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精油とハーブのプロフィール事典《イヌラ(イニュラ)Inula》
![]() 英名:Inula ![]() イヌラ(イニュラとも)は、地中海沿岸、中東、中央アジア〜ヒマラヤ西部を原産とするキク科の耐寒性多年草です。別名をスイートイヌラ、スティンクワートとも呼ばれています。学名が「イヌラ・ヘレニウム」であるキク科のエリキャンペーン(オオグルマ)とは異なる植物です。属名の「Dittrichia」はドイツの植物学者マンフレッド・ディートリッヒに因んでおり、種小名の「graveolens」は、ラテン語で重みのある香りを意味しています。「イヌラ」の名前は古代ギリシャ語の「浄める」を意味する「ineo(イネオ)」に由来しています。イヌラ属には約80種があり、優れた効能のある植物として古くから栽培され、庭園植物としても好まれてきました。草丈は1.3mまで成長し、葉は細長く、葉の縁には小さな鋸歯があります。葉の表面には粘着性のある樹脂があり、樟脳のような香りがします。生の葉に触れるとアレルギーや皮膚炎を起こすため、植物に触れる時には手袋で保護します。根には抗菌作用があり、生薬として使われてきました。晩夏に咲くヒマワリに似た黄色い小さな花には、ほのかに甘い草のような香りがあり、ドライフラワーやポプリとして使われてきました。イヌラ精油は花部から水蒸気蒸留法で抽出されます。精油は粘性がなく、さらりとしており、色は通常は淡黄色ですが銅製の蒸留釜を使用するとエメラルドグリーン色になります。収穫量が少ないため精油の価格は高価で流通量も限られています。芳香はカモミールを想わせる甘くフローラルな薬草風のフレッシュな香りのなかに樟脳、ペッパー、土っぽさが感じられます。産地によって化学組成が異なり、良質なイヌラ精油の産地として知られるコルシカ島産の主成分は酢酸ボルニルとボルネオールです。ギリシャ産はエピ-α-カジノールと酢酸ボルニルが多く含まれ、イラン産は1,8 シネオールが50%以上、その他にp-シメンやβ-ピネンなどが含まれています。アロマセラピーでは「粘液溶解の女王」と呼ばれるほど優れた粘液溶解作用で知られ、穏やかな抗感染、抗炎症、抗痙攣、鎮咳、うっ血除去などの作用もあります。特に気管支炎、喉頭炎、副鼻腔炎、咳、鼻水、帯下、膀胱炎などの粘液の過剰分泌に対して有用とされています。吸い込まれた煙や粉塵などの好ましくない物質を流し去り、肺のエネルギーを清浄にします。スキンケアでは毛穴の詰まりやニキビやシミが出来やすいオイリー肌に対して使われています。感情面では心を落ち着かせ、ストレスから来る不安やパニック、不眠などをなだめます。自己の能力を認めて自尊感情を取り戻すのに役立つ精油です。エネルギーヒーリングの世界ではハートチャクラと太陽神経叢に関連付けられており、恐れや不安によってブロックされた感情を解放し、調和に導きます。
一般的な精油の作用:粘液溶解、穏やかな抗感染、抗菌、抗炎症、抗痙攣、鎮咳、抗不安、鎮静、瘢痕形成、鬱血除去、創傷治癒 心への作用:自律神経のバランスを整えてリラックスさせ、安らかな眠りを促します。心に明るさを呼び込み、憂鬱な気分から抜け出すのを助けます。 ヒーリングの作用:恐れや不安によってブロックされた感情を解放し、ハートチャクラと太陽神経叢を調和させます。 キーワード:調和、内なる勇気、元気づけ 相性の良い精油:ヘリクリサム、ラベンダー・トゥルー、ラバンジン、ローズマリー、ティーツリー、ユーカリ・ラジアータ、マートル、ローズ、レモングラス、ローレル、フランキンセンス、パロ・サント 禁忌:キク科アレルギーの場合は注意します。子供、妊娠中、授乳中、高齢者、持病のある場合は使用を避けます。粘膜および鼻、目、外耳道などへの直接塗布を避けます。希釈濃度は最大で2%とします。
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