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精油とハーブのプロフィール事典《紫蘇 Purple common perilla》
![]() 英名:Purple common perilla、Red perilla ![]() 紫蘇は、中国中南部を原産とするシソ科の一年草です。本ページの「紫蘇」は「赤ジソ」と呼ばれる紫蘇を指しています。一般に「大葉」と呼ばれる緑色のシソは赤じその変種です。「紫蘇」の名前は、かつて中国で蟹を食べて食中毒を起こした若者に葉の煎じ液を飲ませ、命が助かったたことから「紫の葉で命が蘇る」の話に由来しています。属名の「perilla」は「シソ」を、種小名の「frutescens」は「低木状の」を意味する言葉です。歴史の古い植物で日本では縄文時代の遺跡から種が発見されており、平安時代にはすでに栽培され日本最古の薬草学書である「本草和名」にも記載されています。名前のように全草が濃い赤紫色で梅干の色付け、ゆかり、シソジュースなどで日頃から馴染み深い和ハーブの一つです。葉、花穂、芽、実に爽やかな芳香があり、薬味や料理に用いられてきました。草丈は20〜40cmほどに成長し、直立した茎は四角形で枝先に多数の花穂を付けます。花は赤紫色で(緑色のシソの花は白色)、秋になって草が枯れる頃に黒い小さな種を付けます。繁殖力が強く、こぼれ種からも成長し、交配しやすく多数の品種があります。紫蘇の葉の旬は6月〜8月で、ちょうど梅干を漬ける時期と重なっています。紫蘇に含まれる赤色の色素シソニン(シアニジンの配糖体)は抗酸化物質アントシアニンの一種で梅のクエン酸と反応し、鮮やかな赤色となって梅干を赤く染めます。民間療法では生魚の毒消しや魚介中毒に用いられ、青魚中のアニサキスによる胃痛を防ぐとされてきました。現在でも刺身のつまには花穂(穂ジソ)が使われています。紫蘇は全草が生薬として利用され、茎は「紫蘇梗」(しそこう)として神経痛やリウマチに、実は「紫蘇子」(しそし)として発熱、咳止め、去痰、消化不良、便秘解消に、葉は「紫蘇葉、蘇葉」(しそよう、そよう)として解毒、殺菌、発汗、気分の鬱滞、つわり、妊娠中の不安感などに役立てられてきました。紫蘇の爽やかな香りは、含まれるぺリルアルデヒド、リモネン、ロズマリン酸などの芳香成分で抗菌や食欲増進の働きがあります。シソの種子からとれる「シソ油」(シソの実油)には必須脂肪酸のα-リノレン酸が多く含まれ、アレルギー予防などで健康食品として注目されています。シソ油には特有の魚のような匂いがあり、酸化しやすく加熱に不向きなためドレッシングや和える料理に利用します。シソ油はカプセル状のサプリメントも市販されています。なお、シソ油として市販されているものは「エゴマ油」であることが多く、オイルとしての組成もほぼ同じです。
ハーブの使用部位:葉、種子(実)、茎、花穂
◆料理に
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