|
精油とハーブのプロフィール事典《タバコ Tobacco》
英名:Tobacco タバコは、南アメリカ原産のナス科タバコ属の多年草(栽培種は一年草)です。タバコの名前はスペイン語やポルトガル語の「tabaco」に由来し、葉に強い嗜癖性のあるニコチン成分を含み、乾燥させた葉は紙巻、葉巻、刻みなどの煙草製品に利用されてきました。タバコの歴史は非常に古く、7世紀に古代マヤ人が最初にタバコを喫煙したと言われています。タバコは神聖なものとしてタバコを吸う神々の姿がレリーフなどに残されています。古来より、タバコに限らず草木や樹脂を燃やす香煙は神や精霊との交信をもたらすものとされてきました。神殿や寺院、儀式の場などで焚かれる香煙は神への供物であり、その場にいる者たちを陶酔と変性意識に誘うためのものでした。神官や呪医たちはそれによってお告げや祈祷、治療、占いなどを行ってきました。北米先住民たちは、聖なる儀式の際にはパイプによる喫煙を行い、葉だけではなくパイプもまた重要な道具として大切にされてきました。当時のタバコの用途は儀式や呪いを兼ねた治療が中心で習慣的な喫煙ではありませんでした。ヨーロッパには15世紀に新大陸より伝えられ、その後日本には16世紀にポルトガル船の乗組員によって煙草が伝えられました。伝来当時は高価な輸入品でしたが国内でのタバコ栽培によって民間に広まり、次第に嗜好品として定着していきました。タバコは別名「忘れ草」、「思い草」と呼ばれ、香煙や喫煙の味は日頃の心の憂さを忘れさせると考えられてきました。その他にも日本ではタバコの煙が邪気祓いに使われ、妖怪や化け物はタバコの脂を嫌うとされてきました。(俗に蛇が嫌うと言われますが、これはニコチン成分による忌避作用と思われます)タバコの植物は草丈は2mほどに成長し、茎は繊維質で葉は約60cmと大きく、葉からは特有の匂いがします。1本の茎に約30枚もの葉がつき、上葉、中葉、下葉などの部位によって含まれるニコチンの量が異なります。7月〜8月にかけて咲く筒状の花は淡い桃色で、花後になる果実には数千粒の細かい種子が入っています。栽培種の場合は葉に栄養が行くように花は「心止め」として摘み取られます。品種には黄色種、バーレー種、在来種、葉巻種、オリエント種などがあり、品種によって葉の香りや香喫味(喫煙の味)が異なります。タバコは現在では世界各地で栽培され、喫煙用は「ニコチアナ・タバカム」と、喫煙するとやや刺激の強い「ニコチアナ・ルスチカ」の2種類が主に栽培されています。栽培種のほかに野生種や観賞用の品種もありますが、国内での喫煙用の栽培は「日本たばこ産業株式会社」と契約した農家に限定されています。タバコの煙に含まれるニコチン成分には気分を鎮めて緊張を和らげる作用と精神を覚醒させる両面の作用があります。ニコチンは口、胃、気管、皮膚などから吸収され、依存性があるため喫煙は習慣になりやすく、癌、脳卒中、心筋梗塞などへのリスクを高めるだけではなく、胎児への影響や副流煙による影響などが言われています。喫煙や副流煙によって体内のビタミンCが破壊されるため、美容への影響もあるとされています。 《タバコ》ハーブのプロフィール 禁忌と注意:タバコ植物は全草にニコチンを含んでいるため、誤食すると嘔吐、下痢、筋肉の痙攣、麻痺などを起こします。製品としての煙草1本あたりに含まれるニコチン量は乳児の致死量の2倍にあたります。誤飲は絶対に避けてください。満20歳未満の喫煙は未成年者喫煙禁止法により禁止されています。
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
|
2012-2024 Copyright (C) Holistic Aroma Academy, all rights reserved.
|