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精油とハーブのプロフィール事典《クレタディタニー Cretan dittany》
英名:Cretan dittany、Dittany of Crete クレタディタニー(クレタ島のディタニー、ディタニー・オブ・クレタ)は、ギリシャのクレタ島の山腹や峡谷に自生するシソ科の多年草(または小低木)です。属名の「Origanum」は、ギリシャ語で「山」を意味する「oros」と「喜び」または「山の喜び」を意味する「ganos」に由来しています。種小名の「dictamnus」は、ギリシャ神話でゼウス神が生まれたクレタ島の山「ディクティ」と低木を意味するギリシャ語の「タムノス」に由来しています。クレタディタニーは狩猟の女神アルテミスに捧げられた神聖なハーブとして矢による傷から守ると信じられており、この植物を食べたヤギは矢の攻撃を受けなくなると考えられていました。クレタ島の土地の言葉で「愛 」を意味する 「エロンタス(erontas) 」の名前で知られる愛のためのハーブでもあり、この植物を採集するために男たちは足場の悪い岩壁を命がけで登り、花束を恋人に捧げて愛の証としました。クレタ島の花嫁は伝統的にクレタディタニーの花冠をつけました。芳香はマジョラムに似ており、別名「ホップマジョラム」とも呼ばれています。クレタディタニーは、かつてヨーロッパでハーブ療法に使われていたミカン科のディタニー (ハクセン、ホワイトディタニー、学名:Dictamnus alba) と混同されることがありますが異なる種です。草丈は20〜30cm、幅40〜60cmに成長し、木質の茎に灰緑色の丸い葉が対になって付き、茎と葉は白い毛で覆われビロードのように柔らかです。6月〜8月にかけて苞から垂れ下がるようにして咲く花は淡ピンク色〜紫色で蜜蜂を多く引き寄せます。古代ギリシャの医師ヒポクラテスは、この植物が腹痛、消化器系の不調、傷の治癒、月経誘発などに有用だとしました。薬草学者ディオスコリデスは蛇などの毒を取り除くのにこのハーブを用いました。優れた薬効からクレタ島では「万能薬」として寺院や庭園に好んで植えられ、風邪、扁桃炎、喉の痛みを伴う咳、胃の不調、歯肉炎、リウマチ、関節炎、月経痛、分娩促進、月経誘発などの様々な症状に役立てられてきました。17世紀のイギリスの薬草学者カルペパーは傷の治癒を行うハーブとして潰瘍や傷の洗浄に使用しました。実際にクレタディタニーは負傷した動物が自らを癒すためにこの植物を探したと言われています。爽やかな芳香はワインやベルモット、アブサンなどの風味付けに用いられ、生の葉はサラダに、花の先端を乾燥させたものはティーとして飲まれる他、ドライフラワーとしても利用されてきました。魔法や魔術の世界でもクレタディタニーは優れた力を持つハーブとして知られてきました。伝統的に愛と関連付けられ、媚薬であるとともに強力な愛の呪文にも使われてきました。ハリー・ポッターでは傷を癒す薬草として登場します。その他にも邪悪なエネルギーから護り、場を浄化し、透視能力を高めるために使われてきました。精霊の召喚やアストラル旅行(幽体離脱)、スクライング(水晶霊視)を行う際にはバニラ、安息香、乳香、白檀などとともに香として焚かれ、香煙のなかに精霊がその姿を現すと考えられてきました。ハーブの収穫は花の開花する時期に行われ、精油は花を含む地上部から水蒸気蒸留で抽出されます。精油の色は淡黄色〜淡褐色でカルバクロール、p-シメン、チモールなどの成分が70種以上も含まれ、特に抗菌や抗真菌の作用に優れています。芳香は強く、オレガノやタイムに似ており、ほのかなミント様の清涼感、わずかに土っぽさを感じさせます。伝統療法ではオイリー肌やニキビ肌のケア、セルライト予防などに利用されています。 《クレタディタニー精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:抗菌、抗真菌、抗酸化、防腐、鎮痛、鎮痙、抗炎症、消化促進、収れん、虫除け 心への作用:リラックスと強壮の両面を持ち、やや苦味のある香りは心を落ち着かせるとともに、ほどよく元気づけます。 ヒーリングの作用:邪悪なエネルギーから護るとともに、すでに入り込んだ邪悪なエネルギーを排出します。リーディング能力、霊的パワーを高めるのに役立ちます。 キーワード:保護、治癒、元気づけ 相性の良い精油:タイム、スパイクラベンダー、ラバンジン、ローズマリー、レモン、オレンジ、ベルガモット、ジュニパーベリー、セージ、パイン、シダー、ファーニードル 《クレタ・ディタニー精油》を使ったホームケアの方法 ◆セルライト予防に ◆感染予防に
《クレタ・ディタニー》ドライハーブのプロフィール 国内ではドライハーブの流通はほとんどありませんが「花オレガノ」の名前で観賞用ハーブとして入手できます。 ハーブの使用部位:地上部 禁忌:子供および服薬中および妊娠中、授乳中の使用は避けます。 ハーブの成分:精油(カルバクロール)、トリテルペン(ウルソール酸、オレアノール酸)、フラボノイド 一般的なハーブに期待される作用:抗菌、抗真菌、抗炎症、消化促進、創傷治癒、収れん、虫除け 味:タイムやミント、マジョラムを想わせる爽やかな風味 《クレタ・ディタニー》ドライハーブの使い方 ◆料理に
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