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精油とハーブのプロフィール事典《チェストツリー/チェストベリー/ヴァイテックス(セイヨウニンジンボク)Chaste tree、Vitex 》
英名:Chaste tree、Vitex 西洋ニンジンボクの名前でも知られるチェストツリーは南ヨーロッパ、西アジア原産の落葉性樹木です。樹高は2m〜8mになる低木〜小高木で、光沢のある細長い葉は5〜7枚がくっついて一枚の手のひら状になります。その様子が朝鮮人参の葉に似ているため「(西洋の)ニンジンボク」と呼ばれるようになりました。ただし、ウコギ科の本来の朝鮮人参とは種が異なります。属名のビテックスはラテン語の「ビエオ」(=結ぶ)から来ており、枝を曲げやすいことに由来しています。チェストツリーは夏から秋にかけて枝の先端に青紫色の小花を穂状に咲かせます。ハーブ療法で使用されるのはチェストベリーと呼ばれる果実部分です。花後にできる灰褐色の果実には香りがあり、風味はコショウに似ているため香辛料として使われてきました。果実だけではなく枝葉にも香りがあります。種小名の「agunus-castus」は「穢れのない子羊(処女の子羊)」の意で、英名のチェストベリーは「処女の果実」を意味しています。これらは、この植物が伝統的な制淫薬であった事を示唆しています。実際にイタリアの修道士たちは神に仕える道に入る時には、このチェストツリーの花を撒いたそうです。日本には明治時代に渡来しました。チェストベリーにはホルモンの調整作用があり、月経痛、月経不順、PMS、過少月経、子宮筋腫、子宮内膜症などの女性生殖器のトラブルに利用されています。ハーブ療法は自然排卵を促し、母乳の出を良くします。女性のハーブとして知られていますが、男性に対してもテストステロンのレベルを下げるとされており、海外では前立腺のトラブルやトランスジェンダー(男性から女性へ)のサポートとなる栄養補助食品して使われています。チェストツリーの精油は「ヴィテックス(ヴァイテックス、ビテックス)」と呼ばれ、種子(実)と葉から水蒸気蒸留法で抽出されます。精油の色は淡黄色でさらりとしています。フレッシュでスパイシー、ほろ苦さのある香りがします。精油も女性のホルモンバランスに働きかけ、月経周期の乱れやPMS、更年期のトラブルなどに利用されています。気分のむらを安定させ、うつ気味の心を引き揚げ、ホルモンバランスの変化に伴う不安を軽減するのに役立ちます。芳香浴やオイル塗布に使う場合は常に低濃度(1%以下)に希釈します。その他にも海外では蚊、ハエ、マダニ、ノミ、アタマジラミなどに対する忌避作用が報告されています。国内ではレア精油であり、症例は少なく、天然香水などにもあまり利用されていませんが、ブレンドに少量加えると良いアクセントになります。一般的な精油ではないため、初心者よりも資格者やプロのアロマセラピストなどの利用が推奨される精油のひとつです。 《ヴィテックス》精油の作用 一般的な精油に期待される作用:抗菌、抗真菌、抗炎症、ホルモンバランス調整、昆虫忌避 心への作用:不安な気持ちを和らげ、気分のアップダウンを整えます。 ヒーリングの作用:視床下部を刺激して(特に女性の)乱れたバランスを整え、中心に戻します。 キーワード:子宮活性、女性性バランス 相性の良い精油:アンジェリカルート、バジル、ベルガモット、キャロットシード、シダーウッド、シトロネラ、クラリセージ、グレープフルーツ、ジャスミン、ラベンダー・トゥルー、ライム、ネロリ、オレンジ、ローズマリー 《ヴィテックス》精油を使ったホームケアの方法 ◆月経痛、月経前症候群の予防に ◆ホットフラッシュや気分の落ち込みなどの更年期にまつわる不調に 《チェストツリー、チェストベリー》ドライハーブのプロフィール ハーブの使用部位:実 ハーブの成分:配糖体、フラボノイド、アルカロイド、苦味質 一般的なハーブに期待される作用:生殖器の強壮、制淫、中枢神経の刺激による女性ホルモンの分泌調整 ハーブティーブレンド:ラズベリーリーフ、ローズ、ローズヒップ、ワイルドストロベリー ハーブティーの浸出時間:3分 ハーブティーの味:スパイシーな香り、軽い苦味 《チェストツリー、チェストベリー》ドライハーブの使い方 ◆女性の生殖器にまつわるトラブルに
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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