英名: Tuberose
学名:Polianthes tuberosa(ポリアンテス・ツベロサ)
和名:ゲッカコウ(月下香)
科名:リュウゼツラン科
種類:多年草
草丈:約50cm
原産地:中央アメリカ
精油の抽出部位:花
精油の抽出方法:溶剤抽出法もしくは冷浸法
精油の香りのイメージ:濃厚で甘いエキゾチックな花の香り
香りのノート:ベース
ブレンドファクター:3
精油の成分例:アブソリュート
(微量成分)N-フォルミルアンスラニル酸メチル
(微量成分)アンスラニル酸メチル
(微量成分)N-メチルアンスラニル酸メチル
(微量成分)ニコチン酸メチル、ニコチン酸エチル、2,5-ジエチルプラジン、スカトール、イン ドール
チューベローズ植物画:Wikipedia
チューベローズ(チュベローズとも)はリュウゼツラン科の多年草植物で別名を月下香(げっかこう)と言います。中央アメリカ原産ですがフランス、インド、モロッコ、エジプト、コモロ諸島でも栽培されています。花は乳白色でロウのように肉厚です。ラテン語で「膨らんだ」を意味するtuberosaはチューベローズが球根植物であることに因んでいます。花はハワイでは歓迎のレイに使われ、神秘的な香りは「夜来香(イエライシャン)」や「晩玉香(ワンユイシャン)」の名で知られています。(※中国で夜来香と呼ばれる植物は、本来はガガイモ科のTelosma coldata Merrを指します)ローズの名前からバラ種と思われがちですが、バラではなく種小名のツベロサを英語読みしたものがチューベローズです。寛政の時代にオランダ経由で日本に来たことからオランダズイセンとも呼ばれていました。属名のポリアンテスは「白い花」の意味で月下香の名前のように夜間になると花の芳香が強くなる様子から「ナイトクイーン、夜の女王」と呼ばれます。チューベローズは開花とともに香り立ち、花を摘み取った後も蜂蜜のような甘い芳香を放ち続けます。花の姿の美しさと香りの良さから伝統的に香水や儀式などに使用されてきた精油です。愛の表現として花嫁のブーケにも使われるチューベローズは冷感症やインポテンツなどの性的な問題にも対処します。チューベローズの花言葉は「危険な楽しみ」「危険な快楽」こうした語句からは媚薬的な側面も連想されます。
チューベローズ精油は近年までアンフルラージュで抽出されてきましたが、現在では市販されているチュベローズ精油のほとんどが溶剤抽出法です。溶剤抽出の場合の収油率(精油の抽出効率)は非常に低く、それに対してアンフルラージュは手間がかかりますが収油率はかなり上がります。アロマセラピーとして使用される事は稀で、レア精油の部類になります。合成香料や偽和品もあるためピュアナチュラルのチューベローズ精油を扱っているところは非常に少ないです。年間の生産量が世界全体でキロ単位というほど少なく、大変に希少かつ高価な精油のひとつです。1kgの精油を得るのに2000kgのチューベローズの花弁が必要です。精油には抗けいれんや抗炎症の作用がありますが、価格を考えるとセラピーとして使うのは現実的ではなく用途は天然香水がほとんどです。チュベローズの香水にはデオドラント作用があり、重みのある香りはアンダートーンとして保香性を高め、調香に官能性と温かみを与えます。
《チューベローズ精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:催淫、高揚、加温、鎮静、麻痺(心をうっとりさせるの意味)
心への作用:脳や神経の緊張を取り去ってリラックスさせます。情熱やモチベーションを高めて心を温め、官能性を開かせます。
ヒーリングの作用:クラウンチャクラを刺激して芸術的なインスピレーションを与えます。怒りや苦しみの感情を解放し、閉じ込めてきた可能性を開かせます。人目を気にすることなく大胆に振る舞えるようになります。
キーワード:官能、大胆さ、自己表現
相性の良い精油:ガーデニア、イランイラン、ローズ、ジャスミンなどフローラル系と合います。
禁忌:敏感肌の方は皮膚塗布にご注意ください。
《チューベローズ精油》を使ったホームケアの方法
◆天然香水、調香に
コロン、トワレ、練り香、アロマペンダント等に加えます。