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精油とハーブのプロフィール事典《カラマス(ショウブ)Calamus》
![]() 英名:Calamus、Calamus root カラマスは、日本、東アジア、シベリア、マレーシア、インドを原産とするサトイモ科(新体系ではショウブ科)の多年草です。和名を「ショウブ」(菖蒲、白菖)と言い、池や川、沼などに群生する水生植物です。水中に節のある根茎を伸ばして群生し、地上に向けて剣状の葉を伸ばします。初夏に黄緑色の円柱状の花穂に目立たない小さな花を付けます。菖蒲園などで観賞されているアヤメ科の「ハナショウブ」(別名ハナアヤメ、学名:Iris ensata var. ensata)も「菖蒲」(あやめ)と書くことから混同されがちですがカラマスとは異なる植物です。日本に見られるショウブは変種の「Acorus calamus var. angustatus」で、別名ノキアヤメ、アヤメグサ、オニゼキショウとも呼ばれ、古くは万葉集にも記されてきました。英名はブルーフラッグやスイートフラッグなどの呼び名があり、伝統的な薬用植物として古代エジプトやネイティブアメリカンの民間療法、アーユルヴェーダ、中医学、チベット医学などで用いられてきました。ヒンドゥー教の神話ではヴィシュヌ神の涙から生まれた神聖な植物として純粋さと神性の象徴だと考えられてきました。植物全体に爽やかな芳香があり、葉や根茎をアルコールに浸けたものは薬用酒として使われてきました。日本では端午の節句に魔除けや男子の無病息災を願って飾られ、「菖蒲湯」として入浴や蒸し風呂にも使われています。根茎はかつては「白菖」(はくしょう)あるいは「菖蒲根」(しょうぶこん)と呼ばれる鎮静、鎮痛、苦味健胃などの作用のある生薬として用いられてきましたが悪心や嘔吐を催す場合があるので現在では使われていません。菖蒲の生薬は妊娠中は禁忌で、精油も同じく妊娠中は避けます。カラマスの精油は乾燥させた根茎から水蒸気蒸留法で抽出されます。聖書には「アノイント」(塗油)の精油として記述され、アーユルヴェーダでは脳機能に働きかけて記憶力や知性を高めると考えられてきました。精油の色は淡黄色でウッディ、スパイシー、フレッシュグリーンの香りを含んだ特徴的な芳香です。カラマス精油には抗炎症や鎮静作用があると言われていますが肝臓毒性や発がん性のあるβ-アサロンが含まれているため、一般的なアロマセラピー利用は推奨されません。主な用途はミスト式の天然香水です。精神性、霊性に働きかける香りとしてヨギに好まれ、その他にも媚薬的な作用があるとして恋愛のおまじないやパートナーの引き寄せにも使われています。
一般的な精油に期待される作用:鎮静、抗炎症 心への作用:安心感やリラックスの感覚を与え、ストレスや不安な気持ちをなだめます。
◆天然香水、アロマペンダントに
《カラマス(ショウブ)》ハーブのプロフィール ハーブの使用部位:根茎、葉 ハーブの成分:フェニルプロパノイド(β-アサロン、メチルオイゲノール、オイゲノール) 一般的なハーブに期待される作用:(入浴の場合)鎮静、血行促進、健胃 《カラマス(ショウブ)》ハーブの使い方 ◆菖蒲湯に
カラマスルートには、ほのかなムスク、蜂蜜、バニラ、シナモン、レモン様の香りに甘さと土っぽさが感じられます。根は香として焚かれるほかウィッチクラフトの材料として魔術にも利用され、民族宗教フードゥーでは支配、制御、命令などのまじないや恋愛を成就させるために使われてきました。古代メソポタミアでは香の調合に、古代エジプトではキフィの調合に使われ、香煙は感情的な疲労やエネルギー活性に役立つと考えられてきました。古い時代には幻覚作用があるとされていましたが、これは誤りであったようです。現代でもカラマスの根は繁栄と豊かさを引き寄せ、悪しきものから保護し、太陽神経叢を強めてサイキック能力を高めるものとして利用されています。 インセンスの作用:精神活性、浄化、グラウンディング
◆薫香材、お香に
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