|
精油とハーブのプロフィール事典《ナルキッソス Narcissus》
英名:Narcissus ナルキッソス植物画:plantillustrations.org ナルキッソスは、南ヨーロッパ、地中海沿岸地方を原産とするヒガンバナ科スイセン属の多年草(球根植物)です。別名をポエットダッフォディルと呼ばれ、日本には中国を経て渡来し、観賞用に栽培されています。中国では花の美しさと芳香の良さから古典に「水にある仙人」と記されてきました。属名のナルキッソスは、ギリシャ語の「麻痺させる」を意味する「narke(ナルケ)」に由来すると言われています。強い自己愛と自惚れを表す「ナルシシズム」や「ナルシスト」の語源であるギリシャ神話の美少年ナルキッソスに因んでおり、この花が下を向いて咲く様子は水面を覗き込んで自らを映しているようだとも言われています。ナルキッソスの種類のなかで神話のもとになったのは白水仙(ペーパーホワイト、学名:Narcissus papyraceus)と言われ、黄水仙(学名:Narcissus jonquilla)から抽出される精油は「ジョンキル」と呼ばれています。スイセン属には数多い種類がありますがナルキッソス精油が抽出されるのは主に「Narcissus poeticus」の種で、和名を「クチベニズイセン」と言います。口紅水仙の名前は春先に咲く白い花の中央の赤色やオレンジ色の副花冠の縁が口紅のように見えることに由来しています。花には強い芳香があり、精油は花から溶剤抽出法で得られます。インドでは伝統的に寺院での祈りの前にナルキッソス、ジャスミン、ローズ、サンダルウッドなどをブレンドしたオイルを身体に塗布しました。古代エジプトでは香料として使われ、アラビアでは育毛や媚薬などの用途に使われてきました。注意すべきこととして、植物としてのスイセン属には全草にリコリン、ガランタミン、タゼチンなどのアルカロイド系の有毒成分が含まれており、誤食は下痢やおう吐などの中毒症状を引き起こします。草の汁に触れても接触性皮膚炎を起こすので素手で触れないようにします。精油には中毒を起こす毒性は含まれていませんが他精油と同様に経口摂取は避けてください。希少で高価な精油のためアロマセラピー利用は一般的ではありませんが鎮痙、抗菌、鎮痛、瘢痕形成などの作用があり、軽い痛みや炎症、筋肉の痙攣、傷あとを目立たなくさせるのに有用とされています。精油の色は濃い緑色〜濃いオレンジ色で、芳香はグリーンのアンダートーンのある甘いフローラル調です。「うっとりと酔いしれるような」温かみのある官能的な香りは特にローマの調香師たちに愛され、高級香水に利用されてきました。甘い香りは心の疼きやストレスを解放し、ロマンチックな気分に浸らせてくれます。 《ナルキッソス精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:鎮痙、抗菌、抗炎症、鎮痛、瘢痕形成、抗不安、催眠 心への作用:痛みや不安感から来るストレスを解放し、心を落ち着かせて心身をバランスさせます。 ヒーリングの作用:自尊心、自己愛、自己認識を高め、情熱と創造性をもたらします。変性意識に誘い、内なる力の源泉とつながり、意識を強力に拡大させます。 キーワード:慰撫、官能、自己愛 相性の良い精油:アンブレットシード、アミリス、アンジェリカルート、ベンゾイン、ブラックペッパー、ブルータンジー、ボロニア、ブッダウッド、イランイラン、カルダモン、カーネーション、キャロットシード、シダーウッド、シャンパカ、クラリセージ、クローブバッド、クローブリーフ、コパイバ、コリアンダー、クミンシード、フランジュパニ、ミルラ、ネロリ、ナツメグ、オークモス、パロサント、パチョリ、バルサムペルー、ピンクロータス、ラベンサラ、ローズ、ローズウッド、サンダルウッド、スパイクラベンダー、タラゴン、バイオレットリーフ、ホワイトロータス 《ナルキッソス精油》を使ったホームケアの方法 ◆アロマペンダントに ◆香水作りに
|
2012-2024 Copyright (C) Holistic Aroma Academy, all rights reserved.
|