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精油とハーブのプロフィール事典《タマヌ Tamanu》
英名:Tamanu タマヌは、熱帯アジア原産のテリハボク科の「テリハボク」と呼ばれる常緑高木です。樹木は塩分の多い砂地を好み、太平洋諸島、オーストラリア、東南アジア、インド、マダガスカルなどの海岸近くに分布しています。風に強いので防風や防潮の植樹としても利用されています。日本では沖縄や小笠原諸島に見られ、沖縄ではヤラボ、ヤラブ、ヤナブ、タラブ、小笠原諸島ではタマナの名前で呼ばれてきました。スウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネの「植物種誌」(1753年) に記載された植物の一つで、属名はギリシャ語の「美しい」を意味する「kalos」と「葉」を意味する「phullon」に由来し、和名の「照葉木」も葉の光沢から名付けられています。英名ではオイルナッツ、マストウッド、ビーチカロフィラム、ビューティリーフなどの名前で呼ばれています。伝統的な薬用植物で、ポリネシアでは「マラエ」(聖なる共有地)に植えられたタマヌの木立は精霊の住処であり、神々はこの木の枝に隠れていると伝えられてきました。タマヌの木は時間をかけて成長し、樹高は10〜20mになります。木材は硬く、昔から船の材料として利用され、丸木舟やアウトリガーカヌーなどが作られてきました。光沢のある15cmほどの葉は魚に有毒な成分が含まれるため現地では魚毒漁に利用され、同じく毒性のある樹液は毒矢の材料として使われてきました。その他にも樹皮は虫除けに、根は打撲やリウマチ、月経不順などに用いられてきました。(※種子油には毒性はありません)晩春と晩秋に咲く白い花には芳香があり、年2回結実する果実は直径2〜4cmの丸い緑色の球果で大きな種子が1つあります。果肉はリンゴのような味がし、果実は熟すとしわが寄って褐色となります。種子には約50〜70%の油分が含まれ、低温圧搾法で得られる「タマヌオイル」(テリハボク種子油、カロフィラムオイル)は緑がかった琥珀色で粘性と特有の香りがあります。100kgの果実から5kgしか取れない贅沢なオイルで、現地では特別なケアオイルとして利用されてきました。現地の民間療法では皮膚の発疹、関節痛、虫刺され、切り傷、火傷、ニキビ、日焼け、乳児のおむつかぶれなどに利用されてきました。タマヌオイルは近年、ナチュラルコスメや石鹸の材料、アロマセラピーの基材として注目されています。 タマヌオイルは種子から低温圧搾で抽出されます。組成はアルガンオイルに似ており、オレイン酸とリノール酸がそれぞれ約30%、約10%のステアリン酸とパルミチン酸を含んでいます。その他にカロフィル酸と呼ばれる独特の脂肪酸や天然の抗生物質であるラクトン成分や抗炎症作用のあるカロフィロリドが含まれています。肌への浸透性が高く、肌を滑らかにして皮膚バリアを保護します。若干の紫外線防御作用があり、ヘアケアに用いると紫外線で傷んだ髪の良いケアになります。オイルには粘性と特有の芳香(ナッツ、グリーン、スパイシーがミックスされた香り)があるので、気になる場合は他のオイルとブレンドし、精油を加えて使います。 基材の成分:オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ビタミンE、カロフィル酸、ラクトン、カロフィロリドなど 一般的な基材に期待される作用:(外用)保湿、皮膚軟化、抗老化、抗炎症 匂い:ナッツ様の香り 《タマヌオイル》基材の使い方 ◆美容液に
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