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精油とハーブのプロフィール事典《ウメ(梅)Japanese apricot》
![]() 英名:Japanese apricot ![]() ウメ(梅)は、中国中部原産のバラ科サクラ属の落葉小高木〜高木です。ウメの品種は500種以上と大変多く、果実を収穫するものは「実梅(みうめ)」、花を観賞するものは「花梅(はなうめ)」と呼ばれています。ウメの名前は梅の中国名の(メイ、ムイ、マイ)から来たとする説や種小名に因んだ「ンメ」が「ウメ」になった、あるいは生薬の「烏梅」(ウメイ)から来ているとも言われています。桜や桃よりも早い時期に咲き、春を告げる花木として観梅や盆栽に、実は梅干しや梅エキスなどに利用され、日本人にとって大変身近な有用植物の一つです。栽培されている梅の樹高は3〜5mで樹皮は紫褐色、枝は広がって張り、2〜4月頃に葉に先立って開花します。花びらは丸く、白、紅、淡紅色の花が枝に張り付くように咲きます。花には芳香があり、花王の研究では白梅と紅梅では香気成分が異なり「南高梅」が最も香気量が多く、芳香の主成分は酢酸ベンジルであるとの事です。梅の果実は直径2〜3cmの球形で片側に浅い溝があり、未熟なもの(青梅)は緑色、6月頃に熟すと黄色になります。完熟梅は桃のような甘い香りがします。未熟な青梅は梅酒に、完熟梅は梅干しやジャムなどで食用されています。梅干しは日本独自の食文化で殺菌や解毒の作用があり、平安中期の日本最古の医学書「医心方」(いしんほう)には梅干しの薬効が記されています。薬用植物としての歴史は非常に古く、中国では紀元前から酸味料や調味料として果実が利用されていました。日本には奈良時代に遣唐使によって生薬の「鳥梅(うばい)」が伝えられ、樹木はその後に渡来しました。鳥梅は籠に入れた青梅を竈(かまど)の煙で 黒く燻したもので、表面はしわしわで黒い色から「烏(カラス)」の名前が付けられました。クエン酸による強い酸味があり、煎剤は健胃、鎮痛、解熱、解毒、駆虫の生薬として食あたりや下痢止め、傷の手当などに利用され、紅花染めや化粧紅の媒染料としても利用されてきました。その他にも、青梅の搾り汁を煮詰めた「梅肉エキス」は古来より民間薬として食あたりなどに使われてきました。梅干しを漬ける時に出来る梅酢からは梅ポリフェノールが抽出されます。梅ポリフェノールには抗インフルエンザ作用があり、2022年3月には大阪医科薬科大学と紀州田辺うめ振興協議会との受託研究で梅ポリフェノールの新型コロナウイルスに対する阻害効果が発表されています。
ハーブの使用部位:果実
◆梅干しに ※上記に使用するガラス保存瓶類は必ず煮沸消毒もしくは焼酎などで消毒して使います。
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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