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精油とハーブのプロフィール事典《タンジー Tansy》
![]() 英名:Tansy、Common tansy タンジーは、ヨーロッパからアジアの広い地域を原産とするキク科の多年草です。和名のヨモギギクは花がヨモギの花に似ていることに由来しています。北海道には変種の「エゾヨモギギク」が自生していますが近年では数が減りつつあります。草丈は70〜150cmほどで木質で匍匐性の地下茎を伸ばして成長し、こぼれ種でも増える丈夫な植物です。葉は約20cmでシダに似ており、すっとする強い香りと甘さと苦味があります。夏から秋にかけて頂部にボタンのような形の黄色い花を多数咲かせます。そのため英名では「バチェラーズボタン」や「ビターボタン」「ゴールデンボタン」などのボタンに因んだ名で呼ばれています。花は蜜を多く含み、受粉を媒介する昆虫を多く引き寄せます。有機栽培では害虫駆除のためのコンパニオンプランツとして植えられ、乾燥ハーブは衣類につく蛾の幼虫除けとして利用されてきました。ヨーロッパではハエやアリ除けのために台所の入り口近くに植えられ、花は乾燥させても形、香り、色が損なわれず、防腐作用もあることから棺桶にリースや花束の形で入れられました。その他にも植物染料としてウールや布地を黄色く染めるのに利用されてきました。タンジーは薬用植物であると同時に毒草でもあり、かつてのヨーロッパでは堕胎薬として使われていました。歴史のなかでは、少量の若い葉をオムレツやプディング、スタッフド、サラダなどにして食用し、料理に加えることで腸内寄生虫に効果があると考えられていましたが、現在では毒性成分のため食用されることはありません。タンジーの花からは水蒸気蒸留法で精油が抽出されますが、毒性があるため一般的なアロマセラピーには利用されていません。精油成分は神経毒性のあるβ-ツジョンが約70%、その他にゲルマクレンD、サビネン、1,8-シネオール、ピネン、カンフェンなどで構成されています。抗菌作用や抗リウマチ作用があり、海外では軟膏などで外用されることがありますが、万が一誤飲すると、めまい、痙攣、消化器系粘膜への激しい刺激、瞳孔収縮などの重篤な中毒症状となるため大変危険です。アロマセラピーとして一般に安全に利用できるのは同じキク科の「ブルータンジー精油」(学名:Tanacetum annuum)で、抗炎症、抗アレルギー作用があり、精油は濃い青色をしています。 《タンジー》ドライハーブのプロフィール ハーブの使用部位:花、花蕾、葉 禁忌:精油には神経毒性があるため、一般利用は避けます。 ハーブの成分:精油(ツヨン)、フェノール酸、フラボノイド、苦味質 一般的なハーブに期待される作用:昆虫忌避 《タンジー》ドライハーブの使い方 ◆ポプリ、虫除けサシェに
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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