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精油とハーブのプロフィール事典《ローズ・ダマスク オットー Damask rose otto》
英名:Damask rose 薔薇は古代より多くの詩歌や絵画、文学に登場する植物です。学名のRosaはギリシャ語のrodon(赤)に由来し、その名のように古代のバラは真紅の色をしていました。薔薇を巡る伝説は数多く残されています。イスラム教では薔薇はモハメッドの汗から生まれたと言われています。古代エジプトの女王クレオパトラはバラの花を非常に愛し、ティーとして飲んだり、お風呂に浮かべたりして大量に消費しました。政治的な接待の場においては効果的な演出のためにバラの香りを用いていました。暴君として知られた古代ローマ皇帝ネロはバラを大変好み、バラで埋め尽くされた庭園にバラ水の噴水をしつらえたほどでした。ナポレオンの妻ジョゼフィーヌは世界中からバラの情報を集め、当時の植物画家ルドゥーテに「バラ図譜(Les Roses)」を描かせました。このように時代の権力者たちに愛されたバラですが、中世では魅惑的な香りがタブーとされ、わずかに修道院で薬草として栽培されるに過ぎない時期もありました。日本では「万葉集」や「源氏物語」「枕草子」の時代にすでにバラと思われる植物の記述があります。江戸時代の女性たちの間で流行した化粧水「花の露」は、バラ水に乳香や白檀で香りづけしたものです。ローズダマスクのドライハーブはガリカ種(レッド・ローズ)と区別するためにローズ・ピンクと呼ばれる事があります。ハーブ療法ではローズ・レッドと呼ばれるガリカ種の方が一般的ですが、ローズ・ダマスクにも素晴らしい効能と芳香性があります。ローズペタルと呼ばれる花弁のものやローズバッドと呼ばれる花蕾のもの、どちらもハーブティーからポプリまで幅広く使用出来ます。ガリカ種のような赤い色はありませんが、ダマスクにも花弁の色に有用成分が含まれるため、日光を避けて保管します。無農薬のローズの生の花びらはエディブルフラワーとして食べる事が出来ます。ビタミンC、ポリフェノールなどの美容に良い成分が含まれているため特に女性に人気です。ローズの精油は主にローズ・ダマスクとローズ・センティフォリアの2つの種から抽出されます。ダマスクの別名はブルガリアンローズ、ターキッシュローズで、ローズのなかでも濃厚で甘い芳香性を持つ最高級品です。ローズには何千もの品種があり、ダマスクローズの起源はアジアで、地中海産のロサ・ガリカ種からダマスク種が派生したと言われています。ローズ・オットーのオットー(otto)とは、トルコ語で「水」を意味します。ローズ・アブソリュート精油が石油系溶剤で抽出されるのに対して、ローズ・オットー精油は水蒸気蒸留法で抽出されます。オットーとアブソリュートでは芳香性、粘性、色、成分組成ともに異なります。オットーの方が淡い黄色みを帯びた透明な液体であるのに対し、アブソリュートの方は濃いオレンジがかった特徴的な色をしています。ローズ・オットー精油は水蒸気蒸留される事でローズオキシドやダマセノンなどの微量成分が見られます。これらはローズの特長的な香気を醸し出すものです。ローズ・オットー精油は500以上の複雑な成分からなる非常にユニークな組成を持っていますが、同時に偽和精油(ローズ精油に似せて作られた人工的な香料)が作られやすいため、購入の際には信頼出来るメーカーを選びます。ローズ精油は特に婦人科系のトラブルに対して使用価値が高く、ホルモンバランスを整え、子宮の強壮を行います。皮膚に対する美容作用から極上のスキンケアとして使用されています。ローズ・オットー精油の値段はアブソリュートの倍と大変高価ですが、石油系溶剤を含まないため身体使用(特にスキンケア)への安全性があります。ローズ精油が高価なのは早朝から行われる花の収穫が手摘みである事と、花部から抽出される精油の量が極端に少ないためです。4000kgの花からたった1kgしか蒸留出来ないため、ローズの精油は大変貴重なものになります。水蒸気蒸留法で抽出する際にローズ・ウォーター(バラ水)が同時に抽出されますが、これも大変素晴らしい芳香を持ちます。ローズ・ウォーターは10世紀のアラビアの医師アウィケンナによって作られ、当時から大変な好評を呼び、歴史の中では教会の浄めにも使用されてきました。
《ローズ・ダマスク オットー精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:抗うつ、鎮痙、高揚、催淫、強肝、強壮、通経、止血、鎮静、ホルモンバランス調整、浄化、皮膚軟化、収れん 心への作用:心が傷ついたり、ショックを受けるなどした時に。死別、失恋などの辛さ、寂しさ、孤独の感情をなぐさめ、愛で包みます。心を開かせ嫉妬や無関心、冷酷さを癒します。セクシャリティに働きかける作用もあります。 ヒーリングの作用:強力なオーラのプロテクトとして働きます。ネガティブエネルギーからの保護力に優れ、使用する人をパワフルな愛の波動で包みます。特にハートチャクラ(4チャクラ)の働きを強めさせ、自己肯定感を与えます。自分や他者への怒りと、その陰に隠されている悲しみ、心の傷を癒します。 キーワード:自己愛、保護、自己肯定 相性の良い精油:花系、ハーブ系、樹脂系、樹木系、柑橘系と相性が良い。ローズマリー、ラベンダー・トゥルー、イランイラン、ベチバー、スプリュース、フランキンセンス、パチュリー、ミルラ、ジャスミン、ネロリ、ベルガモット 禁忌:通経作用があるため妊娠中は使用を避けます。 《ローズ・ダマスク オットー精油》を使ったホームケアの方法 ◆ホルモンバランスの乱れ、女性特有の不調に ◆妊娠を望む方に ◆イライラ、ヒステリー、パニックに ◆更年期にまつわる症状に ◆すべての肌質のスキンケアに ◆香水作りに ◆メランコリー、憂鬱、気持ちの落ち込みに ◆気受けしやすい方のオーラの保護に ※精神世界的な利用法
ハーブの使用部位:花弁もしくは花蕾 ハーブの成分:タンニン、ペクチン、有機酸、脂肪酸、ニコチン酸アミド 一般的なハーブに期待される作用:収れん、神経緩和、鎮痙、強肝、強壮、ホルモンバランス調整 禁忌:妊娠中の多量使用を避けます。 ハーブティーブレンド:どのハーブとも合い、味のベースになります。エルダーフラワー、レモンバーム、ワイルドストロベリー、ラベンダー、ローズヒップ、リンデンフラワー、ジャーマンカモミール、オレンジピール、マロウブルー、ラズベリーリーフ、マリーゴールド、ペパーミント、ローズマリー、その他紅茶とも相性が良いです。 ハーブティーの抽出時間:3分 ハーブティーの味:柔らかで甘い優雅なバラの味わい 《ローズ・ダマスク》ドライハーブの使い方 ◆便秘、美肌、女性特有の不調に ◆スキンケア、美容に ◆美容、美肌、女性特有の不調に ◆ポプリ、サシェ、ハーブキャンドルに
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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