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精油とハーブのプロフィール事典《クズ(葛)kudzu》
![]() 英名:kudzu ![]() クズ(葛)は、日本、東アジア、東南アジアを原産とするマメ科クズ属のつる性多年草です。つる草の総称である「葛」(かずら)と同じ字になります。クズの名前は、かつての産地であった奈良県の「国栖」(くず)という地域に由来しています。別名を「マクズ(真葛)」、「クズカズラ(葛蔓)」、「ウラミグサ(裏見草)」などの名前でも呼ばれています。日当たりの良い山野に自生し、繁殖力が旺盛でつるの長さは10〜15mほどに成長します。4〜9月にかけて甘い芳香のする紅紫色の花を下から順に多数咲かせます。美しい花姿は家紋などの意匠に使われ、万葉集にも詠われた「秋の七草」(食用ではなく眺めて楽しむ草花)のひとつです。花後になる扁平な豆果には褐色の長い剛毛が密生し、葉の表面にも毛が密生しています。根元部分は木質となり、塊根は長く肥大して1.5mほどに伸びます。塊根にはでんぷんが蓄えられており、秋から冬に掘りだして精製し、取り出したでんぷんが「葛粉」になります。葛粉は葛餅や葛切りなどの菓子などに用いられ、湯で溶かすととろみのある透明〜半透明の葛湯となります。特に奈良県の吉野地方で作られたものは「吉野葛」、「吉野本葛」と呼ばれる良質な葛で1kgの根から100gしか得られない貴重な葛粉です。現在「葛粉」として市販されているものの多くはジャガイモやサツマイモなどから精製されたでん粉なので、それらと区別するために葛粉100%のものは「本葛」と呼ばれています。その他にも、つるは籠などに編まれ、つるから採れる繊維は「葛布(くずふ)」と呼ばれる布になります。乾燥根は「葛根」(かっこん)と呼ばれる生薬で血行促進や発汗、解熱などの作用などがあり、風邪の初期症状に用いられ、漢方薬の「葛根湯」(かっこんとう)にも使われています。とろみのある葛湯は病中、病後の滋養強壮や介護食、離乳食などにに役立てられています。生の葉は「葛葉」(かつよう)として降圧や止血に利用されてきました。乾燥花の「葛花」(かっか)にはイソフラボンやサポニンが多く含まれ、中性脂肪や血糖値の上昇抑制、更年期障害などに役立てられています。肝機能を高める働きがあるため、古くは二日酔いなどにも用いられてきました。葛粉は粒子が細かく、滑らかな手触りで植物由来のパウダー基材として手作りコスメにも利用されています。無臭で汗や皮脂を穏やかに吸収し、化粧崩れを防ぎます。
ハーブの使用部位:根、花 ※生葉
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