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精油とハーブのプロフィール事典《サクラ(桜)Cherry blossom》
![]() 英名:Cherry blossom、Japanese cherry ![]() サクラ(桜)は、日本、中国、朝鮮半島、ヨーロッパ、北米を原産とするバラ科サクラ属の耐寒性低木〜高木です。原種のサクラは10種(ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、チョウジザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラ)ですが、変種や園芸種を合わせると300種類以上にもなり、品種によって開花時期、樹高、枝の付き方、花の色や大きさが異なります。サクラの名前は「サ」が稲を、「クラ」は神の座を意味するとし、そこから「早苗(さなえ)」「皐月(さつき)」「五月女(さおとめ)」などの言葉が派生したと考えられています。田植えの神木として農耕や村落で大切にされ、万葉集や古今和歌集にも詠まれてきました。サクラの花は日本神話に登場する「木花咲耶姫」(このはなさくやひめ)という美しい神が富士山の頂きから種をまいて咲かせたとも言われています。菊とともに日本の国花であり、春のお花見や入学や卒業の祝い花として、日本人の心の拠り所とも言える象徴的な花木です。最も一般的に見られる「ソメイヨシノ」(染井吉野、学名:Cerasus × yedoensis )は、交配による園芸種で気象庁の桜の開花宣言の基準木となっています。食用のサクランボが生るのは「セイヨウミザクラ」(西洋実桜、ワイルドチェリー、学名:Prunus avium)で、6〜7月に実を付けます。セイヨウミザクラの種(仁)からはチェリーカーネルオイルが抽出され、アロマセラピーの基材として利用されています。和歌に詠まれてきたのは野生種の「ヤマザクラ」(山桜、学名:Cerasus jamasakura)で、樹皮は古くから民間療法に利用されてきました。サクラの樹皮は生薬名を「桜皮」(オウヒ)と言い、咳止めや皮膚湿疹などに利用され、江戸時代の医師、華岡青州が調合した「十味敗毒湯」(じゅうみはいどくとう)にも使われています。桜餅などの和菓子に塩漬けの葉が使われるのは「オオシマザクラ」(大島桜、学名:Prunus speciosa)で、桜の花の塩漬けには主に八重咲の「カンザン」(関山、学名: Prunus lannesiana )が使われています。サクラの花や葉に見られる芳香の主成分はポリフェノールの一種であるクマリンでその他にもベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、β-フェニルエチルアルコールなどの芳香成分が含まれています。ただし、フレッシュの花や葉にはサクラの芳香はほとんど感じられず、桜餅に代表される「桜の香り」は、クマリンが糖質と結合している状態では香りが出ないため、クマリンと糖質を分離させる塩漬けや半乾燥などの加工を経て、桜特有の甘い香りとなります。サクラの芳香にはリラックス作用があるとされ、花から抽出される「桜の花エキス」にはシミの原因となるメラニンの生成抑制、皮膚コラーゲンの産生促進、皮膚の糖化予防などの作用があるとして美白化粧品などに応用されています。
ハーブの使用部位:花、葉、樹皮
◆桜の塩漬けに
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