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精油とハーブのプロフィール事典《ラバンディン(ラバンジン) Lavandin》
英名:Lavandin ラバンジン(ラバンディンとも)は、フランス原産のシソ科の耐寒性低木です。ラベンダー・トゥルー(Lavandula angustifolia)とスパイクラベンダー(Lavandula latifolia)の自然交配種で、もともとはフランスの山々でトゥルーラベンダーが生育する標高の高い場所から、スパイクラベンダーの生育する標高の低い場所へミツバチが花粉を運ぶことで自然交配されました。トゥルーラベンダーが標高約1000〜1500mで栽培されるのに対して、ラバンデジンはそれよりも低い標高0〜700mで栽培されます。ラバンディンの学名は「Lavandula hybrida」ですが「Lavandula x intermedia」と表記されることがあります。「x」は交配種であることを示すもので一般に「ハイブリッド・ラベンダー」の名前でも知られています。不稔性(植物が種子を生じない)であるため、挿し木でのみ繁殖可能です。野生の自然交配種ですが現在ではラバンジン系のなかにも多くの商業栽培品種があり、グロッソ、グレイヘッジ、アブリアリス、スーパーなどのいくつかの種類があります。なかでも人気があるのが1970年代初頭のフランスで農場主ピエール・グロッソによって作られた「ラバンジン・グロッソ」で、総生産量の約7割を占めています。ラバンジンは交配によって約1mに成長することのある品種で、花も大きくなります。トゥルーラベンダーの萼が緑がかった色であるのに対してラバンディンは優美なラベンダー色をしています。ハーブとしての耐寒性、耐暑性があり、良く繁って育てやすい植物です。精油は花から水蒸気蒸留法で抽出されます。芳香成分は花全体に含まれていますが、特に萼部に多く見られます。ラバンジン精油の収油率はラベンダー・トゥルーの2倍と高く、それゆえに比較的安価であり、アロマセラピー利用の他に石鹸や洗剤などの香りづけとして商業的にも利用されています。時には(残念なことに)トゥルー・ラベンダー精油の偽和(混ぜ物)に使われることもある精油です。ラバンジンは一般的に知られているラベンダー・トゥルー精油に比べるとカンファー成分が多く含まれているためシャープで強い香りです。一般的なトゥルーラベンダー精油に見られるラベンダーらしいフローラルな甘さはありません。どちらかといえばラベンダースパイクの香りに近く、成分にも作用にもスパイクの性質が残されています。エアフレッシュナー、リネンスプレー、香水などに向く爽やかで男性的なエネルギーを持つラベンダーの香りです。スパイクラベンダー精油、ラベンダー・トゥルー精油と嗅ぎ比べしてみると、それぞれの香りの違いがよく分かります。ラベンダー・トゥルー精油の香りが苦手な人でも、爽やかなラバンジン精油は気に入ることがあります。 《ラバンディン精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:鎮痛、抗うつ、うっ滞除去、癒傷、消毒、去痰 心への作用:精神的な疲労や緊張、ストレスの状態に。ラベンダー・トゥルーとは成分も香りも異なり、リラックスよりはリフレッシュ作用に優れています。シャープでくっきりとした香りは気分をすっきりとさせます。 ヒーリングの作用:エネルギーを爽やかにします。不快で嫌な記憶をさっぱりと洗い流します。後悔、未練、執着、迷いを取り去り、意思を強くさせます。止めたいと思っている習慣を断ち切る時のサポートに。 キーワード:切り替える、洗い流す 相性の良い精油:柑橘系精油、ローズマリー、ペパーミント、マートル、サイプレス、ローズウッド、ゼラニウム、ラベンダー・トゥルー、ジュニパーベリー、セージ 禁忌:発熱時、けいれんを起こしやすい方、妊娠中、子どもへの使用は控えます。 《ラバンジン精油》を使ったホームケアの方法 ◆肩こり、腰痛、筋肉痛に ◆気分転換、リフレッシュに
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