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精油とハーブのプロフィール事典《スイートアーモンド Almond sweet》
英名:Almond sweet アーモンドの木は、中東原産のバラ科の落葉高木です。属名の「Prumus」はラテン語の「スモモ」を「amygdalus」は「植物」を意味しています。和名の「扁桃」は、扁桃腺の形がアーモンドに似ていることから名づけられました。アーモンドの実は旧約聖書にも登場し、古くから利用されてきた植物のひとつです。古代ローマの時代にはスイートアーモンドのオイルがスキンケアに利用されていました。アーモンドには食用や化粧用オイルになる栽培品種の「スイートアーモンド」と、野生種で薬用になる「ビターアーモンド」があります。ビターアーモンドの実には毒性のある「アミグダリン」という青酸化合物が含まれており、輸入が規制されているため一般には流通していません。木は地中海沿岸地域やカリフォルニアなどの夏は暑く乾燥し、冬は冷涼となる気候が生育に適しています。サクラ属であるアーモンドは桜によく似た白〜ピンク色の花を咲かせ、蜜蜂によって受粉します。5〜7月に結実し、実は8月末〜9月に収穫されます。実は自然に落下しないため機械で揺すり落とします。「アーモンドツリーシェイカー」という専用機械によって実がバラバラと雨のようにこぼれ落ちる様子は「アーモンドシャワー」と呼ばれています。現在の世界最大の生産地はカリフォルニアで、18世紀にスペインの宣教師によってこの植物が新大陸に伝えられ、その後に大規模な農場で栽培されるようになりました。日本には1950年代に輸入され、チョコレート菓子やパウダーなどの製菓材料、ビタミンやミネラルを含むヘルシーフードとして広く利用されています。アーモンドは果肉が薄く、種中に1つ入っている「仁(甘扁桃仁)」の部分が食用になります。スイートアーモンドオイルはこの「仁」を低温圧搾して得られます。オイルは淡い黄色でわずかな粘性があり、オイリーな性質を持っています。同じバラ科植物から得られる「アプリコットカーネルオイル」や「ピーチカーネルオイル」と組成がよく似ています。未精製のスイートアーモンドオイルは甘い香りとマジパンのような風味がありますが、安価な市販品の多くは溶剤抽出された精製タイプのスイートアーモンドオイルで、それらには色や香り、栄養分はあまりありません。 《スイートアーモンドオイル》基材のプロフィール アロマセラピー基材としてのスイートアーモンドオイルはトリートメントオイル、香油、クリーム、石鹸、バーム、ハーブ浸出油などに広く使用されています。アロマサロン用のトリートメントオイルとしては最も多く使われている定番の植物油です。万能的に使用出来ますがオレイン酸を多く含むため、特に乾燥肌、かさつきが気になる肌に向いています。皮膚の滑りが良く、エフルラージュ(軽擦法=トリートメント手技のひとつ)の心地よさを伝えるアロマセラピストにとって、必須のオイルです。やや酸化しやすいオイルのため、購入時にローズマリー抽出物(RОE)を添加しておくと日持ちが長くなります。 基材の成分:オレイン酸(65%)、リノール酸(27%)、パルミチン酸(6〜7%)、ステアリン酸(1.6%)27、パルミトレイン酸(0.4%)、ビタミンE、微量ミネラルなど 一般的な基材に期待される作用:保湿、皮膚軟化、抗炎症 匂い:(精製)ほとんど無い、(未精製)甘いマジパンのような香り 《スイートアーモンドオイル》基材の使い方 ◆トリートメントオイル、香油に
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