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精油とハーブのプロフィール事典《ワサビ(山葵)Wasabi》
![]() 英名:Wasabi、Japanese horseradish ![]() ワサビは、日本原産のアブラナ科ワサビ属の常緑の多年草です。根、葉、茎が香味野菜として利用され、特に根には特有の辛味成分があり、すりおろしたものが薬味として使われています。刺身、寿司、蕎麦などには欠かせない薬味であり、日本人の食生活に深く根づいている和ハーブの一つです。山間の清流の浅瀬に植生し、自生のものと栽培のものがあります。自生は「沢ワサビ」や「水ワサビ」、栽培は「畑ワサビ」や「陸(おか)ワサビ」と呼ばれ、栽培の方が根が太く成長します。根の収穫は通年行うことが出来ますが栽培品は収穫までに日数がかかるため、希少で高価です。同じアブラナ科の「西洋ワサビ」(ホースラディッシュ)と区別するために「本わさび」とも呼ばれています。草丈は20〜40cmに成長し、地中を横に這う多数の節のある緑色の根を持ちます。根からは直接にハート型の葉が生え、春に茎の先端に白色の小花を多数咲かせます。日本の自生種として古い歴史があり、918年に編纂された日本最古の薬物事典「本草和名」にも記されています。平安時代には精進料理として食用され、江戸時代には栽培が始まっていました。徳川家康はワサビを非常に好み、その後のにぎり鮨の流行とともに生魚を安全に美味しく食べる知恵としてワサビが一般的に使われるようになりました。有用成分は辛味の強い根で、辛味の主成分であるアリルイソチオシアネート(アリル辛子油)には抗菌、殺菌、食欲増進などの作用があります。葉や茎にも辛味成分が含まれていますが根のような強い辛味はなく、刺身のつまや漬物などに利用されています。嗅上皮を刺激し、ツンと鼻に抜ける辛味成分は生の根をすりおろすことで出現します。これはワサビの細胞内にあるシニグリンという配糖体が空気に触れることでアリルイソチオシアネートが生成されるためです。ワサビの辛味のなかにほのかな甘みも含まれ、日本人好みの香味となっています。ワサビの辛味成分は30分〜1時間ほどで揮発し、風味が薄れます。すりおろすのには細かい目のおろし器が向いており、特に目の細かいサメ皮のおろし器はワサビをすりおろすのに最上とされてきました。おろす時には「の」の字を描くように力を入れずにすりおろします。ワサビの辛味は唾液を分泌させて食欲を増進し、消化を助けます。辛味成分には優れた抗菌作用があり、腸炎ビブリオ、O-157、サルモネラ菌などに対して有効であることが発見されています。近年では、ワサビの持つ効能としてガンや血栓症の予防効果なども研究されています。その他にも辛味成分による殺菌作用を活かしたフィルムやシート状の抗菌剤が弁当や総菜の保存に利用され、辛味成分が植物老化を促すエチレンガスの発生を抑制するため、野菜や果物の鮮度保存剤としても利用されています。
ハーブの使用部位:根(茎、葉)
◆料理に
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