘く刺激的な香りが心を活気づけてくれます。心を温め、気持ちを高揚させてくれる香りです。神経の衰弱、心の疲れを癒します。
ヒーリングの作用:悪意や邪気などの不要なエネルギーを掃ってくれます。ネガティブエネルギーからの保護を行い、パッションを高め、外へと向かうエネルギーをチャージします。
キーワード:刺激、パッション、エナジーアップ
相性の良い精油:柑橘系、花系、樹脂系との相性が良い。オレンジ、タンジェリン、イランイラン、フランキンセンスなど。ブレンド全体に温かみと甘味、パッションを感じさせます。
禁忌:シナモンバークはシナモンリーフよりもさらに刺激性の強い精油です。芳香浴やキャンドルやポプリなどの雑貨の香りづけが主な使用法です。肌使用は皮膚刺激の可能性が高いため慎重にします。通経作用があるため妊娠中の使用は避けます。芳香浴でも乳幼児やペットがいる空間での使用は避けます。
《シナモンバーク精油》を使ったホームケアの方法
◆バクテリアの消毒に
エタノールと精製水を8:2で希釈したスプレー水に加えて消毒したい場所に吹き付けます。
◆オーラの活性化、オーラの保護に ※精神世界的な利用法
スプレー水を作って空中にひと吹きし、その下をくぐり抜けます。
◆食欲不振、気力がわかない時に
レモン、オレンジ精油とブレンドして芳香浴を行います。
◆防虫、カビ予防に
ティッシュに垂らしてクローゼットや靴箱などに入れて置きます。
《シナモンバーク》ドライハーブのプロフィール
ハーブの使用部位:樹皮
禁忌:子宮の収縮作用があるため妊娠中は長期多量使用を避けます。血糖値を下げる作用がありますが、糖尿病の薬を飲んでいる方の長期多量使用は避けます。
注意:食品グレードとハーブクラフト(雑貨)のグレードがあるため、用途に応じて使い分けます。
ハーブの成分:タンニン、粘液質、ゴム質、糖類、樹脂、シュウ酸カルシウム、クマリン
一般的なハーブに期待される作用:抗菌、発汗、健胃、精神高揚、消化促進、血行促進、強壮、鎮痙
ハーブティーブレンド:シングルよりもブレンドティーにして飲むことの多いハーブです。ジャーマンカモミール、オレンジピール、マルベリー、フェンネル、エルダーフラワー、ローズヒップなど。その他リンゴの皮やオレンジ皮と紅茶との組み合わせも美味しいです。
ハーブティーの浸出時間:やや長め、5〜10分
ハーブティーの味:シナモンの甘くスパイシーな味わい ※穏やかな辛味
《シナモンバーク》ドライハーブの使い方
◆血糖値が気になる方に
マルベリーとブレンドし、ハーブティーにして飲みます。
◆飲み物の風味づけ
パウダーを紅茶、ミルクティー、コーヒー、タンポポ珈琲、ココアなどの風味づけに。
スティックはスプーン代わりにしてかき混ぜて使用します。
◆消化不良、風邪の予防に
ローズヒップ、エルダーフラワー、ジャーマンカモミールとブレンドして飲みます。
◆うがい、マウスウォッシュに
浸出液でうがいやマウスウォッシュを行うと感染の予防となり、口中を爽やかにします。
◆リース作りに
クリスマスリースに。乾燥させた赤唐辛子と一緒にポプリにすると虫除け、魔除けになります。
◆フルーツポマンダー作りに
パウダー状のシナモンをフルーツポマンダーにまぶして香りづけします。
《シナモン》インセンスのプロフィールと使い方
シナモンは薫香材として古くから利用されてきました。シナモンの甘美な香りは深い愛情を示すとされ、古代ローマの皇帝ネロは、妻の死後にローマで使用される1年分のシナモンを集めて焚き、愛の証しとしたそうです。シナモンを贈ることは王侯貴族の間では最高の贈り物とされ、歴史のなかでは貴重なシナモンを巡って領地争いも起こりました。香にして焚くと少量で中枢神経系に刺激を与えます。
◆お香、お線香に
専用香炉で焚いてお香に。粉末にしたものを手作りインセンスの材料として使用します。

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