英名:German chamomile
学名:Matricaria recutita(マトリカリア・カモミラ)
Matricaria chamomilla(マトリカリア・レクティタ)
和名:カミツレ(加密列)、カミルレ(加密児列)
科名:キク科
種類:一年草
草丈:約60cm
原産地:地中海沿岸
精油の抽出部位:花
精油の抽出方法:水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ:薬草のような強いハーブ調の香り
香りのノート:ミドル
ブレンドファクター:1
精油の成分例:
【酸化物】α-ビサボロールオキサイドA(25〜40%)
【酸化物】α-ビサボロールオキサイドB(〜5%)
【酸化物】ビザボレンオキサイド(2〜5%)
【セスキテルペン炭化水素】β-ファルネセン(20〜30%)
【セスキテルペン炭化水素】カマズレン(10〜20%)
【セスキテルペン炭化水素】ゲルマクレンD(微量)
【セスキテルペンアルコール】α-ビサボロール(5〜10%)
【セスキテルペンアルコール】ファネソール(〜5%)
カモミールジャーマン植物画:Wikipedia
カモミールの名前はギリシャ語のカマイ(chamai)メロン(melon)「地を這うリンゴ」を意味しています。羽のような繊細な葉を持ち、春にリンゴのような香りの可憐な白い花を咲かせます。
開花するとヒナギクに似た花弁は反り返り、これが種小名recutita(下に反る)の由来です。カモミールは庭に植えると他の植物を元気にする事から「Plants Doctor」(植物のお医者さん)と呼ばれ、強いヒーリングパワーを持ちます。ジャーマン・カモミールはカモミールティーとして大変親しまれています。ローマンカモミールのハーブティーがその苦味のためにあまり一般的でないのに対し、ジャーマンカモミールティーはカフェ等で日常的に供される代表的なハーブティーです。欧米では伝統的な風邪のためのヘルシー茶で、英国のピーターラビットの絵本には、風邪を引いたピーターにお母さんがカモミールティーを飲ませる場面があります。ドイツでは新生児に飲ませる事があるほど、穏やかで安全なハーブです。ハーブクラフトでは石鹸、サシェ、ローションパックなど応用範囲の広いハーブです。
カモミール精油には「ローマン・カモミール」と「ジャーマン・カモミール」の2種類があります。どちらも花部から抽出されます。ジャーマンカモミールの属名Matricariaは「子宮(Matrix)」に由来し、この植物が女性(特に母親)のためのハーブである事が分かります。実際にドイツでは「母なる薬草」、中国では「母菊」と呼ばれ、家庭療法において母子にとって重要な植物とされてきました。ジャーマン・カモミール精油にはカマズレンという抗炎症作用のある特徴成分が含まれています。咲いている状態では白い花のカモミールが、水蒸気蒸留法によって抽出されると濃い青色となるのは、マトリカリンという成分がカマズレン成分に変化するためで錬金術のマジックを見ているようです。
★ローマンカモミール精油との使い分け★
ローマン・カモミール精油には鎮静作用のあるエステル成分が含まれているため、ストレス解消やリラックス目的に向いてます。ジャーマンカモミールは優れた抗炎症作用からどちらかと言えば芳香浴使用よりも外用が多く、目的別に選んで使用します。
《カモミールジャーマン精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:抗アレルギー、抗炎症、鎮痛、鎮静、瘢痕形成、癒傷、鎮痙、
通経、強肝
心への作用:ストレスを感じる時やストレスから来る皮膚のかゆみや炎症が出そうな時に。
イライラした気持ちや緊張感で神経が痛めつけられていると感じる時にも。
ヒーリングの作用:安心感とヒーリングの力を与えます。潜在している治癒力を高めます。
エネルギーの中で過敏、過剰になったものを穏やかに鎮静させます。
インナーチャイルド、インナーマザーの癒しに。
お母さんとの関わり、生まれてきた意味を知りたい時にも役立ちます。
キーワード:鎮静、ヒーリング、母子関係の再生
相性の良い精油:クラリセージ、オレンジ、ラベンダー、フランキンセンス、プチグレイン、
ネロリ、ローズ、ローズウッドなど。花系、ハーブ系、柑橘系と合います。
一滴でも強い薬草調の香りを持ち、ブレンド全体が濃いブルーの色に染まりま
す。
禁忌:通経作用があるため妊娠時の使用は注意します。
カモミール・ジャーマン精油はインクのような濃い青色をしているため、トリートメントの
際には衣類、タオルへの色移りに注意します。
《カモミールジャーマン精油》を使ったホームケアの方法
◆消化器系の不調、腹痛に
胃や下腹部に右回りの円を描くようにオイルマッサージするか、温湿布を行います。
◆関節炎、捻挫、筋肉痛に
痛み部分にキャリアオイルもしくはジェルで塗布を行います。
◆月経前緊張症、生理痛に
下腹部、腰部分にオイルマッサージをするか、温湿布を行います。
◆虫刺され、軽い湿疹に
クリームやジェルに加え、塗布を行います。
《カモミールジャーマン》ドライハーブのプロフィール
ハーブの使用部位:花
禁忌:キク科アレルギーの方は使用(特に外用)に注意します。妊娠中、授乳中の多量や常用使用
を避けます。
ハーブの成分:精油、セスキテルペンラクトン、フラボノイド、コリン、クマリン類
一般的なハーブに期待される作用:鎮静、鎮痛、消炎、鎮痙、発汗、保湿、神経緩和、健胃、
消化促進、子宮収縮
ハーブティーブレンド:何にでもよく合い、ブレンドのベースとなります。
ハーブティーの浸出時間:3分
ハーブティーの味:ほんのりと甘いリンゴの花のような香りと味わい
《カモミールジャーマン》ドライハーブの使い方
◆消化不良、ストレス性の下痢、風邪に
シングルもしくはブレンドしてハーブティーとして飲みます。
◆日常的な就寝前のお茶に
シングルもしくはブレンドティー、カモミールミルク等にして飲みます。
◆眠れない、冷え性、更年期の不調、血行循環に
ハーブバス、ハーブスチームに加えます。
◆スキンケアに
ローションパック、フェイシャルスチーム等に加えます。
◆ハーブクラフトに
手練石けん、ハーブキャンドル等に材料として加えます。
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