|
精油とハーブのプロフィール事典《タヒチアン・ガーデニア Tahitian gardenia》
英名:Tahitian gardenia タヒチアン・ガーデニアは、南太平洋のソシエテ諸島原産のアカネ科クチナシ属の常緑低木です。「ティアレ・タヒチ」もしくは「ティアレ」の名前でも知られています。「ティアレ」はタヒチ語で「強い香り」を意味し、3月から11月にかけて咲く花には強い芳香があります。葉は濃緑色で光沢があり、花弁は5〜9枚、花はクリームがかった白色で中心が黄色く、夕暮れ時に開いて数日間咲き続けます。タヒチ諸島の国花であり、ポリネシアでは年間に1億1千万本もの花が収穫されるほどポリネシア文化の象徴となる植物です。花の女王として歓迎のレイや髪飾り、お祭りやお祝いに使われ、花を身につける場合は男性は蕾を、未婚女性は右耳に、既婚もしくは恋人がいる場合は左耳に飾るそうです。タヒチを愛したフランス人の画家ポール・ゴーギャンの絵画にもこの花を飾る女性たちが描かれています。古代ポリネシアの神話では、この花は森の神タネが月の女神ヒナへ贈るために作ったと言われています。ヒナはこの花の香りに魅せられ、花を地上に撒くようタネに伝えたそうです。ヒナは月と豊饒、女性性の女神であり、神聖な力と美しさの象徴としてポリネシア文化の精神性と深く結びついています。白い花弁は純粋さ、美しさ、魂の愛を、中心の黄色い部分は無邪気さを表すとされ、神聖な儀式では乙女たちが花冠を飾り、悪霊を退けて儀式の場を清浄にするために籠いっぱいの花を撒きます。かつては王族のみがこの花を収穫することが出来、身分の高い人の結婚式では屋敷中がこの花で埋め尽くされたそうです。芳香は蜜のように甘いフルーティフローラルで、わずかな土っぽさを感じさせます。芳香にはリラックスやストレス軽減などのアロマテラピー作用があり、タヒチの伝統医学では頭痛、日焼け、虫刺され、傷、風邪などの日常的な症状に対して花の煎剤が使われてきました。トンガでは霊的な薬草療法としても使われ、樹皮の煎じ液を鼻、目、口に垂らすと「ゴーストシックネス」(=幽霊病、ポリネシアの人々の文化的信念で、亡くなった人を想い過ぎることで起こる全身衰弱、食欲不振、息苦しさ、悪夢、恐怖などの症状。幽霊や魔女によるものだと考えられている)を癒すとされてきました。花の収穫は夕暮れ時に行われ、手作業で摘まれた花は籠のなかに交互に慎重に詰められます。摘んだ花びらをココナッツオイルに浸し、10日間〜数週間置いてから濾すとタヒチの伝統的な香油「モノイオイル」(モノイ・ド・タヒチ)が出来上がります。「モノイ」は「神聖な油」を意味し、1リットルのオイルに対して少なくとも10本のティアレが必要です。現地では自家製造されることも多く、傷の手当からスキンケア、サンオイル、シャンプー、ヘアケア、石鹸材料、マッサージオイルなどに広く利用されてきました。豊かな花の香りは精神的な目覚めを促して平和であることや自然とのつながり、神との結びつきを深めます。瞑想に用いるとタヒチアン・ガーデニア花言葉「私はこのうえなく幸せ」の状態に導かれます。 《モノイオイル》基材のプロフィール 基材の成分:タヒチアンガーデニアの花エキス、ココナッツオイル(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸など) 一般的な基材に期待される作用:保湿、皮膚軟化 匂い:フルーティフローラルの甘く強い香り、わずかな土っぽさ 《モノイオイル》基材の使い方 ◆トリートメントオイル、香油に
|
2012-2024 Copyright (C) Holistic Aroma Academy, all rights reserved.
|