英名:Aloe vera
学名:Aloe vera(アロエ・ヴェラ)
Aloe barbadensis(アロエ・バルバデンシス)
和名:アロエベラ
科名:ユリ科
種類:多年草
草丈:約50〜100cm
原産地:南アフリカ
アロエベラ植物画:Wikipedia
アロエベラは南アフリカ原産のユリ科の多年草で、細長く肉厚な葉の中身はゼリー状で水分を蓄えて育つ多肉植物です。科名はユリ科以外にススキノキ科、ツルボラン科、アロエ科と表記されることがあります。熱帯で繁殖し、現在では日本にも帰化しています。アロエの品種は300以上あり、非常に古い歴史のある植物です。アロエはアラビア語の「Alloch」に由来し、古代ギリシャ、ローマの時代にすでに栽培されていました。古代エジプトでは強壮剤や瀉下剤、傷薬などに利用され「不死の植物」としてファラオ王の埋葬品にもなりました。クレオパトラはアロエの葉肉を肌に塗り、日焼けを防ぎました。古代ローマの医師ディオスコリデスの著書「薬物誌」にもアロエの記述があります。日本には江戸時代に渡来し、貝原益軒によって薬草として紹介されました。当時はアロエの当て字で「蘆薈(ろかい)」と呼ばれていました。日本で昔からよく知られているのは食用や薬用となる「キダチアロエ(学名:Aloe aruborescens)」で、種小名は「木のような」を意味しています。名前の通り樹木状になり「木立アロエ」と呼ばれて家庭でも栽培され、万能的な作用から「医者いらず」の俗名があります。鋭い棘を持つ葉部分は食べると苦く、健胃や緩下の作用があります。ただし、アロエの食用は子宮内を充血させるため妊娠中、月経中は避けます。その他にも長期多量の摂取や子供、胃腸の疾患、糖尿病の場合は食用を避けます。外用では化粧水やチンキにも利用され、すり傷や火傷、美容などに利用されてきました。なお、キダチアロエはワシントン条約によって輸出、輸入が制限されています。アロエベラは起源も古く、古代エジプトではミイラの防腐に用いられていました。イエス・キリストの聖骸布(遺体を包んだ布)にはアロエと没薬を浸したリネンが使われました。常緑多年草で耐寒性はなく、キダチアロエよりも厚みのある葉は地面から直立しています。夏にオレンジ〜黄色の管状の花を咲かせ、観賞用としても植えられています。属名の「barbadensis」は、この植物が発見された西インド諸島のバルバドス島に因んでおり、種小名の「vera」は、「真実の、本物の」を意味しています。食用としての栽培が多く外皮を剥いた葉肉は苦味が少ないため刺身やデザートにして食用される他、ジュース、アロエ酒などに加工されます。液汁を乾燥させたものは生薬として利用されています。生薬にはアロイン(アンスロン配糖体)、アロエエモジン、バルバロインなどが含まれ、健胃や緩下の作用があります。「メディカルアロエ」の呼び名があり、日本薬局方にも記されています。上記のキダチアロエと同じく内用に関してはいくつかの注意が必要です。アロエベラにはワシントン条約の規制はありません。
《アロエベラジェル》基材のプロフィール
アロエの葉肉に含まれる粘性のあるゲル状物質は古来より傷や火傷、虫刺されなどに利用されてきました。化粧品には外皮を除いて加工された葉肉を使います。葉肉はフリーズドライされた後、粉末にされアロエベラジェルとして市販のローションやジェル剤などに利用されます。その他に葉肉からエタノールでチンキとして抽出する方法もあります。ローションやジェル製品は劣化防止のためにエタノールなどの保存剤が加えられています。アロエには各種ビタミン、ミネラル、酵素などが含まれ抗酸化や美白の作用が研究されています。国内研究ではアロエに含まれる「アロエサポナリンI」に紫外線を吸収する作用がある事が認められています。
基材の使用部位:葉肉
抽出:フリーズドライ後にパウダーに加工もしくはエタノール抽出
基材の成分:サポニン、ムコ多糖類、バルバロイン、アロエエモジン、アロエシン、マンノース、ペクチン
一般的な基材に期待される作用:抗炎症、創傷治癒、紫外線吸収、抗酸化、保湿
注意:基材としてのアロエベラジェルは外用のみです。
匂い:無し
《アロエベラジェル》基材の使い方
◆日常的なスキンケアに
そのまま、もしくは精油、キャリアオイル、クリームベースなどを加えて洗顔後のジェルとして使います。
◆日焼け後のフェイシャルパックに
アロマウォーター、キャリアオイルなどを加えてフェイシャルパックを行います。
◆ニキビのケアに
そのまま、もしくは精油を加えて局所使用します。
◆軽いすり傷、火傷、虫刺されに
そのまま、もしくは精油、キャリアオイルを加えて局所塗布します。