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精油とハーブのプロフィール事典《山椒 Japanese pepper》
英名:Japanese pepper 山椒は、日本および朝鮮半島を原産とするミカン科サンショウ属の落葉低木です。別名「ハジカミ(椒)」や「和山椒」と呼ばれています。山椒の「椒」の文字は芳しい、辛味の意味で、山椒は山でとれる香辛料に由来しています。属名の「Zanthoxylum」は「黄色い木」を、種小名の「piperitum」は「胡椒」に由来しています。樹高は1〜3mに成長し、樹皮は灰褐色で鋭い棘があります。葉は1〜2cmの小葉で揉むと強い芳香がします。雌雄異株で4月〜5月にかけて黄緑色の花を多数咲かせます。秋に雌株になる実は果皮に強い芳香があり、未熟な青いものは「青山椒」と呼ばれています。(中国産の青山椒、藤椒とは異なる)古い歴史のある植物で、縄文時代の遺跡の土器から山椒の実が発見されています。葉、花蕾、実が食用出来、その他にも木材は硬く、香気があり「すりこ木」として使われてきました。身体は小さいながらも才気のある人を形容する「山椒は小粒でぴりりと辛い」の言葉のように、日本人に馴染み深い和ハーブです。春にとれる若い葉は「葉山椒」や「木の芽」と呼ばれ、料理のあしらいなどに使われますが辛味はあまりありません。雄株の花蕾は「花山椒」として利用され、これも辛味はなく、鍋物などに入れると良い香りがします。雌株の実は「実山椒」と呼ばれ、山椒らしい風味が強く辛さも鮮烈です。5月に収穫する若くて青い実は佃煮や醤油煮などに加工され、秋に収穫する赤く熟した実は乾燥させて皮をすりつぶし、粉状にして「粉山椒」として利用します。鰻の蒲焼には欠かせない香辛料で、七味唐辛子の材料にもなっています。中国の山椒である「ホアジャオ」(花椒、華北山椒)とは同属異株ですが、ホアジャオに比べると山椒の方が辛味は少なく、痺れる感覚も穏やかです。山椒は正月に飲む邪気払いの薬用酒「屠蘇散(とそさん)」(山椒・防風(ぼうふう)・白朮(びゃくじゅつ)・桔梗(ききょう)・細辛(さいしん)・乾姜(かんきょう)などを粉状にしてブレンドしたもの)にも加えられています。日本薬局方では種子を除いた成熟果皮を生薬名「山椒」(サンショウ)として収載しています。辛味成分にサンショオール、サンショウアミドなどを含み、胃を温め、消化を促進し、胃の冷えから来る症状を和らげるとされています。鎮痛や抗菌作用があり民間療法では回虫駆除のために飲まれたこともあります。山椒の実には麻痺作用のあるキサントキシンという成分が含まれています。そのため、多量に摂取すると舌が痺れる感覚があり注意が必要です。山椒の辛味成分は、かつて日本の川での魚漁(毒もみ漁法)にも利用されていました。辛味があるため子供には不向きで、動物に与えると中毒を起こす可能性があります。 《山椒》ドライハーブのプロフィール ハーブの使用部位:実、葉、雄花の蕾 《山椒》ドライハーブの使い方 ◆料理に
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